2023.02.14

ビッグデータの活用事例

インターネットやスマートフォンが普及し、Web上で情報を調べたり商品を購入したりすることが一般的となっています。Webでの行動が増えたことから、ユーザーの購買履歴やWeb上での行動履歴など顧客一人ひとりのさまざまなデータをリアルタイムに把握できます。

膨大なデータを分析することで、顧客のニーズを把握することで適切な商品を提案したり、商品開発やサービスの改善に活かしたりできます。企業にとってさまざまなビッグデータの活用方法があり、それぞれに目的があるのです。

ビッグデータが活用される目的

ビッグデータには次のようにさまざまな活用目的があります。

  1. コスト削減
  2. マーケティングへの活用

コスト削減

ビッグデータを活用することでコスト削減につなげられます。天候や顧客のニーズを把握することで無駄な仕入れをなくしたり、店舗が混雑する時間を把握してスタッフの配置を最適化するなどさまざまな方法が挙げられます。

これまですべて人がおこっていたことを、ビッグデータを活用して無駄な部分は省いて必要な部分に集中することで人件費をはじめとしたコスト削減につながるのです。

マーケティングへの活用

インターネットやスマートフォンの普及によって、顧客は必要な情報をいつでも入手できます。そのため、顧客一人ひとりのニーズを把握していないと売上につなげにくくなっています。ECサイトや販売サイトを導入する企業や店舗が多く、アクセス数やWebページにおける滞在時間、売上や会員獲得をはじめとしたコンバージョン数などさまざまなデータを集められます。

これらのデータを累積して分析することによって、顧客のニーズをリアルタイムで掴めるのです。データ数が多すぎて人の手では管理しきれない場合でもビッグデータを活用することによって、より正確な分析結果を得られます。

ビッグデータの活用業界

ビッグデータは次のようにさまざまな業界で活用されています。

  1. 医療情報システム
  2. 位置情報
  3. 農業

医療情報システム

医療機関ではさまざまな患者のデータを扱います。テキストや画像などの非構造化データが多いことから、ビッグデータを活用して根拠に基づいた診断ができます。例えば、ウェアラブルデバイスや電子カルテなどからデータを収集して、患者一人ひとりの健康状態を把握しやすくなります。

ビッグデータを活用することによって今後対策するべき処方などを推測して、大きな病気を未然に防ぐことも可能です。

位置情報

位置情報の機能があるアプリやWebサービスを活用することで、顧客一人ひとりの行動傾向を把握できます。どのような地域によく行くのか、どの施設に立ち寄るのかなどのデータを把握しサービスや商品の改善につなげられるのです。さらに、位置情報により道路の混雑状況の把握も可能です。

農業

これまで農業においては農業従事者の勘と経験で作業をすることが一般的でした。しかし、センサーを設定して雨の量や気温、日射量などのデータを分析することによって、適切な対応をできるようになります。さらに、毎年のデータから生産計画から農作物の収穫、出荷までのプロセスを可視化でき、今後の対策をしやすくなるのです。

ビッグデータの活用事例

ヤクルト

ヤクルトのオランダ法人ではさまざまな販売経路からデータを収集して分析することで、15%〜20%の売り上げ増加につなげました。消費者の行動履歴だけでなくGoogleの検索結果や広告へのアクセス、売れた時の気象データなどさまざまな分野のビッグデータを分析することで購買理由を把握できたのです。

例えば、夏のキャンペーンにおいて思うような結果が出なかった理由として、気温の高さと広告に原因があるのではないかと分析していました。しかし、さまざまな要素で分析したところ休暇で家にいなかった顧客が多かったことがわかったのです。

ヤクルトは多角的なビッグデータを分析することで、的確なマーケティングにつなげやすくできた例といえます。

楽天

楽天では、ECモールにおいて購入履歴やWeb上での行動履歴などを蓄積、さらに楽天系列のサービスを利用したデータを含めてIDに紐づけすることでビッグデータを得られるようになりました。ビッグデータを活用することで、顧客一人ひとりのニーズにあった広告配信をしているのです。

さらに、Rakuten AIrisを活用することによって、AIでの拡張ターゲティングが可能であり、購入したユーザーと似た特徴を持つユーザーに広告配信をします。

「Rakuten AIris」は、約9,700万の楽天IDとそれに基づく消費行動分析データなどのビッグデータをマーケティングソリューションに活用するため、楽天技術研究所(所在地:東京都世田谷区、代表:森 正弥、設立:2005年12月)をはじめ、楽天のデータサイエンス部、広告事業ディビジョンが共同で開発したAIエージェントです。
引用:楽天、ビッグデータを分析して消費行動を理解するAIエージェント「Rakuten AIris」を開発(楽天)

岡山大学

岡山大学では、ビッグデータとe-ラーニングの両方を活用した新しい技術により、子どもたちに対してやればできるようになることを実感できるグラフを一人ひとりに活用することで、継続的なフィードバックを可能としました。

フィードバックの情報を保護者と教師が活用することによって学習意欲が高まる結果となりました。岡山大学は長野県高森町と連携して学力や意欲の面で課題のある時にビッグデータを使った支援をしています。

岡山大学大学院教育学研究科の寺澤孝文教授は、年単位でなされる何十万という学習やテストの詳細なスケジュールを緩やかに制御し、高精度の膨大な学習データ(高精度教育ビッグデータ)を収集する技術を確立しました。
引用:教育ビッグデータを活用したeラーニングで、児童の意欲を劇的かつ確実に向上させられることを世界で初めて実証-意欲低位層を軒並み平均レベルに上げられる(岡山大学)

ホンダ

自動運転や交通状況を確認、故障の検知、保険料の確認など自動車業界ではさまざまな分野においてビッグデータを活用しています。ホンダでもさまざまなビッグデータを活用していますが、なかでも特徴的なのが東日本震災をもとにした通行実績情報マップです。

ホンダの通行実績情報マップは企業や警察のデータやHondaのカーナビであるインターナビ会員の車両から、地域住民による道路情報をリアルタイムでのデータなどを活用し走行支援を提供しています。さらに、通行実績情報を含めた地図をGoogleやYahoo!Japanと提携しGoogle自動車通行実績情報マップやYahoo!道路通行確認マップとして情報を提供しているのです。

東日本大震災の被災地域でのスムーズな移動を支援する目的で、震災翌日の3月12日よりHondaのカーナビ「インターナビ」会員の車両から収集した走行実績データを活用した通行実績情報を公開しました。
引用:東日本大震災でのインターナビによる取り組み通行実績情報マップが「2011年度グッドデザイン大賞」を受賞(ホンダ)

まとめ

ECサイトやWebの活用が増えたことから、ユーザーの行動履歴をより明確にリアルタイムに分析できるようになりました。行動履歴をはじめとしたビッグデータを累積、分析することで顧客ニーズの変化を把握しマーケティングに活用するケースが増えているのです。広告や医療情報システム、気象データなどビッグデータはさまざまな分野で活用されています。

それぞれ企業によってさまざまな活用方法や活用する目的があります。今後さまざまな業界において膨大なデータを得られるようになる可能性が高く、ビッグデータの活用が重要になることが見込まれるのです。

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