2022.09.22

新規顧客の獲得における事例

新規顧客の獲得は企業が事業を拡大するうえで必要不可欠な要素であり、獲得できなければリピーターにもつながらず、大きな利益が見込めません。多くの企業が抱える問題ですが、新規の顧客を獲得できない、もしくは方法が分からない場合は他社事例を参考にするのが効果的です。

似たような業種の企業であれば、顧客の獲得方法が似ているケースが多い傾向にあるため、今後における施策の参考になります。成功事例以外にもポイントを把握することで、より効果的なアプローチ施策を立案できます。

新規顧客の獲得における課題

新規顧客の獲得とは企業が消費者へアプローチし、新しい顧客とする活動を意味します。新規獲得は事業拡大に必要不可欠ですが、以下2つの課題があります。

  1. 営業活動できる範囲が限られている
  2. 人材が不足している

パンデミックは営業活動に大きな影響を与え、対面式の営業機会を減少させました。これまで対面式を軸に営業活動を進めてきた企業は新規顧客の獲得がうまくできず、最悪の場合倒産するといったケースも見受けられます。

また、もともと業務が多い営業活動では、新規獲得の取り組みまで手が回らず、既存顧客への対応だけで精一杯になっているのが現状です。労働人口の不足により新規顧客に向けた取り組みが進まない課題もあります。パンデミックや人材不足における課題の解決策としては、ITツールの活用で業務を効率化することが挙げられます。

新規顧客を獲得する方法

新規顧客を獲得する方法は2種類あり、以下のとおりです。

  1. プッシュ型
  2. ブル型

プッシュ型

プッシュ型はアウトバウンド型とも呼ばれ、企業が自らターゲットへアプローチする方法です。プッシュ型の具体的な方法として、テレアポや訪問営業、 DMなどが挙げられます。

プッシュ型の営業は自社商品の認知拡大にスピード感があり有効的です。顧客が求めているものと自社商品が合致すれば、すぐに販売を達成するケースもあり、新規顧客開拓に向いています。

しかし、近年はパンデミックの影響により、対面式での営業が困難となっています。また、予期せぬ突然の営業に顧客側から不快感や不信感を抱かれてしまうことも多いため、取り組み方には注意が必要です。

プル型

プル型はインバウンド型とも呼ばれ、情報発信によりターゲット側から購買行動を起こしてもらえるよう仕掛ける集客方法です。主な方法としてはWEB広告やコンテンツマーケティング、プレスリリースなどが挙げられます。

プッシュ型とは異なりパンデミックによる影響がほとんどなく、反対にデジタルの進化により品質の良い広告の作成が可能になるといった発展を続けています。しかし、新規顧客獲得までには時間を要するため長期的な取り組みが必要です。

新規顧客獲得の成功事例

新規顧客の獲得を目的とした施策は企業や業種によって異なります。しかし、似たような企業や業種であれば、顧客の獲得方法も似ているため多くの企業の参考となります。業種別の参考事例は以下の通りです。

ビジネスサポート

人材派遣事業を展開するビジネスサポートは、リスト作成業務のブラックボックス化と人手不足などの課題を抱えており、新規顧客の獲得に手が回らない状態でした。そこで営業のリスト作成とアポイント獲得の外注を決めます。その結果、テレアポの準備にかかる時間を大幅に短縮できるようになり、人手不足の解消につながりました。

HiLO

人材派遣事業を手がけるHiLOは、コロナ禍で飛び込み営業ができない、人手不足により新規顧客獲得のための時間が取れないといった課題を抱えていました。そこで営業リストの作成とテレアポ代行を外注したところ、飛び込み営業よりもアポ獲得数が増えたうえ、業務の時間短縮を実現できました。

THE BAKE MAGAGINE

お菓子の製造と販売を手がけ、海外にも複数の店舗を構えるTHE BAKE MAGAGINEは、企業ブランドの認識を拡大したいと課題を抱えていました。そこでWEBサイトを通してデザイン性が高く、見る人の興味や関心をそそるようなコンテンツを作成します。その結果、企業イメージや採用率が向上し、WEBサイトに固定のファンがつきました。

KENZO

人気のファッションブランドであり、洋服以外でもアクセサリーや香水など、幅広く事業を展開しているKENZOは、長期的に顧客へアプローチする方法と企業のブランディングの仕方に課題を抱えていました。そこでInstagramで継続的にファッションの投稿を行い、商品購入に導く導線を確保します。その結果、コンテンツを見て商品に興味を持ったユーザーがECサイトを訪問して商品を購入し、KENZOは新規顧客の獲得に成功しました。

東洋インキ

印刷やパッケージ関連のインキの製造と販売事業を展開する東洋インキは、オウンドメディアの制作に力を入れます。色の使い方や活用方法、役立つ情報をメディアに掲載したところ、多くのユーザーから関心を集めました。他社では製作できないコンテンツを公開することで差別化を図り、新規顧客の獲得に成功しています。

新規顧客を獲得する際のポイント

新規顧客を獲得するうえで大切なポイントは次のとおりです。

  1. ターゲットを明確化する
  2. 成功事例を参考にする
  3. 長期的に取り組む

ターゲットを明確化する

新規顧客の獲得を目指すのであれば、自社商品を必要とする人物像を想定し、明確にすることが大切です。ターゲットを明確にすると効果的なアプローチが可能となり、新規顧客の獲得率を高められます。ターゲットを明確にする際は営業リストと顧客データの分析、ペルソナを設定などの方法を取り入れるとより具体化できます。

成功事例を参考にする

一度成功をおさめている企業事例は、新規顧客を獲得するための参考となります。自社と似た業種の企業では、課題の内容も似ていることが多いため、獲得方法を真似してみるのも1つの施策です。ただし、似たような業種でもスケールが大きく異なれば、課題も解決策も変わるため同じような成果が出るとは限りません。

また、自社における過去のデータを振り返り、分析してみるのも効果的です。自社の既存顧客はもともとは新規顧客として獲得しているため、成功事例として参考になります。

長期的に取り組む

新規顧客獲得に向けた施策はすぐに成果が現れるとは限らず、長期的な取り組みが必要です。特に知名度の拡大やブランドの確立には人の目に何度も届ける必要があるため時間を必要とします。

なお、長期的に取り組みを進めるなかでは目標設定が大切です。単に検証と改善を繰り返すだけでなく、1つひとつの取り組みに指標を設定すると、ブレなく達成までのプロセスが明確になる。その結果、効率的に検証と改善を繰り返せるようになり、より早い段階で成果が出せます。

まとめ

新規顧客の獲得とは企業が消費者へアプローチを仕掛け、新たな顧客とする営業活動を意味します。新規の獲得はむずかしいうえ、多くの労力や時間が必要です。特にWEB施策では多くの時間を必要とするため、長期の取り組みを前提に業務を遂行する傾向があります。

しかし、事業をおこなうにあたって新規顧客の獲得は重要であり、リピーターの確保にもつながります。成功事例やポイントを参考に取り組みを進めれば、数多くの顧客を獲得可能です。

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