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【LiB Mobility経営 vol.5】
地域の移動需要に合わせたオンデマンド交通の始め方・育て方とは

EXECUTIVE SUMMARY

2021年6月、リブ・コンサルティングはオンデマンド交通をテーマとするオンラインセミナー「地域の移動需要に合わせたオンデマンド交通の始め方・育て方」を開催しました。
セミナーでは、オンデマンド交通の収益化に取り組む企業などから代表者に登壇いただき、都市部および地方におけるサービス化の課題やAI活用などによる今後の可能性について紹介。
この記事では、セミナー第5部「オンデマンド交通の事業化」の内容を抜粋してお届けします。

社会と事業の課題を解決する。

オンデマンド交通は、利用者の移動ニーズ(デマンド)に対応して運行する交通サービスのこと。鉄道、バス、タクシーなど既存の交通サービスがカバーしきれない地域をオンデマンド交通が補完することにより、利用者や住民の利便性が向上します。また、移動手段の充実によって人とモノの行き来が活性化し、地域、地域住民、地域企業の生産性向上に結びつくサービスとして注目を集めています。
オンデマンド交通は5タイプに分けることができます。
1つ目は既存公共交通の完全代替。例えば、過疎化による減便や既存路線の赤字化が課題の地方において、オンデマンド交通が代替手段となることにより、地域の交通弱者を救済し、既存の公共交通を支えることができます。
2つ目は、公共交通との連携接続。細部まで路線を張り巡らせるのが難しい地域では、オンライン交通が最終目的地にたどり着くための手段となります。また、観光地では観光スポットを結ぶ移動手段として活躍します。
これら2つは、地域や既存の交通サービス事業者が抱える課題を解決する社会課題解決型のサービスとしてまとめることができます。
3つ目は、従業員の通勤や顧客のピックアップを行うシャトルタイプ。工業団地や空港など大勢の人が通勤するエリアで効率よい移動手段となり、自家用車通勤の削減によって渋滞解消や環境負荷を軽減します。
4つ目は、従業員・サービスの輸送。従業員を営業先や作業場などの目的地に送り届け、ピックアップします。
5つ目は、特定地域内の移動と輸送。複数の企業の従業員が働く都市開発事業の現場などで、地域内で周遊バスや移動バスを走らせるタイプです。ショッピングセンターや病院が地域では走らせている周遊バスもこのタイプに含みます。
これら3つは、企業活動における移動の効率化や生産性向上に結びつくことから事業課題解決型のサービスとしてまとめることができます。

事業化に向けた4つのKFS

オンデマンド交通の事業化では重要な成功要因(KFS)が4つあります。
1つ目は、対象地域で移動する人たちの出発地(Origin)と目的地(Destination)の情報(ODデータ)を収集することです。データ取得先としては鉄道、バス、タクシーなどがあり、これら既存サービスとうまく座組することにより、有効なデータがより多く取得できるようになります。データがデジタルで収集されていない場合は、人を配置してカウンティングしたり、利用者アンケートを通じて情報収集する方法が検討できます。
2つ目は、ODデータを踏まえた運行ルートの最適化です。移動ニーズと既存の交通サービス網を踏まえて、既存の交通サービスとの棲み分けや連携を考えます。
3つ目は、既存の交通サービス事業者との合意形成です。地方の交通サービス事業者はドライバー確保や車両維持管理コストの課題を抱えていることがあります。そのような課題を聞き、オンデマンド交通が解決や支援できる分野を探ります。合意形成では、既存の交通サービス業者が不利益を被らないようにすることが重要。座組みにおいては第三者を介した方が調整しやすい面もあります。
4つ目は、UIとUXのユーザー視点で最適化することです。特に地方では高齢者にとって使いやすいUI、UXを構築することが求められます。

マネタイズのポイント

オンデマンド交通の収益は、以下の計算式で考えることができます。
オンデマンド交通単体(運賃収入・運営コストの部分)で収益化するために、運行区域を設定したり、UIやUXの改造によって利用者とリピートを増やすといった施策が重要になるでしょう。複数の事業体がそれぞれパスなどを走らせている場合、目的地が一緒の施設同士で運行をシェアすることで運営コストを下げることもできます。
その他のサービス収益については、オンデマンド交通の目的地なるスーパーマーケット、ショッピングセンター、病院などの施設から協賛金や広告料収入を得ることが可能。モノの移動や貨客混載の可能性を検討したり、お弁当配達、買い物代行、見守りサービス、ワクチン接種の送迎といった生活関連サービスと紐づけることにより、運営費用の一部を確保し、採算性を高く維持することが可能です。

事業化に向けた推進ステップ

構想がまとまったら、事業化に向けた具体的なプロセスを考えます。全体像を整理すると、ODデータの収集などによりまずは対象エリアを設定します。次に車両、ドライバー、配車システム、乗降場所の剪定などを行い、移動サービスを設計します。計画が見えてきたら、実証実験です。ここはPoCで小さく成果を検証していくのがよいでしょう。実証実験の結果を評価したら、最後は実装です。
これら一連の取り組みを自社のみで行うのが難しい場合は、外部の支援を活用するのも一つの手です。例えば、リブ・コンサルティングは、サービスやシステム開発を行う株式会社AMANEとともに、オンデマンドこうつうの企画、アプリ開発、地域の移動ニーズの実態調査、事業化に向けたプロジェクトマネジメントなどを行っています。外部リソースもうまく活用しながら、利用者ニーズと事業化の可能性が大きいオンデマンド交通の領域に踏み出してください。

「地域の移動需要に合わせたオンデマンド交通の始め方・育て方」資料のダウンロードはこちら
https://www.libcon.co.jp/abc/download/detail_56/

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UPDATE
2021.08.05
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