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【LiB Mobility経営 vol.9】
車の購入に関する
消費者実態調査

EXECUTIVE SUMMARY

デジタル化は、カーディーラー業界に限らず、社会全体に大きく影響を与えています。
自動車保有者が、車の購入時にどのようにしてデジタルを活用してカーディーラーを選定しているのか、実態を確認することで、自社のデジタルマーケティングの方針、施策等の検証ができると考えます。
弊社は、2021年8月に全国の自動車保有者1,242名を対象に「車の購入に関する消費者実態調査」を実施しました。
アンケート結果を、車の購入プロセスにおいて、車種・メーカー・カーディーラーの何から決めるかでタイプ別の差異を検証しました。
今回は、タイプ別にカーディーラーを選定するまでに、ユーザーがどのような選択基準でどのような情報収集をしているかについてご紹介します。
来店する店舗に選ばれるために、デジタル上の取り組みを検討する上でご参考にしてくださいますと幸いです。

調査概要

全国の自動車保有者を対象に、車の購入に関する消費者実態を 調査することを目的としました。調査項目は、車の購入時に車種・メーカー・カーディーラーの何から決めるかでタイプを3つに分類し、各タイプの特徴を明らかにすべく「カーディーラー選定プロセス」、「車の志向性」、「目当ての車種を見つける情報源」「目当ての車種を詳しく調べる情報源」、「カーディーラーの選定基準」、「カーディーラー選定の情報源」、「カーディーラーのHPに求める情報」などとしました。

調査対象者

全国の自動車保有者1,242名を対象としました。対象者は、家族構成・車のニーズ軸による差異も検証すべく家族構成は、①シングル・カップル、②ビギニングファミリー(未就学児童夫婦)、③ミドルファミリー(就学児童夫婦)、④ポストファミリー(子離れ夫婦) で4分類、ニーズ軸は、①日常遣いとして所有、②高級志向・ラグジュアリーなものとして所有、③レジャー/アクティビティに使いやすいものとして所有、④走りを楽しむものとして所有、で4分類し、車の志向性×ライフスタイルで回答数が均等になるように調査しました。

カーディーラー選定プロセス【図1】

車の購入プロセス別で、ユーザーの傾向を把握すべく、「車を購入する際、どのような流れで購入しますか」と質問しました。①「車種を決めてからカーディーラーを選ぶ」(65.4%)、②「特定のメーカーの車を買うことを決めてカーディーラーに行き車種を選ぶ」(22.4%)、③「車を買うカーディーラーが先に決まっていて、その店舗で自分に合った車種を選ぶ」(12.2%)と回答しました。

カーディーラー選定プロセス【車種】

①「車種を決めてからカーディーラーを選ぶ」と回答した方の特徴をより詳しく把握するために、「車を購入する際の流れの詳細について該当するものを教えてください」と質問しました。結果の上位は、①-1「欲しい車種が明確にある⇒目当ての車種について調べる→カーディーラーを選定する⇒カーディーラーにて購入する」
(69%)、①-2「ざっくりとしたイメージだが欲しい車種がある⇒目当ての車種について調べる⇒カーディーラーを選定する→カー ディーラーにて購入する」(22.8%)でした。カーディーラーに訪問する前に、目当ての車種の情報について自分で調べている人が大半を占めることが確認できました。

カーディーラー選定プロセス【メーカー】

②「特定のメーカーの車を買うことを決めてカーディーラーに行き車種を選ぶ」と回答した方の特徴をより詳しく把握するために、「特定のメーカーの車を買うことを決めているのはなぜですか」と質問しました。結果の上位は、②-1「特定のメーカーに憧れや愛着があるから」(72.7%)、②-2「新しく別のメーカーを選ぶのが面倒だから」(14.4%)でした。メーカーのブランドイメージを重視している層が約2割占めることが確認できました。

カーディーラー選定プロセス【カーディーラー】

③「車を買うカーディーラーが先に決まっていて、その店舗で自分に合った車種を選ぶ」と回答した方の特徴をより詳しく把握するために、「車を購入する際に、まずカーディーラーから決めるのはなぜですか」と質問しました。結果の上位は、③-1「いつもお世話になっている営業の人から買いたいから」(38.8%)、③-2「お気に入りのカーディーラーがあるから」(28.3%)でした。カーディーラーの店舗・人の魅力を重視している層が約1割占めることが確認できました。

目当ての車種を見つける情報源【図2】

ユーザーが目当ての車種を見つけるためにどこから情報収集をしているか確認すべく、「目当ての車種を見つける際にどのような媒体や情報源を参考にしていますか」と質問しました。車種から決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(22.2%)、②「日々の情報収集で車購入を検討した際には既に目当ての車種がある」(10.2%)、③「カーディーラーHP」(7.6%)でした。メーカーから決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(18.8%)、②「Googleなど検索エンジンによる画像検索」(7.3%)、③「カーディーラーHP」・「雑誌」・「テレビCM」(7.2%)でした。カーディーラーから決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(23.3%)、②「カーディーラーの担当営業への相談」(10.3%)、③「カーディーラーHP」(9.0%)でした。どのタイプもメーカーHP・カーディーラーHPで目当ての車種を見つける比率が高いことが確認できました。車種・メーカーから決めるタイプは多様なメディアから情報収集をしているのに対し、カーディーラーから決めるタイプはカーディーラーの担当営業への相談比率が高く能動的な情報収集は少ないことが想定されます。

目当ての車種を詳しく調べる情報源【図3】

車種を見つけた後に詳しく調べる際、どこから情報収集をしているのか確認すべく、「目当ての車種を詳しく調べるためにどのような媒体や情報源を参考にしていますか」と質問しました。車種から決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(30.1%)、②「Googleなど検索エンジンによる画像検索」(9.6%)、③「カーディーラーHP」(8.5%)でした。メーカーから決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(24.2%)、②「Googleなど検索エンジンによる画像検索」(8.8%)、③「カーディーラーHP」(8.5%)でした。カーディーラーから決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHP」(31.4%)、 ②「カーディーラーHP」(11%)、③「Googleなど検索エンジンによる画像検索」(8.8%)でした。
目当ての車種を詳しく調べる時は、見つける時よりマスメディアの比率が下がり、デジタルメディアで情報収集する比率が高いことが確認できました。次に、別の視点で、車を「5年以内に購入した人」と「5年より前に購入した人」で差異を確認したところ、目当ての車種を見つける/詳しく調べる情報源に関して、「5年以内に購入した人」は「5年より前に購入した人」よりもメーカーHPの比率が低く、カーディーラーHPの比率が高いことが確認できました。カーディーラーHP上での情報収集する人の割合は増えており、画像を活用し車種情報等を充実することでデジタル上での顧客接点を確保し易いことが想定されます。【図4】

カーディーラーの選定基準【図5】

訪問するカーディーラーを決める基準を確認すべく、「カーディーラーを選定する際にどのような基準で選びますか」と質問しました。車種から決めるタイプの結果上位は、①「接客がしっかりしていそうなイメージがあるか否か」(22.2%)、②「自宅から近い」(21.8%)、③「店舗に入りやすそうか否か」(10.6%)、④「店舗がきれい」(10.5%)でした。メーカーから決めるタイプの結果上位は、①「接客がしっかりしていそうなイメージがあるか否か」(22.8%)、②「自宅から近い」(17.9%)、③「店舗に入りやすそうか否か」(12.9%)、④「店舗がきれい」(12.6%)でした。カーディーラーから決めるタイプの結果上位は、①「接客がしっかりしていそうなイメージがあるか否か」(23.5%)、②「自宅から近い」(15.7%)、③「店舗に入りやすそうな否か」(13.5%)、④「店舗がきれい」(11.6%)でした。タイプごとに差異はなく、接客がしっかりしていそうなイメージをもっていただくことの重要性を確認できました。店舗訪問後の流れをイメージし易いように接客のプロセスを打ち出したり、口コミを充実させることも選ばれるために有効であることが想定されます。

カーディーラー選定の情報源【図6】

訪問するカーディーラーを決めるためにどこから情報収集をしているのかを確認すべく、「カーディーラーを選定する際にどのような媒体や情報源を参考にして決めていますか」と質問しました。車種から決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHPから検索する」(22.2%)、②「何も参照せずに記憶にあるカーディーラーに行く」(9.7%)、③「カーディーラーHPを複数参照して選定する」(8.7%)でした。メーカーから決めるタイプの結果上位は、①「メーカーHPから検索する」(16%)、②「何も参照せずに付き合いのあるカーディーラーに行く」(10%)、③「カーディーラーHPを複数参照して選定する」・「Googleマップで検索する」(7.2%)でした。カーディーラーから決めるタイプの結果上位は、①「何も参照せずに付き合いのあるカーディーラーに行く」(24.5%)、②「メーカーHPから検索する」(9.8%)、③「何も参照せずに記憶のあるカーディーラーに行く」(8.3%)でした。メーカーHPからの検索と、何も参照せず訪問するカーディーラーを決める比率が高いことが確認できました。車種から決めるタイプはカーディーラーHPを複数参照して選定する比率も高いことが確認できました。

カーディーラーHPに求める情報【図7】

ユーザーがカーディーラーHPにどのような情報を求めているのかを確認すべく、「カーディーラーHPには何の情報を求めて見に行きますか」と質問しました。車種から決めるタイプの結果上位は、①「新車情報」(17.1%)、②「アフターサービスの内容」(8.3%)、③「店舗の立地」(7.0%)、④「試乗車情報」(6.8%)でした。メーカーから決めるタイプの結果上位は、①「新車情報」(16.2%)、②アフターサービスの内容」(7.9%)、③「アフターサービスの価格」・「展示車情報」(5.8%)でした。カーディーラーから決めるタイプの結果上位は、①「新車情報」(17.4%)、②「カーディーラーHPは見ない」(11.8%)、③「アフターサービスの内容」(8.4%)、④「アフターサービスの価格」・「車検・点検の品質」(7.1%)でした。

まとめ

今回は、車の購入時にどのようにデジタルを活用してカーディーラーを選定しているのかについて結果をご紹介しまいた。結果として、カーディーラーに訪問する前に大半の人が自分で車種の情報を調べており、メーカーHPだけでなく、カーディーラーHPで情報収集している比率が上がっていることが確認できました。訪問する店舗に選ばれるために、新車やアフターサービス情報の拡充は勿論、丁寧な接客をしていただけそうなイメージを想起させる見せ方も重要であることが想定されます。ユーザーがどのような情報収集をしているのかを把握し、デジタル上で訪問する店舗に選ばれる施策にしていただければ幸いです。

 

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UPDATE
2021.12.01
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