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めざましコラム 第78号 お客さまの心変わりと“ひとり相撲”

満を持してのクロージングだった。

正直、自信満々だった。絶対に今日決められると思っていた…

 

ー では、グレードとオプションはこちらの内容でよろしいですね。

ー そうですね。そんな感じかな…

何だか歯切れが悪い。

 

ー 本日お決めいただけるなら、もう少し値引きも頑張らせていただきます!

努めて明るく、クロージングを掛けてみる。お客さまの表情も和らぐように。

 

だけれど、お客さまの表情は曇ったまま。

嫌な沈黙の時間が過ぎる。

ー 実はね…まだ向こうのクルマと迷っているんだよね。

 

衝撃の事実。前回の商談で「向こうはないね」と、言ってくれたのに。

お断りを入れてくれるはずだったのに。

いろんなことが頭を巡るが、次の言葉は出てこない。

 

―うん、悪いけど、もう少し考えさせてもらえるかな?しっかり考えて返答するから。

 

しっかり考えた上での返答は、3時間後にいただいた。

悪いけど、向こうのクルマに決めたから…お断りの電話をいただいた。

 

あんまりですよ、お客さま!先週、3時間も商談したじゃないですか。

「だったら、こっちのクルマにしようかな」そう言ってくれたじゃないですか。

 

なのに、どうして「向こうのクルマ」!?

先輩たちはこう言いました。

―お客さまの話をう の鵜呑みにしすぎなんだよ。

店長にはこう言われました。

―前回で決めきれなかったのも、今日帰してしまったのも、おまえが悪い。

 

お客さまの言葉を疑ってかかるということですか?信じないということですか?

お客さまの要望を聞かずに無視してクロージングするということですか?

 

お客さまもひどいと思うけど、先輩・店長はもっとひどい。

そんなことをしたら、ますます売れなくなるだけですよ!

突然のお客さまの心変わりで、一日の間に天国から地獄。

 

「だって、お客さまはうちのクルマで決めたって言ってくれたのに!」

「だって、奥様と相談するから、あとは家で、って言われたら仕方ないじゃないですか!」

言いたい気持ちは分かります。

 

だけれど、先輩や店長は言っています。

「仕方ない?もっとお客さまの立場で考えろ!」

 

ひとり相撲の空回り。

え?お客さまのことを考えていないのは先輩や店長じゃないですか!?

ボクはしっかりお客さまの言葉を受け止めて、一つひとつ対応しましたよ。

 

それがひとり相撲の空回り。

先輩たちは言いました。「う の鵜呑み」にするな、と言いました。

お客さまの言葉を信じるな、とは言っていません。

そのまま飲み込んではダメだと言ったのです。

 

お客さまの「心変わり」は当たり前のこと。

一週間も期間を空ければ、新しい情報が入って当然のこと。

お客さまの「心変わり」を受け止めて、さらに対応をしなければならないのです。

 

ひとり相撲の空回り。

店長は言いました。「決めきらないとダメ」と言いました。

お客さまは迷うもの、心変わりもするものです。

そして、迷いだしたら「決めるための決定打」など、出てこないのです。

最後は「えいやぁ!」での踏ん切りです。

自分で踏ん切りをつけるのか、誰かに後押ししてもらうのか。

 

お客さまは、向こうで決めずに、こちらのお店に来てくれました。

商談の機会を与えてくれました。

そして、言いにくいことを言ってくれました。

なのに、その機会に気づかず、ひとり相撲してしまいました。

 

ひとり相撲をやめにしよう。

お客さまとしっかり「がっぷり四つ」に。

 

お客さまの気持ちは変わるもの。心変わりを前提に。

前回商談からの経過をちゃんと確認しよう。

自分にとって都合の悪いこともしっかりと。

 

お客さまの気持ちは揺れるもの。迷うもの。

迷う気持ちを受け止めて、がっぷり四つからクロージングしよう。

 

―迷うお気持ちはよく分かります。

ここは、私を信じて、私から買っていただけませんでしょうか!

UPDATE
2016.06.21
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