2020.07.20

タイ市場に合った営業プロセスをローカル社員中心に構築

THAI NIKKEN FOODS CO., LTD.

天然調味料の製造と販売を行う在タイ日系企業。2011年よりタイに進出し、ラヨーンに製造拠点、バンコクに販売拠点を持ち、周辺各国への販売機能を担っている。社員数40名。

1.タイ日研フードは食品原料の製造・販売の日系企業。アジア各国に展開しているものの、日本本社での成功事例をそのまま海外に応用できていなかった。また、売上の大半は既存顧客に依存しており、新規顧客の開拓を行う体制が整っていないことが経営課題だった。


2.新規顧客開拓のベストプラクティス(≒勝ちパターン)を確立するために、自社のターゲットとなる潜在顧客がどのような企業であるかを特定し、効率的にセールスを進めていった。プロジェクトを進めることで、経験の浅い営業社員でもベテラン社員と同程度のパフォーマンスを発揮でき、活動期間中には新規顧客への行動生産性は約3倍となった。

3.プロジェクト終了後も、今回のアウトプットを海外(アジア諸国)市場での代理店営業に活用する予定。

 

お話を伺った方

THAI NIKKEN FOODS CO., LTD.
マネージング・ディレクター 小山様

事業内容とコンサルティング導入について

プロジェクト開始前の時点では、どのような経営課題を抱えていたのでしょうか?

昨今のタイ及び周辺国での食品市場の成長を考慮し、弊社では、中期戦略として売上を3倍にする目標を立てており、それによって工場稼働率を向上し、タイで2つめの製造拠点を設立することを目指しています。それを実現するにあたって、今後数年で顧客数を3倍にする必要があると考えていました。そこで、これまでの既存顧客重視の営業から、積極的に新規顧客開拓を目指す営業組織を目指すこととしました。

しかし、文化や言語の壁もあり、社内で営業部門の活動を管理するのは非常に難しいと感じていました。自分からセールスに「最近の営業活動はどうなっているの?」と確認していても実態をなかなか把握出来ませんでした。そのため、何かしら営業活動の実態を見えるようにしたい。営業活動を体系的に見える化し、何か問題があっても前向きにアドバイスができるようになりたいと考えていました。

 

営業の領域でコンサルティングを活用しようと決めた理由を教えてください。

海外での営業活動では、日本本社の勝ちパターンをそのまま活用するのは適切ではなく、現地に合わせた仕組みを作る必要を感じていました。日本では、日研フードは50年以上の歴史を持つ天然調味料メーカーとして多くの食品企業に知られていますが、タイではそこまでの知名度もないため、新規顧客開拓では日本のようには進みません。その点が日本・タイで大きな違いとなっていました。また、私自身が開発出身だったこともあり、営業改革に詳しくなかったこともあり、外部専門家の意見をもらおうと考えました。

営業活動には様々な活動があるなかで、本当に成果につながるキーアクションはどのような行動なのか、その行動をどのように管理すべきかが分かれば、今後の営業管理もしやすくなります。その点をコンサルティングファームに依頼してシステム化してもらいたいと思ったのです。

様々なコンサルティングファームがある中で、なぜLiBコンサルティングを選んだのですか?

コンサルティングファームを探すにあたって、様々なセミナーに参加し、情報収集しました。他に3社ほど相談をしましたが、アプローチが最もロジカルであり、かつ営業領域で実績があると感じたリブコンサルティングを選びました。日系企業だけのコンサル経験ではなくタイ企業のコンサルを数多く実施されておりタイ人のための業務改善が期待できると考えたのです。担当予定のタイ人コンサルタントは日本の大学を卒業して博士号を持っているという優秀な方のように見えたのも理由でした。

また、他社と違うと感じた点は、リブはプロジェクト後の成果も見据えて提案頂いていることです。当プロジェクトが既存の営業チャネルだけでなく、他のチャネルや他国での展開にも応用できることまで考えてもらっていました。そうした効果も期待しながら楽しみにプロジェクトをスタートしました。

コンサルティングの取り組み内容と成果について

プロジェクトの進め方に対しては、どのようなイメージを持ちましたか?

日本人のやり方を押しつけるのではなく、タイ人コンサルタントが中心に分析・方針決め・実行支援を進めてもらいました。特に、営業社員の実行力が高まるように、コンサルタントが頻繁にコミュニケーションを取ってくれたのは有り難かったです。そうした日ごろのやりとりによって、タイ人営業社員の気持ちが高まり、積極的に実行するようになったことが印象的でした。

また、リブは成果に執着し、必要があればスコープ外のテーマまでサポートしてもえました。当社メンバーからフードエクスポへの出展やR&D向けセミナーの企画など新しいアイデアが出てきたときも、当初のスコープに無かったものの成果につながりそうだということで柔軟にサポートしてもらいました。

支援内容についての成果をどうお感じでしょうか?

まず、営業プロセスにおいて、質の高い仕組みやツールを作ってもらえました。活動期間中には、新規顧客への行動生産性は約3倍になり、COVID-19などの影響がある中でも大きな成長が期待できそうです。プロジェクト終了後でも、タイ人のセールスがこの仕組みをしっかり実行して、習慣化できるのではと思います。

また、タイでは離職率が日本よりも高いため、個人への依存性を減らし、システムで生産性を上げられる状態を目指していたので、新人でも早期に成果を出せる仕組みを構築できたと思います。今後、新しい社員が入ったときにもベストプラクティスをすぐに実行できるようになったと思います。

営業組織に対してはどのような変化を感じたでしょうか?

プロジェクトメンバーとして、中心的に活動してもらっていたのは、入社歴の浅い営業社員たちです。そのため、過去の手法に引きずられることなく、新たな仕組みを試す姿勢もあり、前向きに進めているように感じました。また、プロジェクトの後半ではチームメンバー間の連携も高まり、自ら積極的に新しい提案をしてもらえました。

LiBのプロジェクトスタイルに対して、何が印象に残りましたか?

一番印象に残ったことは、実行スピードだと思います。レスポンスやPDCAが非常に早いと感じました。例えば、プロジェクトミーティングがあると、タイ語と英語の議事録がその日の夜には送られてきます。また、業界別の他社事例を多数持っているので、そうした事例を参考に、当社の状況に合わせてくれていたことも印象的でした。また、COVID-19が営業活動に影響し始めたときは、積極的にリモートコミュニケーションに移行し、オンラインミーティングでの営業スタイルも提案してくれました。

今後の展望について

今後はどのような展望を考えていらっしゃいますか?

今回のアウトプットを海外(アジア諸国)市場での代理店営業に活用したいと思っています。他国では、タイのように全て営業訪問できるわけではないので、取引先の代理店も含めて、訪問することなく営業管理することが非常に重要だと思っています。現在の営業の仕組みを応用し、各国の状況に合わせて、最大限利用できるようにしたいと考えています。

 

 

 

  

(担当コンサルタント 写真左Yoshitsugu.K / 写真中 ランジャコーンシリパン ダーリン/ 写真右 ハリタイパンラリター)

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