2023.06.06

ディープラーニングとは

ディープラーニング(深層学習)とは、AIにおける機械学習の1つです。データ処理において階層を増やすことで、複雑な判断ができるようになります。現代ではインターネットやIoTなどが普及したことにより、膨大なデータを扱うことが多くなりました。膨大なデータのなかから必要性の高いデータを収集することが求められます。そのため、膨大な量のデータを解析できるディープラーニングの需要が年々高まっているのです。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、深層学習ともよばれる人工知能における1つの分野です。機械学習の1種であり、入力層と出力層の間に層を増やすことによって複雑な情報に対応できる学習方法です。従来の機械学習と比べてデータ処理をする階層の多いことが特徴です。

ディープラーニングはニューラルネットワークとよばれる仕組みを使って学習を進めていきます。ニュートラルネットワークは、複数の層で構成されておりそれぞれの層において特徴量の抽出をおこなうことが一般的です。

始めの層で入力データを受け取った後、それぞれの入力に対して重みを加えて次の層に展開していきます。出力層で出力した予測結果と正解データの誤差を基準として重みを調整することで学習を進めていく仕組みです。

ディープラーニングの需要が高まった背景

ディープラーニングの需要が高まった理由として、コンピュータの処理能力が向上し大量のデータを処理できるようになったことが挙げられます。Web上やセンサーデータなどさまざまな場所においてビッグデータを収集できるようになりました。ビッグデータから必要なデータを集めるために、これまで以上に高度なデータ解析技術が求められるようになったのです。

さらに、音声認識や自動運転などAIを使った分野が増えていることもディープラーニングの需要が高まった要因の1つです。例えば、音声認識では前もって膨大な音声データを学習させることで、ディープラーニングの技術を活用して高い精度で音声を認識できるようになりました。

ディープラーニングでできること

ディープラーニングでは次のようなことができます。

  1. 自然言語処理
  2. 画像認識
  3. シミュレーション

自然言語処理

自然言語処理の能力を活用して日常で使われているような言語をディープラーニングに学ばせることによって、高度な処理をすることが可能です。パソコンで文字入力するときの文字変換やGoogleで検索するときの言葉を認識するなどが例として挙げられます。

さらに、会話から文字起こしをしたり、画像の文字を認識したりするなどさまざまな活用方法があります。自動で翻訳をする機能もディープラーニングを活用しているのです。

画像認識

ディープラーニングを使って、画像において高度な認識ができるようになります。ディープラーニングはデータを処理する階層が多いことで、より認識の精度を高められます。防犯カメラに映像認識機能を加えることで不審者を検知しやすくしたり、商品の検品がスムーズになったりなどさまざまな場面において活用されているのです。

シミュレーション

ディープラーニングを活用することで、株価予測や自動運転をはじめとした危険予測など、さまざまな分野においてより精度の高いシミュレーションができるようになりました。さまざまな分野において複数の要素から優先順位をつけることによって、込み入った予測ができるのです。

ディープラーニングが活用されている分野

ディープラーニングは次のような分野において活用されています。

  1. 製造業
  2. 金融業
  3. 医療

製造業

製造業において、生産プロセスの最適化や欠陥品の検出にディープラーニングが利用されています。自動車メーカーでは、ディープラーニングを使って部品の形状、重量などを分析することで最適な加工方法を自動t機に決定して製造ラインの生産効率を高めているのです。

製造業では、設備の故障や製品の品質管理、作業車両の接近アラートなどさまざまな場面においてディープラーニングを活用しています。さらに、産業用ロボットや無人運搬ロボットなど、今後さらにディープラーニングをはじめとしたAI技術の活用例が増えると予想されています。

参考:AIを活用した製造業DX!事例から見る導入効果とは?(IFS LABO)

金融業

金融業界でもさまざまな分野においてディープラーニングが活用されています。銀行では、ユーザーごとの返済履歴やクレジットスコアなどのデータを分析することによって、融資をできるかどうかの判断をしています。さらに、投資家が投資判断や市場の予測をするためにディープラーニングを使った自動取引システムを活用しているのです。

野村グループでは、機械学習型AIを活用することで、さまざまな分野において可能性があると考えています。例えば、顧客の理解や営業担当者の支援、顧客情報を取り扱う業務の効率化、金融市場における動きの予測などを挙げているのです。

AIの金融サービス業への適用事例としては「顧客をよく知ることや営業員の支援」「情報取扱系の業務やミドル・バック処理の効率化」「金融市場の動きの予測」といった分野が挙げられ、海外を中心として金融機関、IT企業やスタートアップ企業によるさまざまな取り組みが始まっている。
引用:人工知能とビッグデータの金融業への活用(野村グループ)

医療

医療分野においても、治療方針の決定や診断支援システムの開発などさまざまな分野において活用されています。例えば、がん細胞の自動検出タイプや医療画像を解析することで異常部位を検出できるタイプなどさまざまなシステムが挙げられます。

ディープラーニングを使って、レントゲンやMRIなど検査結果が表示されている画像データと患者一人ひとりの過去のデータを関連づけることで学習、また分析することが可能です。分析結果を基に医師が異常な点に対して重点的に診断することで、病変の早期発見につながります。

参考:深層学習の医療での活用事例とは?医療AIの導入メリットや課題も紹介!(aidiot)

ディープラーニングの注意点

ディープラーニング導入において次の注意点が挙げられます。

  1. 前例がないと分析不可能
  2. コスト面
  3. 破局的忘却

前例がないと分析不可能

ディープラーニングは、与えられた情報と前例がどれだけマッチするのかといった観点で分析をします。そのため、前例がなければディープラーニングでは分析できません。新しいサービスを生み出す機能はないため注意が必要です。ディープラーニングを実装するためには、膨大な量のデータを学習させるプロセスが必要不可欠です。

コスト面

分析の精度を上げるためには学習と分析結果の評価が求められます。人間が行う操作において発生するわずかなミスであっても、ディープラーニング全体に影響する可能性があります。そのため、わずかな精度の向上を目的としたメンテナンスにおいても、従来の学習方法と比べて何倍もコストがかかる可能性があるのです。

ディープラーニングを導入する前に、事業計画に許容できる範囲のコストを明確にしておくことが重要です。

破局的忘却

ディープラーニングの仕組みであるニューラルネットワークには、破局的忘却と呼ばれる新しいデータの学習を開始すると同時に過去に学習した内容をリセットしてしまう特徴があります。そのため一度覚えたことを忘れてしまう点に注意が必要です。

破局的忘却を防ぐためには、一度学習した内容をサイド学習させることや学習した内容における重要なパラメータを基準に新たな学習を実施するなどさまざまな対策が必要です。

ディープラーニングの活用事例

ディープラーニングは、工場における不良品検知やAIによる路面を修繕するべき場所の判別などさまざまな分野において活用されています。ほかにもさまざまな場面においてディープラーニングが利用されているケースがあるのです。

カゴメ

カゴメではAIを使った生鮮トマトの収量予測システムを開発しディープラーニングを活用することが可能です。膨大なデータよりパターンを学習することによって未来の予測をできます。近年の気候変動をはじめとしたさまざまな要因において、農作物の生産管理は容易ではないためAIを使って収量を予測するほか、食品ロス対策にも活用されているのです。

参考:AI を活用した生鮮トマトの収量予測システムを開発・導入(カゴメ)

千葉市

千葉市と東京大学生産技術研究所では、公用車に設置したスマートフォンで自動的に路面を撮影し、修繕すべき箇所をAIが判断する仕組みを実証実験しています。マイシティーレポートとよばれるシステムであり、北海道室蘭市や千葉県市原市、東京都足立区なども実験しています。

千葉市と東京大学生産技術研究所は、人工知能(AI)を活用した道路管理システムの実証実験を始めた。自治体の公用車に取りつけたスマートフォンで路面の状況を自動撮影し、修繕が必要かどうかをAIが判定する仕組み。実用化されれば業務効率の大幅向上が期待できそうだ。
引用:道路管理にAIを活用、千葉市と東京大学が実証実験(大学ジャーナルONLINE)

まとめ

ディープラーニングはビッグデータを解析することによって、予測や自動的な動作などができる人工知能における1つの分野です。ニューラルネットワークを使って学習をすることで、従来の機械学習よりも階層を増やし複雑な問題を解決しやすい点が特徴です。

近年では、製造業や金融業などをはじめさまざまな分野においてディープラーニングの需要度が高まっています。ビッグデータの解析や高速な計算能力をはじめとしたさまざまな要因から、ディープラーニングの需要が今後も高まっていくことが予想されます。

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