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共感と共鳴を生み出し、
新しい発想を引き出せる組織づくりを

共感と共鳴を生み出し、新しい発想を引き出せる組織づくりを

執行役員CHRO 武山 慎吾

経歴

東京大学経済学部を卒業、三菱商事、ボストン・コンサルティング・グループを経て、2017年にファーストリテイリングに入社。同社の人事部長としてグローバル本社の組織構造改革、人事制度企画、経営人材育成等をリード。その後、IT系ベンチャー企業の人事責任者を経て、2022年11月にリブ・コンサルティングにCHROとして参画。

商社、コンサル、
そしてファーストリテイリングで
獲得した“人事”観

これまでのキャリアについて教えてください。

新卒で三菱商事に入社し、リスクマネジメント部門に配属され、与信管理や事業投資の審査などの業務に従事しました。ここでビジネスの基礎を身につけました。しかし、自分の仕事が世の中にどのような影響を与えているのか、世の中への貢献を実感できない不安があり、もっと刺激的な環境で自分を試したいと思い、外資系のコンサルティングファームに転職しました。

私は学歴社会におけるエリートの道を歩んできて、大企業に入社し、巧妙に立ち回り、それが評価されてきましたが、BCGでは全く通用しませんでした。最初は戸惑いもあり、自信を失いかけましたが、それでも諦めず、答えのない世界で奮闘し、試行錯誤を重ねてPDCAサイクルを回すうちに、評価を得るようになりました。

結局、BCGには6年在籍しましたが、当時では長期間で、もう少しでパートナーになれるかもしれないというタイミングで結婚し、子どもが生まれたことで、ワークライフバランスの改善を意識するようになりました。またBCGに在籍中、大企業の経営陣との仕事を通じて、非常に刺激を受け、内容も楽しかったため、経営トップに近い立場で働きたいと思い、会社経営に大きなインパクトを与えられるようなポジションでの仕事を望んでいました。そのため、転職先にファーストリテイリングを選びました。もともとは大規模プロジェクトのPMOとしてコンサルティング経験者が求められていた話でしたが、人事役員が私に興味を持ってくれて、「人事をやってみないか」と誘ってくれました。

当時、世間では「戦略人事」という言葉が広まり始め、柳井社長も経営の半分は人事だと語られていました。コンサルティングを通じて、プロジェクトリーダーとして人が変わる瞬間を目撃したこともあり、自然と人事のような役割を果たしていました。それを柳井社長の下で展開することに、非常に興味を持ちました。

私たちは組織やチームとしてミッションを追求する中で、ミッションに合わせようとしない人や、合わせようと努力はするものの能力や実績が足りない人を、時には切り離さなければなりません。これは経営やミッションのためであり、またお客様のためでもあります。このような冷静な判断が経営には必要であり、それは社会全体を良くするためにも必要な選択です。この覚悟こそが、経営者や人事担当者が持たなければならないものと考えています。

一方で、人は変わることができるし、人の可能性を信じることも重要だと思います。根本的に変わりたいと願う人や、会社や顧客に貢献したいと考える人は、時間はかかるかもしれませんが、適切な環境や機会、努力があれば変わることができると確信しています。時にはくすぶっている人が立ち上がることもありますし、「できる」と見なされている人ほど、そのポテンシャルに制約がかかっていることもあります。これが完全な実力主義を掲げる理由でもありますが、本来は素晴らしい才能やポテンシャルを持っているにもかかわらず、チャンスがなかったために自らの力を発揮できていない人は少なくないと思います。

私はファーストリテイリングに在籍した5年間でタレントマネジメントを担当しました。その中で最も意識していたのは、才能豊かな人々の可能性をどのように引き出すかでした。それは仕事や部署、上司を変えることも含みますが、年功序列や性別、国籍、社歴、過去の経験などを一切排除し、その人の真価を客観的に評価し、最適な環境を提供しました。もちろんビジネスニーズに適合することも重要ですが、それ以上に、柳井社長のような才能ある人材を見つけ出し、その才能を開花させることが重要だと考えていました。この取り組みこそが競争力の源泉となり、企業をリードする中核的なリーダーを一層多く輩出することが、企業を強固なものにする要素であると信じています。そのためには年功序列や慣習、既存の枠組みから解放されることが不可欠だと感じました。

武山 慎吾 武山 慎吾

チームで同じベクトルを向けば、
人間の実力は最大限発揮される

リブ・ コンサルティングへの入社理由を教えてください。

人事を通じて経営に関与し、経営陣の影響を受けてきた経験から、自身が本当に人事について理解し、組織に良い影響を与えられるのかを試してみたいと考えるようになりました。ファーストリテイリングに尽くしたい気持ちもありましたが、新たな挑戦も欲しいと感じ、しばらく悩みました。そこでリブ・コンサルティングからCHROのオファーを受けた際、直感的にピンときました。それは、私がコンサルタントとしての経験を活かしながら人事を担当するべき場所であり、運命的なものを感じました。

何がピンときたのでしょうか。

BCG時代にはHRを意識したことはありませんでしたが、振り返ってみると、プロジェクト内で育成をするのは基本的な発想ですし、出来る人がプロジェクトに吸い寄せられていくという感じでした。BCGにはいわゆるHRの機能が無かったのだと思います。しかし同じコンサルティングファームであるリブがCHROを探しているということで話を聞いてみると、人や組織がとても大事なので、今までは創業経営陣が分担しながらそれに取り組んでたということでした。

また、これはBCGも同じですが、マネージャークラスが育成にコミットする体制ですし、HR部隊はいますが、全社一丸となって採用もしていました。しかし創業経営陣が分担してやっているという点に関して言うと、これから新規事業も始めるかもしれないし、海外にも進出するかもしれないということで、より事業のグロースや進化に注力をしていきたいということでした。そこで、コンサルタントの生態に精通している、且つ人事的な発想も出来る人がいれば任せたい、という思惑があり声がかかりました。柳井社長の下で学んだことを試してみたいという思いがある中で、CHROとして責任や権限を与えてもらえるというのは、自分にピッタリとハマるなと思いました。

リブは、人を育てる、人を大事にするということにとても本気に取り組んでいる印象を受けました。どのファームも「人が最大のアセットである」と言いますし、どのファームも本当にそう思っていますが、実態としては忙しいがゆえに実行できていないところが多いようです。

大前提として会社のミッションや考え方に共感してコンサルティングというビジネスに可能性を感じられる人で、ヤル気のある人に集まってほしいです。そういう人をしっかりと育てていきたいですし、一人前になるまで責任を持ちます。人それぞれのスピードがあると思いますが、全員が一人前になって活躍できるようにしていくことが大事だと思っていますし、それを極めて突き詰めていくことで、強みにも変わってきていると思います。

共感や共鳴で集まった人が、力を発揮する根拠について、
どのようなお考えを持っていますか。

共感や共鳴を持っている人をしっかりと集めていけば、勝てる人事政策が打てると確信を持っています。もちろん、人間が人間を見るので、その人が共感や共鳴をしていると見誤ることが当然あるので、その点はリスクとして折り込む必要があります。また、そのとき共感や共鳴をしていたとしても、仕事やプライベートの経験で人間は変わっていくので、長い間ユートピアが続くとも思っていません。その冷静さはありつつも、人のモチベーションやエネルギーを最大限引き出すためにも、“この人達に貢献したい”“この人達と気持ちを密にして働きたい”という思いがあるのとないのでは違うと思います。

人のポテンシャルを最大限引き出す中で、環境設定や機会、仕事の中身や上司の薫陶もありますが、自分が属しているチームやそのチームが目指しているミッションに対して、自分が貢献したいという思いがその人のことを奮い立たせます。人間には弱いところもありますが、ビジョンや共鳴するものがあれば、自分をいい意味で律していけると思うので、とても強くなると思います。個々のポテンシャルを最大限引き出し、且つ、それがチームで同じベクトルを向いていることを感じられる中で、人間の実力は最大限発揮されると考えています。そして、クライアントのために努力をする力の源にもなるので、これがきちんと出来ているのであれば、とても強い組織になると確信しています。

コンサルティングファームは個人の戦闘能力の高さで生きていく世界なので、個々人の力を集結して、チームワークで勝つということを本気で取り組んでいるファームは少ないと思います。だからこそ、私たちがそれが出来れば抜きんでることができます。

武山 慎吾 武山 慎吾

これまで以上にフラットで
オープンな組織に進化させたい

これまで創業者たちが熱い想いで引っ張ってきたところから、
武山さんはどのような組織を作ろうと考えていますか。

私がジョインしたことの大きな意味は、翻訳機能だと思っています。これまでは創業経営者の3人が直接語り掛けたり、一緒に仕事をする中で思いを届けたり、共感や共鳴を増幅していくことが可能でした。しかし社員数が増えていくとそれが物理的にも難しくなるので、これからは第三者がそれを伝えていく仕組みを作っていくのが私の仕事です。私は、この会社の文化が一番醸成された最初の10年間を経験していません。経験している人であれば少しピンとくることでも、これから入ってくる人には伝わらないこともあると思います。

今後は創業経営者の3人が言っても通用しないことが出てくるかもしれません。私も同じように経験していませんが、経営陣と近いところで仕事をしていますし、この会社のミッションにも共鳴して入ってきているので、私なりの伝え方があると思います。それを考えてやっていくことが大きな役割だと思っています。

また、人間の人生観や仕事観も多様になっています。最終的にはどこかで線を引かなければならないところも当然あると思いますが、会社として成長して与えられるインパクトを大きくしていくという意味で言うと、少しでも共感や共鳴ができる部分がある人を仲間にしていき、80%くらいで共感や共鳴していくという関わり方が大事だと思います。創業期は100%だったと思いますが、今は80%くらいでも認めていくことが必要だと思います。私自身も100%ではないので、その80%を見極められると思います。社員が増えても平均すると90%を保てていれば、強さや弱さを活かしたまま大きくなり、世の中にインパクトを与える会社になれると思います。

CHROとして入社後、どのような取り組みを行ってきたのですか。

入社後、まず9カ月かけて社内の全コンサルタントと1on1で対話しました。これは私にとっては必須の取り組みであり、「これをやらないとCHROとしての役割は果たせないだろう」とさえ思っていました。今後も対話の機会を増やし、リブのコミュニケーションの活性化を図っていきたいと考えています。リブではレビューやフィードバック、知識の共有が活発であり、その文化を大切にしています。

私自身は、共感と共鳴を生み出し、新しい発想を引き出すために、双方向のコミュニケーションが重要だと考えています。また、遊び心や余裕をもったやり取りが、楽しさを感じる一因だとも信じています。組織が拡大するにつれ、出来る人や経験豊富な人からそうでない人への流れが増えるのは避けられませんが、

これまで以上にフラットでオープンな組織に進化させたいと思っています。コンサルタントのビジネスにおいては、もちろん稼働率や生産性が重要ですが、これらを短期的に追求しすぎると、私たちの強みであるミッション・ビジョンへの共感や共鳴、そしてそこでのポテンシャルの引き出しが損なわれてしまいます。

さらに、タレントマネジメントにも力を入れています。個々人の意思を活かした人材配置やチーム構成を考えていくことが必要です。経営としてもこれは重要な要素ですが、どこにいても学びはあるため、それ自体は悪いことではありません。しかし、本人たちの可能性を最大限に引き出す観点から見れば、「この人と仕事がしたい」「このテーマで仕事がしたい」「こういうクライアントにいきたい」といった個人の思いを汲み取ることが重要です。つまり、これも遊びの一環です。短期的には売上や利益の最大化が難しいかもしれませんが、長い目で見れば、離職率の低下やエンゲージメントの向上を超えて、本質的な価値につながると考えています。会社として長期的な発展を遂げるためには、こういった発想が必要であり、経営陣にも理解してもらえるように話を進めていきたいです。

もちろん、その人のベースにある実力や才能の厳しさは存在しますが、それを超えることができれば、ある程度は自分で選んだり、築いていくことができると考えています。これは大企業も重要視している側面ですが、中堅中小企業やベンチャー企業だからこそ成し得ることだと思います。チームの方針や顧客リストに沿って営業するのではなく、自らがどう営業したいか、どのテーマで活動したいかを考え、それに基づいて行動することを奨励していきたいです。これを当然のこととして、組織全体で推進していきたいと考えています。

最後に、この会社の魅力について教えてください。

まずひとつは、裁量の大きさです。早い段階でプロジェクトリーダーとなり、数名のチームを指導します。中堅中小やベンチャー企業の経営層との直接の対話が可能です。容易ではありませんが、実力と情熱があれば不可能ではありません。これは他のコンサルティングファームではなかなか得られない魅力のひとつだと思います。

もうひとつは、現場重視です。顧客の現場で何が起こっているのかを実際に見て理解し、価格設定の背後にある考え方を探ります。もちろん市場や競合、トレンドも重要ですが、最終的には顧客の購買行動や従業員の意識変革など、目に見える変化が成果につながります。私たちはこれらの要素に徹底的にアプローチし、実務に結びつけたいと考えています。コンサルタントには高飛車にならず、実際の変化や成果をもたらすことが求められます。その過程で、顧客や顧客企業のメンバー、サービス、製品と直接向き合い、状況に応じて柔軟に対応することができるでしょう。外資系ファームではなかなか経験できない、稀な特徴だといえるでしょう。

また、当社の使命に熱中する革新的なアプローチも魅力のひとつです。"青臭い"と言われることもありますが、私たちは使命を大切にし、人々が喜びを感じる瞬間を創り出すことを恥ずかしがりません。"善いことをして人々を幸せにする"という願いは、多くの人が抱く感情でしょう。しかし、環境や社会的な圧力から、その思いを隠すことがあるかもしれません。しかし、リブではそのような思いを受け入れ、共有することを奨励します。私たちはこのような環境で真剣に議論し、新しいアイデアを探求します。このアプローチは非常に心地よく、他社では得難いものです。

私たちのメンバーが世界中に広まり、熱意を持って仕事に取り組み、そのエネルギーを広げていければ素晴らしいと考えています。コンサルティング業界は流動的な分野であるため、退職率の高さもあるかもしれませんが、リブで学んだことや感じたことを他の場所でも活かすことができるでしょう。リブで長期間にわたって働くことができればベストですが、そうでなくてもリブでの経験が、他の場所で世界を変える力となるでしょう。私たちの使命を達成するために、リブのコンサルティング業務だけでなく、さまざまな方法で貢献できると信じています。

武山 慎吾

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