METHODメソッド

インサイドセールスの失敗事例と成功事例

従来型の営業戦略をインバウンドリードに当てはめても成果にはつながりません。本コラムでは、インサイドセールスの失敗事例と成功事例から、デジタル時代の営業戦略を考察します。

今、企業は古典的な営業戦略から脱することが求められています。
それは顧客の購買行動が「売り込まれるのを待つ」のではなく「自ら選ぶ」へ変化したことが背景にあります。

このことから、インサイドセールスではいかに獲得したリードのコンテクスト(背景・状況)を踏まえたコミュニケーションを行っていくかが問われています。

今回は、そのインサイドセールスにおけるリードとの理想的なコミュニケーション方法を知るために、セールストークの失敗事例と成功事例、そして成功のポイントを解説します。

インサイドセールスの失敗事例

インサイドセールスでは、マーケティングが獲得し育て上げてきたリードに対し電話を中心としたアプローチを行っていきます。
しかし、従来型の型にはまったいわゆる「セールストーク」では、リードを潰してしまいます。
例えば、業務効率化のITツールを開発する会社A社の担当者が、次のような内容をリードに対して電話口で話したとします。

「はじめまして、鈴木様。A社の佐々木と申します。御社はすでに大きな生産性を上げていらっしゃいますが、さらに効率の良いITツールを導入し、業務効率化をされたいと思いませんか。弊社ではすでに数百社への導入実績のある業務効率化ITツールをご提供することができ、最新技術により、よりスピーディーかつ正確に御社の業務を処理することができます。その最新技術の資料やデータをお見せすることもできます。」

このトークの問題点は、電話口で自社商材を一方的に宣伝しているところにあります。
いわゆる従来型の「売り込み」トークです。

しかしこれでは、マーケティングチームがリードのコンテクスト(背景・状況)に沿って丁寧な情報提供を行って作り上げてきたリードとの信頼関係を一気に壊してしまいかねません。

この事例において、電話の向こうのリードは、先日からA社のブログ記事を精読し、ダウンロードしたホワイトペーパーを読み、Web上のセミナーに参加し、自らの問題点を見出す経験を重ねてきました。
A社に対して、自社が解決したい問題を解決するために有益で、信頼のおける良い印象を持っていたはずです。

しかし、上記の事例のような、リードのコンテクスト(背景・状況)に対する配慮のかけらもない一方的なセールストークをしてしまうと、せっかくの好印象も関係性も一瞬で崩壊してしまうのです。

インサイドセールスの成功事例

必要になるのは、リードのコンテクスト(背景・状況)に沿ったセールストークです。
これにより、リードとの関係を強化できます。

具体的にどのようなものなのかを知るために、同じく業務効率化ITツール開発会社A社の事例でみてみましょう。

「はじめまして、鈴木様。A社の佐々木と申します。業務効率化の成功事例に関する資料を自社サイトからダウンロードしていただき、ありがとうございます。他にも、ご覧いただいたブログ記事のテーマに関する資料のご用意がございます。この後、すぐにメールでお送りいたしますね。詳しい内容をお聞きになりたいと思われましたら、またお電話いただければと思います」

「鈴木様、いつも大変お世話になっております。A社の佐々木です。本日は良いお知らせがございます。弊社の顧客で、御社の業界でITツール導入による業務効率化によって大成功を収めている顧客がいることが分かりました。これからその成功事例をメールでお送りし、彼らが導入したツールやアイデアなどの実践内容とその結果をお伝えしたいと思います。一緒にポイントをご確認されたいと思われましたら、いつでもお気軽にお電話ください」

「鈴木様、いつも大変お世話になっております。A社の佐々木です。前回お伝えした顧客を自社の診断ツールを使用し、御社と比較しました。すると、そのB社は88点、御社は56点という結果になりました。これからそれをまとめた報告書をお送りします。御社には、デジタルツール活用により、まだ大きな伸びしろがあるようです。報告書について一緒に内容を確認したいと思われましたら、いつでもお気軽にお電話ください」

 

これらはすべて、リードのコンテクスト(背景・状況)を踏まえているトークです。
実際のトークでは、相手の反応を見ながら、臨機応変に対応する必要がありますが、伝える内容としてはこのような内容が適切といえます。

インサイドセールス成功のためのポイント

インサイドセールスを成功させるためには、先の成功事例のように「対話形式」でインサイドセールスを進めることが重要です。
リードとのコミュニケーションの機会のたびに、リードの興味関心に合致した情報を提示していくことにより、より良い関係が構築できるチャンスは多く出てきます。

ポイントは、リードのコンテクスト(背景・状況)を重視することです。

トークの内容は、リードのこれまでの自社における経験と完全に一致した内容、交流内容に基づいたものにすること。つまり、リードが閲覧した自社のブログ記事、ダウンロードした資料などに基づき、リードの背景を把握して、個々のリードの内容にトークの内容をカスタマイズすることです。また、興味に関連するコンテンツを提示し、毎回、必ず新規情報を付け加えることも一つのポイントです。

インサイドセールス成功のために、ぜひこれらの失敗事例と成功事例の違いを把握し、リードのコンテクスト(背景・状況)重視のコミュニケーションを実施していきましょう。

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