俯瞰する人ではなく、
経営者と対等に戦う人になろう。

株式会社リブ・コンサルティング
常務取締役
人事担当役員

権田 和士

早稲田大学卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。住宅・不動産業界を中心とした様々な業界のマーケティングコンサルティング、経営戦略コンサルティングに従事。2008年より4年間、住宅不動産コンサルティング部門の本部長を務めたのち、米国ミシガン大学に留学し経営学修士(MBA)取得。2014年、リブ・コンサルティングに参画。現在、常務取締役として人事や新規事業開発に携わる。

これまでの「正解」を知ることよりも、
新しい「正解」を導き出すことが、何よりも大切。

コンサルティング業界において、
リブ・コンサルティングはどんな存在と言えますか?

人間で言うならば、青年期をこえて壮年期に差しかかっているのが、コンサル業界だと思うんです。グローバルな戦略コンサルティングファームはどこも壮年期のような落ち着きがあります。人生の後半期に差し掛かり、成功パターンはあるし、型は出来上がっている。でも、リブ・コンサルティングは今、思春期で青春の真っただ中にあると感じです。
クラシックなコンサルティングファームは、もう経験則にもとづいた仕事のセオリー、勝ちパターンなどの「正解」を知っています。でも、私たちはその「正解」そのものを疑っているのです。
正しいコンサルティングの教科書的があったとしても、この激しく変化し続ける時代のなかで、その内容が20年30年後もずっと正しいとは限らない。むしろ使いものにならなくなるんじゃないか。だからこそ、そういう教科書的な正解を身につけるよりも、自ら問いを立て、自分だけの「正解」を導き出すことの方が何倍も重要。そのための経験を積めるのが、リブ・コンサルティングという場だと考えています。

具体的にはリブ・コンサルティングでは、
どんな経営コンサルタントを目指せるのでしょうか?

ハーバード・ケネディスクールのロナルド・ハイフェッツ教授のリーダーシップ論の中に、「リーダーはバルコニーに掛け上がれ」という言葉があります。その考え方を応用して、ダンスフロアで踊る「ダンスフロア人財」とそれを俯瞰する「バルコニー人財」の2種類に分けて考えたいと思います。「ダンスフロア人財」は、最前線で何かに熱中して没入している人。事業会社にいるようなプレイヤーたちことですね。一方、「バルコニー人財」は現場であるダンスフロアとは少し距離を置いて、踊る人たちを見下ろしている存在。その区分で考えると、従来の経営コンサルタントは典型的な「バルコニー人財」だと思います。
経営全体を俯瞰する力はあるが、戦場には行かず、ややもすれば「他人事だな」と思われても仕方ない存在。でも、私たちが目指すべきコンサルタント像はそうじゃない。ダンスフロアとバルコニーを行き来する存在です。そして、こういう存在こそがいまの日本に圧倒的に足りていないのだと思うのです。
現在、日本でもスタートアップの起業家は、少しずつ増え始めてきています。ただ、そういう人たちは0から1を生み出すことに長けているけれど、そこから事業をぐっと伸ばせるかというとそうじゃない。それができるのが事業家であり、まさにダンスフロアとバルコニーを行き来できる人財のこと。そんな事業家を育成していくことが、リブ・コンサルティングがやっていることなのです。
バルコニーにいるけれど、ダンスを踊りたくてたまらない。そんなウズウズしているような人を、リブ・コンサルティングでは、多く採用していますね。受け身な人はダメ。当事者意識を持つこと、当事者としてやりきることが大事。俯瞰する人ではなく、経営者と対等に戦う人にならないといけないのです。

新卒2〜3年目の若造の言葉に、
経営者が耳を傾けるのは、なぜなのか。

そんな事業家たる経営コンサルタントを、どのように育成しているのでしょうか?

多くのコンサルティングファームでは、入社後の数年は先輩コンサルタントが取ってきたプロジェクトの中で、レポート作成やデータ分析など、アシスタント業務からスタートすることが多い。でも、リブ・コンサルティングでは、新卒入社3年目でプロジェクトのオーナーとして経営者と対峙するコンサルタントが数多くいます。
普通、コンサルタント経験2〜3年の若造がコンサルタント面をして話したところで、経営者は耳を傾けるわけがありません。なのになぜ、リブ・コンサルティングでは3年目でも経営者と相対せるか。それは、いちコンサルタントではなく、リブ・コンサルティングの事業を動かしている一員だからなのです。
コンサルタントといえども、顧客開拓のための営業もする。内定者も入社1〜2年目のメンバーも全員、自社の採用活動に関わりますし、2〜3年目になるとトレーナーとして人材育成もする。自社の事業開発や組織改善も提案する。そんな経験のなかで、事業運営の酸いも甘いも知るようになる。そんな事業の当事者としての実体験をもとに話すから、経営者にも響くのではないでしょうか。

実際に事業運営の経験も積める、経営コンサルタント。
もし将来、転職することになったとしても市場価値は高そうですね。

そうだと思います。通常、経営コンサルタントが対峙する相手は、大手企業の経営企画室長だったりすることが多い。つまり、クライアントもバルコニー人材。バルコニーとバルコニーの戦いであり、助け合いだから、そうなると次のキャリアも、どこかの事業会社の経営企画室などに限られてしまう。スタートアップの創業メンバーとして加わったり、新規事業をガッツリと動かせる人になることは実は難しいんです。
日本経済が成熟期、衰弱期を迎えている中で、山の上から戦局を眺めている人が増えていってもしょうがない。山の上と戦場を自由自在に行き来できる。そんな新しいコンサルタントのあり方を、リブ・コンサルティングから創り出していきたいのです。

人生を楽しみ、仕事を楽しめる、
ダイヤの原石のような人に出会いたい。

これまでのコンサルタントと違う、
新しい時代のコンサルタントにはどんな素養が求められるのでしょうか?

知・情・意のすべてをバランスよく高めていくことではないでしょうか。コンサルティング業界は経営学のアカデミックな研究テーマを、実際の企業に当てはめていくというのがそもそもスタートであったため、コンサルタントには、まず知恵や知識である「知」を求められてきました。
ただ、リブ・コンサルティングが目指すのは、経営者の感情に寄り添い、意志決定の背中を押し、ともに実現していくためのコンサルティング。だから、高い次元での知・情・意のバランスが必要となるのです。知識や知恵があるだけでは務まりません。
だから人財育成も独特な部分があります。「トレーナー・トレーニー制度」というのがあり、そこでトレーナーが若手コンサルタントに課題図書を出します。普通ならビジネス書や経営論のレポートなどが多いのでしょうが、うちの場合は『君たちはどう生きるか』などもあるのです。「『論語』を読みなさい」というトレーナーも中にはいるかもしれません。全人格的に成長していくこと。それが経営者から信頼されるコンサルタントであり、これからの時代を担う事業リーダーにとって必要不可欠なことだと考えています。

どんな仕事観、人生観を持つ大学生なら、
リブ・コンサルティングと合いそうでしょうか?

リブ・コンサルティングの社名は「Life is beautiful」から来ています。「人生は素晴らしい。後悔のない人生を送ろう」という想いが裏側にあります。根本にあるのは「人生を楽しむ」という考え方なので、やっぱり仕事を充実させてほしい。言い方を替えると、バルコニー・ダンスフロアの考え方と一緒になりますが、一歩引いて仕事をするのではなく、フロアに降りて来て一緒に楽しもう、戦おう。その方が楽しい。と、心から思える人ですね。
もう一つは、今はなくてもいいかもしれませんが、将来のために、世の中のために、何を自分が残せるのか?という問いに真剣に向き合える人。私たちは「100年後の世界を良くする会社を増やす」を理念として掲げています。だから、そういう志をどのくらい持っているのかは大事だと考えています。

新卒採用だと、東大・京大出身者が増えていますが、
実際にはどんな人が多いですか?

確かに東大出身者も増えていますが、「東大らしくない人」の方がうちには合っている気がしますね。手垢のついていない、回り道をしたことのないようなエリート界のトップ層よりも、非エリート界のトップ層でダイヤの原石のような人がいい。「あなた本当に東大生?」という感じの人でしょうか。
実際、私たちは学歴や肩書きで選んでいるわけじゃない。磨けば光る原石なのか?を、かなり深く細かく見ています。学生さん1人ずつにリクルーターをつけるのですが、もう、生まれたときから1歳ずつ「この歳の時は、何を考え、やっていたの?」というくらい。山のようにヒアリングをします。面接担当と集まって、その学生さんについて話し合うのですが、3時間でも4時間でもいくらでも話せるくらいです。これだけ人に対して熱い想いを持っている会社はなかなか存在しないのではないでしょうか。私たちと一緒に、これからの時代にふさわしい、新しいコンサルタント像をつくっていける人に会えたら嬉しいですね。

(インタビュー・文:伊藤秋廣[エーアイプロダクション]、写真:岡部敏明)

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