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めざましコラム 第14号 奥様は財布の紐が固い!?

「佐藤! あの鈴木さんの案件どうなった?」

 

「それが…。 今回は見送るという話になりまして…」

 

「何だと!? 固めのホットだと言っていたよな」

 

「いや、 旦那さんは乗り気だったんです。

あとちょっとというところだったのですが…

最後の最後で奥様が、 今はお金も厳しいし、 車検を通すと仰って…

店長に頂いた値引き額で出したんですが、 あれで厳しいって言われると…」

 

「佐藤! お前は毎回毎回、 奥様奥様とまるで突然奥様が現れたみたいに言うが、

奥様は最初からいただろう! だいたいお前は……」

 

店長の小言はまだまだ続きます。

 

販売店にお伺いし、商談の内容をお聞きすると、よく耳にするのが、この 「奥様敗戦」 です。

ある調査によると、車検討の際、現状3件に2件の案件は、

奥様や娘さんなどの女性が関与しているとのことです。

 

当然、店舗からすれば、このような女性客を巻き込み、購入意欲を引き出すか、

ということが、大きな課題となります。

 

いまに始まったことではありません。

世の半数は女性であり、女性の車ユーザーも多数いらっしゃいます。

軽自動車も含めて考えれば、その比率は高まってきているとも言えるかもしれません。

 

なのに営業スタッフは口を揃えて言います。(女性スタッフまでも一緒になって!)

「奥様が反対していて…」「奥様は財布のひもが固くて…」

私には不思議でなりません。

 

何故ならば、ある意味 「奥様の方が、財布のひもは緩い」 と言えるからです。

 

私自身もそうなのですが、「買い物」 が好きです。

そして、これは多くの人が賛同してくれるとは思いますが、

本来 「買い物好き」 なのは、男性よりも女性です。

 

趣味の欄に 「ショッピング」 と書く女性は数多くいますし、

欲しいものがあったら、他のものを切り詰めてでも買おうとするのは女性です。

女性はこんなにも 「買い物好き」 なのに、なぜカーディーラーでは 「奥様敗戦」 が多いのでしょうか。

そこには、男性と女性の購買心理の違いがあるのではないかと思います。

 

カーディーラーに車を探しにくる男性客の心理を考えてみましょう。

まず、男性の場合、基本的に 「こんな車が欲しい」 と思って来店していることが多く、

なんとなくウィンドウショッピング的にカーディーラーに来ることはあまりありません。

 

この場合の営業スタッフの役割は何かというと、

「どの車が一番いいか分からないな」「予算、足りるかな」

などのお客様が購入を迷っている理由(ハードル)を解除することです。

営業スタッフの働きによって、お客様の気持ちは高まってきます。

 

ところが、お客様が家に帰って、奥様に相談すると、

「何を言ってるのよ」 と一蹴されてしまうケースが大半です。

 

奥様が反対している理由は何でしょうか?

値段? 車種? 時期?

営業スタッフは、色々と想像を廻らせ、戸惑います。

 

しかし、実は、奥様は反対していないことが多いのです。

ただし、特に賛成する理由もないのです。

つまり 「特に賛成する理由がない」 イコール 「反対」 になってしまっているだけなのです。

 

そのため、口先に現れる 「お金がちょっと厳しいのよ~」 などを反対理由と捉えて、

営業スタッフが値引きで対応しようとしても、購入には至りません。

 

では、どうすればよいのでしょうか?

 

反対する理由(ハードル)がないのであれば、

賛成する理由(ニーズ)を喚起すればよいのです。

 

商談の中では、この車を買うことで、

彼女自身の生活がどんなに素晴らしくなるか、

彼女の家族の生活がどんなに快適になるかという購入後のイメージを

彼女の関心事に合わせて膨らませていきましょう。

 

小さなお子様がいらっしゃれば、チャイルドシートへの子供の乗せ降ろしの手軽さ。

クラブに通うお子様がいれば、送り迎え時の便利さや、友人達もたくさん乗せれる社内空間の広さ。

買い物に使われるのであれば、スーパーの混み合う駐車場での取り回しや、バックミラーの大きさ。

可愛いボディの車であれば、それに乗っている 「可愛い私」 のイメージ。

 

購入後のイメージ訴求なんて、うちの営業スタッフには口すっぱくして言ってるよ。

そう思われるかもしれません。

でも、実際にちゃんとイメージしてもらえていますでしょうか。

旦那さんに向けて説明してしまってはいませんでしょうか。

機能や数字の説明に終始してしまってはいませんでしょうか。

ちゃんと奥様が分かって、

イメージできるように考えて説明していますでしょうか。

 

奥様の 「値段がね…」「高いわ…」 という言葉に振り回され、値引きや、

査定額の調整でハードルを解除しようとしてないでしょうか?

 

女性には、ハードルの解除より、ニーズの喚起。

 

高級化粧品同様、

「これが欲しい!!」「これが私に合っている!!」 と思っていただければ

女性のほうが、むしろ積極的にやりくりしてくれます。

女性の財布のひもの方が… 実は、ゆるいのです。

UPDATE
2013.02.03
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