ビジョンドリブンで「一枚岩の組織」へ成長 ホンダカーズ光東

会社名
株式会社ホンダカーズ光東

人材育成 組織活性化

目次

株式会社ホンダカーズ光東
専務取締役
東 祐作 様

執行役員
営業部長 兼 管理部長
西本 悦生 様

ホンダカーズ光東はMVV+店舗ビジョンの浸透で組織全体の成長を目指す

山口県の社会インフラを支える光東株式会社のグループ会社であり、同社のカーディーラー部門を担う株式会社ホンダカーズ光東。1948年に創業以来、新車・中古車の販売から車検・点検・修理等メンテナンス全般まで、県内の地域に根ざしたモビリティサービスを提供してきた。同社はカーディーラー業界が直面する変化の時代に対して、会社と従業員のよりよい未来を築くため、「店長リーダーシップ開発プロジェクト」を実施。プロジェクトにかける想いとそこで得た成果について、専務取締役の東祐作氏と執行役員 営業部長 兼 管理部長の西本悦生氏に話を伺った。

危機感が生んだ変革への渇望

リブ・コンサルティング(以下リブ): 「店長リーダーシップ開発プロジェクト」に取り組んだ背景について、ホンダカーズ光東様が抱えていた課題について教えてください。

東祐作氏(以下、敬称略):私は2022年に現職に就任した当時から、カーディーラーが置かれている環境の厳しさを痛感していました。激変を続ける社会の中で、各メーカーがしのぎを削ってシェア争いをする一方、新規参入の存在もある。そうした中で、社員の生活を守りつつ、彼らが「この会社に勤めているとワクワクする」という誇りを持てるような会社を新たに作り上げていきたいと考えました。
その基盤として考えたのは、弊社のMVVです。

東:MVVの策定にあたり、課題となったのが「こうしたビジョンの意義をどう伝え浸透させるか」です。MVVは会社の目指すゴールではあるものの、それを達成するために何をすべきかわからないという状態でした。
同時に、近年は店長から「若い世代(Z世代)とのコミュニケーションに苦労している」という声も多く上がっていました。かつてのように「とにかく売上を伸ばす!」というコミュニケーションでは、内発的動機づけを大切にする若い世代の心には届きません。
MVVを各店舗が体現するには、まずリーダーである店長がその重要性を理解し行動する必要がある。それができれば、若い世代とのコミュニケーションも円滑になり一体感を持って仕事に取り組むことができるはず。そう考え、リブ・コンサルティングに店長向けの研修プログラム実施を依頼しました。

リブ:ブランドづくりは他社との差別化要因になるという大きなメリットがある反面、ブランド構築までに時間と手間がかかり、営業改善の施策などと比べて収益面での即効性が弱いというデメリットもあります。その点についてはどのように考えたのですか?

鈴木:我々の考え方を変える必要があると思いました。集客施策や営業改善などは収益に結びつきやすいのですが、手間と時間がかからないため、他社にも真似ができます。つまり、手軽に実行できる施策はいくらやってもキャッチアップされてしまいます。そのため、一時的に収益化できても、やがて元に戻ってしまう可能性があるのです。その点、ブランディングは手間と時間がかかる地道な作業であるため、キャッチアップされにくいといえます。目先の収益にはすぐに結びつかなくても、地に足をつけてお客様の支持を獲得していけば将来的に収益に結びつくという信念を持って取り組みました。

リブ:MVVを絵に描いた餅にせず、現場で推進していくキーマンとして店長の存在が重要だと考えたのですね。プロジェクトの実施に際して、店長の方々の反応はいかがでしたか?

西本悦男(以下敬称略):当社の経営陣は、昔から強いリーダーシップを発揮してトップダウンで組織を牽引してきました。これまでの流れに反して、今回現場のスタッフたちがある種自由に会社の未来を思い描いていいという言葉に、現場からは戸惑いの声が上がりました。しかし、その反応はネガティブなものではなく、新しい挑戦を前向きに受け入れている様子でした。

「一枚岩」への変化。コミュニケーションの質の向上

リブ:実際の研修では、ホンダカーズ光東が掲げたMVVの理解と浸透に重きを置きました。そしてMVVを体現するために、それぞれの店舗の目指す将来像=「店舗ビジョン」の策定も図りました。
そうして完成した店舗ビジョンを浸透させるためのアクションの実行、発信力の強化なども、研修プログラムには組み込まれていました。実際にプロジェクトを進める中で感じられた成果について、お二人が感じていることを聞かせてください。

東:店長個人の成長が著しかっただけでなく、店長間の一体感がものすごく高まったと感じています。研修当初は、課題は理解しつつも何をすればいいかわからないという状態が見受けられました。しかし研修を重ねるごとに、店長同士で話し合い、一緒に何かを作り上げていく姿が増えていきました。コミュニケーションを重ねる過程で、「この会社を良くしよう」「より良い未来を作っていこう」と一枚岩になれた気がします。この点が、私個人としても非常に嬉しかったですし、会社にとっても大きな財産になった点です。

西本:カーディーラーという仕事の特性上、「車が売れたかどうか」が日々の業務報告や相談内容になりがちです。しかし、本プロジェクト終了後は店舗ビジョンや研修で作成したアクションプランシートに関する情報共有や、店舗イベントのアイデア交換など、会話のテーマがガラリと変わっていました。

リブ:私たちの方でも、一部の店長から会社のMVVや店舗ビジョン、店長個人の目指す姿に関する質問を多数いただきました。研修でお伝えした、ありたい姿と現状のギャップを埋めるための問題解決思考の方法について、より深堀りした質問を受ける機会も多かったと記憶しています。

東:ある店舗では、店舗ビジョンの作成後、独自に「ビジョンミーティング」というスタッフ参加型の打ち合わせを実施していました。ミーティング内では、店舗ビジョンを実現するためにスタッフとしてどうあるべきかを共有し、接客や言葉づかい、ショールーム内での立ちふるまいなどを学ぶのが主な内容です。その他、営業・フロア部門、サービス部門の施策決定やショールームレイアウトの変更などにも取り組んでいました。
愚直に今後の店舗運営施策を策定する店長が現れたのは、とても喜ばしい変化です。この店長のように、内発的動機から自発的に行動する店長が増えたことが、研修プログラムの大きな成果だと感じます。
トップダウンによる指示など、外発的動機が決して悪いわけではありません。しかし、変化の激しい現代では、メンバー間で共通意識を持ち、前向きに仕事に取り組むための内発的動機づけが理想的な状態だと思っています。その片鱗が見えたという意味でも、今回の研修は大成功ではないでしょうか。

西本:MVVや店舗ビジョンについて考える機会が増えたことで、若手社員への接し方も変化したと思います。頭ごなしに「車を売れ!」と指示するのではなく、「店舗ビジョン達成のために〇〇しよう」といった、建設的なコミュニケーションが取れる店長が増えました。

伴走支援と主体性を引き出す仕掛け

リブ:プロジェクトの進め方について、特に印象に残っていることはありますか?

東:体系的な知識や考え方だけでなく、リブ・コンサルティングという「外部の視点」から意見や問いかけをされる機会が多かったなと感じています。「これについてどう思いますか?」といった投げかけに対して、店長たちが自分なりに考えてアイデアを出す。それに対して、質の高いフィードバックをしてもらう。このやり取りそのものが、店長にとって素晴らしい体験になったと思います。

西本:長期間にわたる研修中、リブ・コンサルティングは店長一人ひとりと1on1ミーティングも実施してましたよね。そういった丁寧なフォローがあったからこそ、店長が着実に成長していけたのではないかと感じています。

東:新しいことに挑戦するのは誰にとっても不安です。それこそ私は、カーディーラーの現状を踏まえ「ディーラーの枠を超えよう」という、非常に抽象的なテーマを店長たちに投げかけていました。これまで、具体的な販売計画や細かな指標の設定・達成を求められていた彼らにとって、大きな混乱があったでしょう。その挑戦を伴走しながら支援しつつ、的確なフィードバックを受けられる安心感。これが、リブ・コンサルティングに依頼してよかったと思える部分だと思います。

リブ:改めて、本プロジェクトの成果について聞かせてください。

東:メンバー全員がMVV、店舗ビジョンを共有できるようになり、お客様の対応の質も向上しました。また、店長が店舗スタッフに今回の研修内容を共有することで、店長が不在時も自主的にお客様のための行動ができるようになったと思います。
本プロジェクトは、事業責任者が交代して新しい変革期を迎える会社にとても有効だと思います。最近では、未来に向けてビジョンドリブンで組織を成長させていきたいと考えるリーダーは多いでしょう。その熱い想いを組織全体に波及させ、心機一転して新たな社内文化を築き、社員がワクワクして働ける会社にしたい。そう考える経営者の方々に、強くこのプロジェクトを勧めます。

西本:会社のトップが代わるとき、社員は「この人は何を考えているのだろう?」と注目します。このプログラムは、経営者自身の想いをしっかりと伝え、共有する良い機会にもなるのではないでしょうか。

リブ:実際に、東専務が会社のビジョンを策定され、それを受けて店長の皆さんが店舗ビジョンを作成する過程で、東専務ご自身が一人ひとりの店長と向き合い、会社のビジョンと店舗ビジョンがどうつながっているのかを丁寧にレビューされたことが、店長の皆さんの推進力を一層高めた瞬間だったと感じています。

東:無理やりという側面もあったかもしれませんが(笑)、今では店舗の皆が基本的なビジョンを言えるようになっています。さらに今は、評価項目と結びつけて覚えるようにとも伝えています。結局のところ、言い続けるしかない。その「言い続ける口実」として、この研修が一役買ってくれた面もあると感じています。

西本:そもそも、経営トップがビジョンを語っている会社自体が、まだ少ないのかもしれません。ですから、会社組織としてしっかりとビジョンを作り込み、それを全社的な枠組みで推進していくことは、どんな企業にとっても推進力を高める上で有効だと思います。ただ、店長だけにやらせても難しい。経営者自身が「これは必要だ」と腹落ちして取り組まない限り、部分的な取り組みだけでは効果は限定的でしょう。

 

課題ベースで常に最適な人財育成のあり方を模索

リブ:ホンダカーズ光東が新たなスタートを切るというタイミングで、これからを担う人財にビジョンを浸透させるお手伝いができ、とても嬉しく感じています。最後に、今後の教育や人財育成について、どのような構想を持っているか教えてください。

東:人的資本投資という言葉があるように、教育とは投資だと考えています。今後、ホンダカーズ光東では毎年継続して、ある程度の予算を人財育成のために確保していくつもりです。とはいえ、ただ予算を投じてばかりでも人財は育ちません。未来につながる人財育成には、常に「課題ありき」の姿勢が重要だと捉えています。
今回のようなビジョンの浸透をはじめ、優れた人財の採用と定着、そしてステージアップ。その時々の課題に合わせて、人の構成に合わせて投資をしていきたいというのが私の考えです。今回は店長が対象でしたが、新しい課題が出てくるたびに、最適な形で人財育成の方法を模索していこうと考えています。

西本:これからを担う若い世代には、熱い期待があります。そして、彼らを育成し企業成長を推進していくのが店長です。今後も店長のフォローアップは継続的に行いつつ、全社的な成長を進めていければと思います。

東:現在、店長会議では毎月アクションプランの報告を義務付けており、四半期に一度はその取り組みの成果を発表するイベントを開催しています。そうしたスキルアップの機会と合わせて、今回研修を受けた店長が講師となって研修を実施し、さらなる成長を図るのも面白いと考えているところです。

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