営業戦略 組織開発

2023.11.17 急成長のスピードを加速させるための営業チームの型化に尽力

株式会社Sales Marker(セールスマーカー)

2021年に設立。インテントセールスという、新時代の営業手法、顧客起点の営業を実現するサービスを展開しており、商談の獲得数の向上や商談化率の向上、成約率の向上などに寄与するプロダクトとして「Sales Marker」を提供。現在は約270社が導入しており、事業成長率800%超を記録するなど著しい成長を遂げている。2023年9月には、第2弾プロダクトとしてインテントマーケティングツール「Sales Marker Lead」をローンチした。

代表取締役CEO 小笠原 羽恭様(画像中央)

セールスチーム 梅村 和希様(画像右から2人目)

EXECUTIVE SUMMARY

  • 1. 株式会社Sales Markerは、2023年初頭にPMFを達成し、シリーズAの資金調達を行い、さらなる拡大を目指すタイミングにあった。今後、さらなる成長を実現すべく、経営陣による営業活動から脱却し、営業組織拡大をスムーズに進めるための営業手法の「型化」を模索していた。
  • 2.リブ・コンサルティングとのプロジェクトにより、ターゲットの再定義、ターゲット別の商談シナリオ・資料の作成を実施。これにより、ターゲットに合わせた質の高い提案が人を選ばずにできるようになった。また、営業マネジメント体制も強化され、営業組織のスムーズな拡大に繋げる事ができた。

急成長を見越した営業体制の型化を模索

リブ大島 現在急成長を続けているSales Marker様と初めてお会いさせていただいたのは、2023年の年初だったと思います。この時の貴社の状況と、外部の協力会社の手を借りようとした背景を教えていただけますか?

小笠原 当時、弊社はPMFを達成して次回の資金調達に向けて、営業体制の型化を本格的に検討していました。従来の営業チームは、梅村を中心として他社での経験が豊富なメンバーが着実に成果を上げていました。

しかし、新たに入社するメンバーが既存メンバーと同じ成果を挙げるには、迷いなくセールスを進められるためのノウハウの蓄積が必要だと考えたのです。それが出来なければ、今後のさらなる成長は難しいだろうという課題感を抱いていました。

私や他の経営陣には、課題に取り組むための十分なリソースが確保できませんでした。また、営業のノウハウを整理して型化を進めるにはコンサルティングの能力が必要で、社内のメンバーにまとめてもらうことも難しいと考えました。結果、外部の協力を得てこの問題に取り組みたいと考えたのです。

リブ・コンサルティングに協力をお願いしたのは、提案内容が非常に洗練されており、我々スタートアップが置かれている状況に最適であると感じたためです。

シリーズA・シリーズBと成長をする段階において、どのような営業パターンがあり得るのか。市況に鑑みて、どの方向性で「Sales Marker」を打ち出していくべきなのか。これらの提案が非常に的確で、非常に豊富なナレッジを用いてご支援いただけるというイメージが明確に湧いたので、依頼しようと決断しました。

こちらの図を用いてご説明頂いた営業の進むべき方向性がとても分かりやすかったと記憶しています。

リブ大島 スタートアップであるSales Marker様にとって、コンサルティング会社への依頼には大きな金額を投資する決断をする必要があったかと思います。なぜ貴社は、この決断に踏み切れたのでしょうか?

小笠原 3つ理由があります。
1つ目の理由は、私がコンサルティング出身だったという点です。情報整理の重要性や意思決定の進め方、型化・標準化の重要性を認知していたからこそ、貴社の手を借りたいと思いました。

2つ目の理由はタイミングです。情報の整理や型化に取り組む時期が遅くなれば、機会損失はその分大きくなります。本格的に人材を増やしていく前に、これらの問題に取り組まなくてはと考えていました。

3つ目の理由は費用対効果です。「Sales Marker」の1件あたりの売上と貴社の依頼料を比較して、費用対効果が非常に高いとイメージできました。仮にこのPJで1件多く受注が生まれれば、LTVで考えるとそれだけで元を取れる為、十分な費用対効果の高さを感じました。

スタートアップに伴走する姿勢に感動

リブ大島 実際にプロジェクトが開始され、2023年3月から5月までの3ヶ月間をご一緒させていただきました。この間の感想についてお聞かせいただけますか?

小笠原 リブ・コンサルティングのアウトプットは、量と質がどちらも想像以上でした。途中で方向性が変更されてしまった場合も、柔軟に対応いただきつつ完璧なものを作ろうという姿勢を強く感じました。

また、スタートアップの「生きるか死ぬか」という状況と真摯に向き合い、型化を現場に浸透させていくことも鑑みて行動してくださっていました。これらすべての姿勢が、ありがたく、頼りがいがありました。

リブ大島 梅村さんはいかがでしょうか?

梅村 かつて私は、コンサルティング会社に対して「業務未経験のコンサルタントが既存のフレームワークを押し付けてくる」という悪印象を抱いていたのです(笑)。

しかしリブ・コンサルティングは、既存のフレームワークを強制せずに営業メンバー1人1人の商談を見た上で、強みと弱みを解析し理解しようと努めていました。その上で、「商談ではこういう資料をお見せするのはいかがでしょう」という仮説を提示してくださいました。

(個別で各メンバーの営業診断を行うリブ・コンサルティング社の診断表)

我々の営業企画の一部として伴走してくださったその姿勢を見て、コンサルティング会社に抱いていたイメージは大きく変わりました

リブ辻 Sales Marker様のプロダクトは非常に素晴らしく、これが世の中に広まらなかったら私たちの責任だという想いで、プロジェクトに取り組みました。

梅村 プロジェクト中は、その意識が行動にも表れていましたね。打合せの時にも、「スタートアップが大きく飛躍するまで伴走することが、私たちの定めです」とおっしゃっていたのを強く覚えています。

何が何でも絶対に成果を出すという、皆さんのプロ意識は素晴らしいと思います。

リブ大島 貴社をはじめとして、スタートアップはさまざまなものを背負い、実現したい世界に向けて全速力で走り続けています。私たちもその一員として、スタートアップと伴走したい。経営者の皆さんと同様に、事業に対して熱狂して取り組んでいくことを、あるべき姿だと定義しています。

商談品質の向上と管理体制の強化を実現

リブ大島 3ヶ月間のご支援で、どのような成果が生まれたでしょうか?

小笠原 こちらも、大きく3つあると考えています。
1つ目の成果は「お客様の解像度の向上」です。リブ・コンサルティングに商談を解析いただいたことで、網羅的にお客様を整理して言語化できるようになりました。

2つ目の成果は「提案の質の向上」です。従来はお客様の課題をヒアリングして、それにアジャストする形で提案を行っていました。これでも成果は出ていたものの、お客様のパターンの整理までは明確化できずにいたのです。

お客様の解像度が上がったことで、「この商談はパターン1だ」「今回はパターン2の商談だ」という形で、各商談を分類しやすくなりました。また、各パターンで有効な商談を営業資料にも落とし込んでいただいたおかげで、商談の整流化もできました。

3つ目の成果は「マネジメントの質の向上」です。営業メンバーが増えるにあたり、梅村に商談管理などを任せていく中で、どのような形でマネジメントを進行すべきかのイメージがありませんでした。

リブ・コンサルティングに管理システムを整えていただいたおかげで、梅村がよどみなくメンバーをマネジメントできるようになりました。その結果、私たち経営陣が関与せずとも、セールス本部のみで自走して成果を出す仕組みが構築され、毎月の目標も達成できています。

(クライアント自身が自走して成果を出す仕組みを構築するための納品物の一例)

リブ辻 「Sales Marker」は、私たちが参画する前から多くの反響を集めていたプロダクトでした。そのため、目の前の売上に貢献するだけでなく、メンバーが増えても成長スピードが鈍化しないよう、少し先の未来にも貢献できるような観点を大切にしていました。

リブ大島 プロジェクト中に弊社が作成した資料の中で、プロジェクト終了後も積極的に活用いただけているものはありますか?

小笠原 各種営業資料と案件管理に関する資料は、今も使い続けています。特に営業資料に関しては、ベースを残しつつ会社の変化に応じて改善を加えています。

営業資料の中でも、特に好評なのは「宝探し営業」と「ニーズ狙いうち営業」をまとめた表です。インテントセールスはまだお客様にとっても聞き慣れていない用語なのですが、理解度を高める上でこれらの表を用いると、商談では有効に働いています。

案件管理については、Notionを用いた進捗管理のシステムを構築していただきました。こちらも定例会で毎回活用しています。

リブ大島 営業資料は貴社のプロダクトが非常に優れているという前提で、その複雑性をいかにしてわかりやすく伝えるかに注力して作成しました。どのようにインテントセールスを分解して説明し、お客様の課題の可視化につなげていくかを考えつつ資料を作成していったので、今のお話はとてもありがたいです。

小笠原 ターゲティングという点でも、多くの改善がありました。これまではマーケティングサイドに、お客様のパターンや分類に関する知見がありませんでした。しかし、リブ・コンサルティングとのディスカッションで作成した表をマーケティングサイドに送ることで、お客様のパターンに応じた情報発信ができるようになったのです。

それにより、お客様に対する解像度がもっとも高いセールスが持っている情報を、マーケティングにフィードバックするというよい流れを生むことができました。

大体マーケティング部隊が作ったものがセールスに落ちてきたりするのですけど、本来はセールスが一番顧客の解像度が高いはずなので。それをマーケティングにフィードバックするという流れが良かったなと思います。

リブ大島 梅村様は、3ヶ月のプロジェクトによる変化をどのように感じていますか?

梅村 弊社は「既存の枠組みを超えた挑戦ができる世界を創る」というビジョンを掲げています。このビジョンの実現には、まず「枠」を作らなければなりません。リブ・コンサルティングは型化によって枠を作るとともに、具体的な活用方法を教えてくださいました。

しかも型をただ作るのではなく、会社のフェーズやサービス内容の変化に応じて型を変えていくための仕組みとして、会議体なども整理してくださったのです。そのおかげで、現在はPDCAを回しながら、継続的に型の見直しも行えています。

リブ大島 今後、貴社はさらに組織が大きくなっていくと思います。フェーズが変わり営業メンバーが増えるたびに、複利的に私たちの支援が活きてくると、とても嬉しいです。

事業のあらゆる領域を自動化していきたい

リブ大島 Sales Marker様は、2023年9月にインテントマーケティングツールとして「Sales Marker Lead」をローンチして話題となりました。こうした新たなプロダクト開発を含め、今後の展開をお聞かせいただけますか?

小笠原 近い将来の目標として、弊社のプロダクトで営業で悩む方をなくしたいと考えています

私はエンジニア出身でもあるのですが、グローバルに誇る技術力を持つのにセールスが苦手で、廃業に至った工場などの事例を耳にしたことがあります。また、アウトバウンド営業になじめず疲弊してしまった結果、仕事を辞めてしまい営業に嫌悪感を抱くようになった友人もいました。こうした方々を、「Sales Marker」で一人でも減らしていきたいです。

その後、マーケティング領域や事業開発領域でも、同様に活動していきたいと考えています。セールスやマーケティングの自動化、市場リサーチの自動化、人材確保の自動化、事業開発の自動化…。生成AIなどを用いることで、これらが可能な未来はある程度見えています。

「Sales Marker」ならびに関連事業によって、事業のあらゆる工程における悩みを解決できる世界。つまりは既存の枠組みを超えた挑戦に、誰もが飛び込める世界を目指していきたいです。

(※本記事は2023年9月の取材時の情報をもとに作成しています)