株式会社リブ・コンサルティング モビリティインダストリーグループ

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【LiB Mobility経営 vol.11】
カーディーラー業界に求められる次代の『リーダーシップ』とは

EXECUTIVE SUMMARY

神奈川日産の業務運営方針は、お客様本位であること。
自分がお客様だったらどう感じるか、お客様の満足とは何か、お客様に感謝されるためにはどうするか、といったことを念頭に置き、最大の感動と120%の満足を提供しようと取り組んでいる。そのための施策として、新車と中古車を合わせて70店舗以上で、マネジメントとリーダー育成を強化。リブ・コンサルティングが提供しているマネジメント力向上プロジェクトは4期目となり、マネジメント層での意識改革を実現し、業績も伸ばしている。これからのカーディーラー経営で重視するポイントは何か。マネジメントとリーダー育成に力を入れる狙いはどこにあるのか。同社代表取締役社長の横山明氏に話を伺った。

旧態依然としたマネジメントを刷新したい

LiB 神奈川日産様では、リブ・コンサルティングのマネジメント力向上プロジェクトを継続していただいています。導入以前はどのような課題を感じていたのでしょうか。

神奈川日産株式会社
代表取締役社長
横山 明 氏

私は社長業に就いて3社目、計12年になります。その前は日産自動車で人事の仕事をしていました。その頃から強く感じていたことは「企業は人」であり、人材と人材育成が重要だということです。カーディーラーにおけるマネジメントは、20人、30人単位の店舗をどう運営していくかがポイントで、各店舗のリーダーがどういうマネジメントをするかで業績がほぼ決まります。この業界は他の小売業とは違う特殊な業種でもあって、より一層、店長たちのリーダーシップが極めて重要だとずっと感じていました。

LiB 自動車業界の特殊性とはどのようなことですか。

カーディーラーは車の販売とサービスというお客様の命をお預かりする商売ですので、安易な方法で売って、その後は知らない、分からないというわけには絶対にいきません。従って、新規参入の少ない業界でもありました。そのため、事業モデルの変化が起きにくく、どうしても古い因習や体質が残りがちになります。また、車の耐久性や性能が良くなったことで代替えサイクルが8、9年に延び、10年、15年という期間に亘って乗り続けるお客様もいます。カーディーラーの立場から見ると、 この間きちんとフォローしていかないとお客様に代替えしていただけませんので、相当な労力と忍耐力が必要です。

LiB そのような特殊性を理解した上で、これからの時代に即したマネジメントやリーダーシップ教育を強化したいと考えていたのですね。

そうですね。古い体質のままでは生き残れませんから新しいマネジメントが必要です。しかし、他業種と比べてCSを突き詰めようとする加速力が弱いとも思っています。そこを打破するためには、当社の71店舗が1つ1つのユニットとしてお客様をしっかりフォローしていくことが大事です。また、そのためのリーダーの育成と教育も必要です。もちろん、そのための教育は我々自身でも実行していくわけですが、我々だけでやっていると、どうしても井の中の蛙になってしまうので、カーディーラー 向けの支援に強いLiBさんにお願いしようと思ったのです。

整備の対応がお客様の満足度を決定づける

LiB これからのマネジメントではどんな点が重要になるとお考えですか。

時代的な変遷で言うと、かつて車は訪問販売が主体でした。お客様を守っていくためにはご家族との信頼関係が大事という前提があり、訪問先でお客様の車の状態や家族構成やライフスタイルの変化を確認して、そういった情報を販売に結びつけていました。しかし、現在は店頭販売が主体です。営業担当者個人として売れればいいわけではなく、店舗全体で全てのお客様に対応していくことが求められます。自分のお客さまだから、自分のお客様ではないからといった考えを捨てて、全てのお客様に満足してもらうために、店舗毎のチーム力を高めるマネジメントが重要だと思います。

LiB 具体的にはどのような対応が重要になると考えていますか。

お客様からの声として、担当の人は対応がいいけれど、他の人たちは知らんぷりだった、といった声があれば、店舗としての対応に問題があるといえます。また、昔は、売る人と整備する人という分け方があり、マネジメントにおいてもCSはセールス部門が考えること、という認識がありました。しかし、代替えの期間が延びている中では、車の整備がお客様との重要な接点となりますので、整備士の対応もお客様のロイヤリティを決定づける要因になるでしょう。お医者さんが患者さんに検査結果を伝えるのと同じように、整備士の技術と誠実な対応が代替えに最も決定的な影響を与えると思います。

LiB 売り方もお客様に評価されるポイントも、個人から店舗全体へと変わっているということですね。

そうです。訪問販売が主だった頃は、営業は外に出て売ってくればいいという考えがありました。どちらかと言うと、ノルマを押し付けるような、パワハラ的なマネジメントが横行していたと思います。しかし、今はそういう時代ではありません。コンプライアンス重視の時代に適したリーダーを育て、マネジメントを変えていくことがなおさら大事だと思います。

何を成し遂げたいか明確にすることが大事

LiB コンサルティングファームを活用するにあたって、心がけたことや注意したことなどはありますか。

マネジメントやリーダーシップに関する施策は社長の一番大事な役割だと思っています。社内でもリーダーのあり方などについてよく話をしますし、私や会社がその考え方を示さずに、ただ外部にお願いするのでは効果が全く出ないだろうと思います。また、社長以下役員も研修に必ず同席することも大事だと思います。

LiB 横山社長が考えるリーダーのあり方はどのようなものですか。

リーダーにはさまざまなタイプがいます。力強く周りを引っ張っていくリーダーもいれば、後ろで見守りながら、必要に応じて背中を押すタイプのリーダーもいます。ただ、それは方法論の違いです。周りに「この人についていきたい」と思ってもらうためには、何をやりたい人なのかが明確であることが大事だと思っています。何をしようとしているかわからない人についていく人はいないと思います。優しく、話しやすく、親しみやすいといったことも大事だと思いますが、リーダーの資質として、強い信念を持ち、成し遂げたいことを旗に書き、掲げられる人であることが大事だと思っています。

後輩や部下との接し方が変わった

LiB プロジェクトメンバーの店長、副店長、マネージャーの皆さんには、どのような変化があったと感じていますか。

経営や店舗づくりにおいて、私は4つのことを大事にしています。その4つは、①顧客視点、②ベンチマーク、③PDCA、④スピードです。顧客視点を例にすると、我々の施策は、自分たちの都合ではなくお客様の考えに沿って決めていくことが大事です。プロジェクトの成果として、顧客視点に立って自分の役割を考えるようになったり、お客様が求めているサービスを見極めながら対応を考えるようになったと感じます。そのためには1人ではできないこともありますので、店舗スタッフをどう動かしていくか考える必要性も出てきます。お客様を軸にして、誰がどうやって瞬時に対応するか、どうすれば信頼が得られるかといったところに考えが及ぶようになり、理想とする対応に近づけているように感じます。

LiB どのような点を見て対応の変化を感じますか。

ものすごくたくさん売る営業担当者がいて、彼が最近マネージャーとなり、教育を受けました。以前は、彼だけが販売台数が多かったので、店舗の売り上げ成績をグラフにすると、L字型になっていました。彼個人の台数だけが飛び抜けていて、他の社員の成績と大きな差がついていたのです。しかし、LiBさんのコンサルタントへの信頼感が非常に厚く、熱心にプロジェクトを進めたことによって、他の社員をアドバイス、サポートすることで店舗全体の成績も伸びるようになりました。数ヶ月経った現在、グラフはL字型から大きな正方形になりました。(笑)

LiB 後輩や部下への接し方が変わったのですね。

彼だけに限りませんが、プロジェクトメンバーは、部下たちを大事にする姿勢が前よりも強く出ているように感じます。自分のために一生懸命仕事をすることも素晴らしいのですが、プロジェクトによって心構えが変わり、若い人たちをサポートしたり、そこにエネルギーを注ぐ大切さを理解してくれているように思います。

LiB もともと後輩に手を差し伸べたいという気持ちがあった一方で、接し方がわからなかったのかもしれませんね。

そうですね。似た例で、もともと頭がよく、人より先にあらゆることを考え、実行していく社員がいたのですが、彼も部下たちへの伝え方が雑でした。自分にはわかっているから、相手もわかるだろうと思ってしまうタイプだったのです。しかし、プロジェクトによって、相手の視座まで降りて伝えられるようになりました。結果、店舗全体の業績も伸びるようになりました。

会社の価値観を反映させた教育が大事

LiB プロジェクトメンバーの反応を教えてください。

プロジェクトメンバーの店長や副店長は、すでにリーダーの立場にあります。今までマネジメントやリーダーシップに特化した教育を受けたことがありませんでしたから、とても勉強になったといっていますし、「目から鱗だった」と話す社員もいます。教育を受けたことで、自分が何十人かのスタッフに背中を見られているリーダーであると自覚した人も多いと思いますし、今回の機会でLiB さんが提供してくれている他社の事例を知ったりしながら、こんなふうにならないといけない、こんなふうに見られてはいけないといったことを、客観的に見られるようになったと思います。

LiB マネジメント力向上プロジェクトは、店長のリーダーシップにアプローチして、人と人との関係性や相互作用を強化し、業績向上を狙う“組織開発”コンサルティングです。定量面でも成果や実績が出ていることがわかり、我々も嬉しく思います。

部下たちのやる気を出すためには、リーダーの発言、行動、態度が大きく影響します。そのことを理解できたと思いますし、ジワジワと業績が良くなってきている店舗も増えています。私自身が伝えたいと思っていることが社内に浸透してきている実感がありますし、LiBさんもそこを意識してくれていて、私自身の考えとリンクさせながらプロジェクトを進めてくれている点に感謝しています。

LiB 今後も引き続き社長の考えを汲み取りながらご支援させていただきます。本日は貴重なお話ありがとうございました。

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UPDATE
2022.03.02
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