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めざましコラム 第62号 色々見たいは八方ふさがり?

― う~ん、 でももう少し色々と見てみたいんだよね。
今日はありがとう。

試乗もした。
グレードも色も決まった。 見積も出した。
ここぞと思ったクロージングで肩すかし。
一気に雲行きが怪しくなる。

― あ・・・ そうですか
「色々見たい」 は想定外。 次の言葉が出てこない。
さっきまであんなに盛り上がっていたのに・・・
他の車種の話なんて全く出てこなかったのに・・・
うちのクルマが一番という雰囲気だったのに・・・

頭の中をぐるぐる巡る 「いったいどうして?」 と 「どうしよう」 。
答えが出ないままに、 お客様の帰り支度完了。

― あ、 あの・・・
条件等、 頑張りますので、 是非またご来店ください・・・

だけれど、 またのご来店の機会はなく、 そのお客様とはそれっきり。
ようやくつながった電話口。 

― 色々とありがとうございました。
申し訳ないけど、 他のところで決めてしまったので・・・

「色々見たい」 が難しい。
店長は言う。
― だったら、 見に行かせないで決めろ。
それができるなら世話はない。

色々見たいお客様。 「色々見たい」 はひとつのニーズ。
無理して引き留めても悪印象。 決まるものも決まらない。
他店に行ったら、 後出しのじゃんけん。 他所で決められてしまう。
残る最後は運頼み。
うちのクルマが一番だったと、 お客様が戻ってきてくれるのを祈るのみ。

「色々見たい」 は八方ふさがり。
条件頑張ります… と食い下がってはみるものの、
車種もグレードもふりだしに戻っている中では、 そんなに効果は見込めない。

「色々見たい」 お客様。
いったいどうすれば決められるのでしょうか?

「色々見たい」 とお客様。
10年に一度の大きな買い物。 しっかり研究するのは当たり前。
良い買い物をしたいから、
不安なく、 失敗したくないから、 色々と見て考える。
特別なことを言っているつもりも、 無理難題をふっかけているつもりもない。
ごくごく普通のひと言のつもり。


だけれど、 我々はがっかりしてしまう。
せっかく、 ここまで商談を進めたのに… 決まると思っていたのに…
隠せぬ表情、 落胆の気持ち。


むしろ、 お客様の方が想定外。
そんなにがっかりさせてしまったのか?
何か悪いことをしてしまった…
申し訳ない気持ちは 「遠慮」 に変わる。
残念なことに足が遠のいてしまう。

八方ふさがりは、 自分で蒔いた種。
がっかりして、 二の句が継げなかった自分の失態。


「色々見たい」 お客様。
八方ふさがりから抜けだそう。
八方ふさがりに出口をつくろう。
がっかりを見せず、 つなぎとめよう。
気軽に再来店できる道を残そう。


「色々見たい」 お客様。
色々の中には、 うちのクルマも入っている。
何より、 最初に見に来てくれたのは、 候補の筆頭。
しっかり、 色々と比べてもらえば良い。 うちのクルマの魅力とともに。
色々見た上で、 再度来店してもらえれば良い。
他のクルマを知った上で、 自車種の魅力を伝え直すために。

八方ふさがりから抜けだそう。
「どうぞ他も見てきてください」 と自信の態度で伝えよう。
がっかり態度は、 自車種への自信のなさと映ってしまう。
自信の態度は、 自車種が他社を見ようとも一番魅力的だと映るもの。
それはお客様の自車種への期待につながる。

八方ふさがりから抜けだそう。
見てきた後で、 帰ってきていただこう。
一緒に 「色々見たクルマ」 を研究、 検討したいと伝えよう。
いつ頃? どのお店へ? と確認し、 その後来てもらえるように伝えよう。

― そうですよね。 色々な車種がありますからね。
是非、 色々と比較してみてきてください。
試乗もされた上で、 もう一度その足で来ていただけませんか?
そのクルマとの比較を、 改めてご説明させていただきます!
カタログも準備しておきますので!
見に行った後、 もう一度あなたと商談をするイメージを持ってもらえば良い。
また商談する理由をつくれば良い。
お客様は 「色々見て」 研究して、 良い買い物がしたいのだ。
良い買い物への手助けになる提案をしていこう。
お客様が気軽に再来店できるように。

UPDATE
2015.02.09
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