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【LiB Mobility経営 vol.2】
カーディーラー経営フォーラム2021春_フォーラムリポート

EXECUTIVE SUMMARY

2021年3月、リブ・コンサルティングは「カーディーラー経営フォーラム2021春」をオンラインにて開催しました。
カーディーラー経営に役立つマーケティングやDXなど5つのテーマにて講演をお届けしております。
この記事では、「3ヶ月で売れるようになる!伸び悩みセールス覚醒プロジェクト」シニアコンサルタント南澤徹の講演内容を紹介します。

「伸び悩みセールス」は 業界が抱える構造的な問題

本セミナーでは、「伸び悩みセールス覚醒プロジェクト」と銘打ってお話いたします。伸び悩み…悩ましいテーマです。昨年 1 年間はコロナ禍で、なかなか効果的な教育研修ができなかったという声を多く聞きました。オンライン研修なども取り組んでみたが、なかなか手応えがない、とも聞きます。
また CASE だ、 MaaS だ、デジタル化だ、と教育テーマが広くそして多岐に渡ることも頭を悩ませます。
しかし、実は「伸び悩み」…つまり、期待するような成長をさせられていないという悩みは、突如勃発した問題ではありません。昨年 1 年間だけの話でも、まったく新しい業界変革の話でもなく、ごくごく普通の営業活動に於ける問題が大半を占める悩みなのです。

変化のスピードが暴露したOJTできない現実

では、もう少し伸び悩みの問題を掘り下げて考えてみたいと思います。
伸び悩みの理由は何でしょうか。それはシンプルに「期待していたような成長環境が与えられなかった」こと。成長できるような「機会・環境」を作ってあげられなかったから、成長できなかったのです。伸び悩んだのです。
いったいどういうことでしょうか。
そこには、極めて特殊な事情がありました。リーマンショック以降の 10数余年の新車市場の特需環境が、成長機会を奪っていったのです。
スクラップインセンティブとエコカー補助金に始まったこの特需環境は、その後の超低燃費ブームに引き継がれました。環境に優しいクルマから、お財布に優しいクルマになることで、一気に売りやすくなっていったわけです。燃費が 1 ㎞良くなると勇んでおススメに行きました。右も左も低燃費という環境でした。そして今は、右も左も安全機能です。衝撃吸収ボディから自動制御センサーという全く視点の異なる安全機能を勇んでおススメするわけです。
本来、営業経験を積むというのは、10 人のお客様と商談をすれば、10通りのニーズと向き合うことを指します。ところがこの特需環境では、10 人中 8 ~ 9人が、燃費ニーズや安全ニーズの商談ということになりかねません。
それは、本来蓄積すべき経験値を積むことができないということを意味します。営業技術が磨かれないことを意味します。
やっかいなことに、それでも「そこそこ売れる」営業スタッフにはなれるのです。燃費ニーズ、安全ニーズへの販売経験値しか積めていないので、非常に営業の幅は狭いのですが…
ここに大きな問題があります。本来 10 年あれば、500 台売っていれば、当然積んできているであろう経験がほとんど積まれていません。店長からすれば「どうしてそんなこともできないんだ!?」となります。
ところがスタッフは言います「教わってません!!」
当然店長は
「そんなもの教わるものじゃないだろう!!何を言っているんだ!」
よく聞くすれ違いです。
どちらも本当のことを言っています。店長も確かに教わっていない、のです。ここに問題の根っこがあります。
教わらず、10 数年かけて経験則で身に着けてきたこと、それを他人に教えることができるような人は極めて稀なのです。

つまり、店長からすれば、何故できないのかもわからないし、何を教えたらよいのかもわからないという状況なのです。十人十色のお客様の情報を見ながら、最適な提案をするためにどのような営業活動をしてきたか、すればよいかを教えられないのです。やってみればわかること、経験すればわかること、だったからです。
営業スキルを一からひも解いて学び直す必要がありそうです。

営業現場のミスマッチ 来店入庫に比例しない代替実績

さて、スキル教育さえすれば、この伸び悩み問題が解決するのか、というと私はまだ足りないと考えています。スキルと対になる問題と言えば、マインド、です。この問題もなかなか厄介です。
営業経験値が積めなくなった特需環境の 10 年でしたが、一方でサービス入庫はうなぎ上りだったのではないでしょうか。メンテナンスパックの浸透と加入率の向上により、入庫数はもとより、来店入庫数が飛躍的に改善されたことと思います。
しかし、その来店入庫数の増加が、顧客接点の強化となり自社代替数が伸びたのかと言えば、そうとも言えないと口を濁されます。実感値としては代替効率は低下していると感じているのではないでしょうか。
つまり、入庫という絶好の提案機会、成長機会を活かしきれていないと考えられます。
ユーザーアンケートデータからもその実情が浮かび上がります。
乗換検討のきっかけについてのアンケートでは、営業担当からの提案がきっかけだったという方は 5%程度しかいませんでした。車検の案内時に乗り換えの提案があったと答えた方は 8%程度でした。
実際に営業担当が提案をしていなかったのかどうかは分かりません。が、重要なのは、お客様には「提案」だと思われなかったということです。
「車検時には全数代替提案」というのは、今更言うまでもない当たり前の活動です。しかし、届かない、何故か。それは「車検の時期ですが、乗換はお考えですか?車検にしますか?」という問いかけは、お客様にとって「提案」ではないからです。単なる確認、質問に過ぎないからです。
更に、入庫の度に顔合わせしているにも拘わらず、その時には特に代替の提案をされていないのです。車検の前に突然「お考えですか?」などと問われても、面食らうだけです。
入庫機会の有効活用、これは大きな課題です。
何故、提案をしないのでしょうか。さぼっているのでしょうか、やる気がないのでしょうか。いえいえ、むしろ一所懸命で真面目すぎるくらいです。
そこにあるのは、CS 至上主義、顧客情報至上主義という足枷です。スタッフは、お客様が嫌がるだろうから提案しない、お客様と関係性が薄い中では失礼だから提案しない、お客様情報がないと良い提案ができないからしない…お客様情報を得てから、お客様と関係性ができてから、お客様が提案して良いよと言われてから、それから提案しよう、と考えているのです。真面目に。
この間違った思い込みを、払拭しなければなりません。

いかに営業スキルを身に着けようとも、発揮する機会がなければ成果につながりません。
入庫のお客様に、普通に接して提案できるようになる・・・そのために、代替提案のマインドとスキルを学び直す必要があるのです。

教育スタイル革命経験値を埋める学びは オンデマンド型が最適

厄介ではありますが、問題は明らかになりました。ここからは学び直していく方法を考えて参りましょう。方法はいくつもあります。階層別、店舗別、集合型、オンライン型…本日は、恐らく選択肢にはなかなか上がってこないであろう「オンデマンド型研修」方法を紹介したいと思います。
コロナ禍だからオンデマンド…というわけではありません。この伸び悩み課題への取組には、非常に親和性の高い特徴があるからオンデマンドなのです。
その特性の一つ目は、個別学習ができること、です。経験不足を補う学習ですから、その人その人の経験によって学習の比重は異なるはずです。
全員一律では返って学習効率が悪くなってしまう可能性があります。
特性二つ目は、繰り返し学習ができること、です。長い時間を掛けて経験して身に着けることだからこそ、一回インプットして「はい、できるようになりました」とはなりません。実践しては振り返り確認ができるようなショートプログラムであることが好ましいのです。1 回 5 分程度の動画学習で、要点とその具体的なトークまで確認できることが大きな利点
になるのです。
伸び悩みセールスが覚醒するために必要なことは、自社入庫客へ普通に代替提案できるスキルとマインドを身に着けさせること、でした。

これまで何百という販売店や拠点に実施してきた代替提案の研修内容を細分化し、1 篇 5 分ほどの動画コンテンツ 60 篇にまとめ直しました。それは、お客様心理と現場の言葉で語られる、営業現場あるある事例であふれ、自分事として学ぶことができます。また、1 篇 5 分のショートプログラムは集中して受講でき、すぐに習得・実践することができます。そして最後に、成果に直結する具体性です。実際にどのようなトークになるのかなど、模範ロープレを確認することもできます。
オンデマンド研修の要点を確認して参りました。が、個別学習は学ぶ環境づくりが極めて重要になります。「やっておけ」で、主体的に取り組むことができるなら、世話はないのです。ここは本部、店長の関わりは必要不可欠です。
限界を迎えたのは現場任せの OJT です。かかわり方が明確ならば、伸び悩み問題も解決できるはずです。

 

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UPDATE
2021.05.12
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