2022.10.17

カスタマーエクスペリエンスの事例

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience、CX)とは、ユーザーが商品やサービスを認知してから、アフターサービスまで購入するためのすべての流れにおける顧客体験のことです。商品やサービスに対して満足度が高くても、購入方法が面倒であったりアフターフォローが充実していなかったりする場合はリピーターにはなりません。そこで、多くの企業において顧客ロイヤリティを重要視するケースが増えています。

カスタマーエクスペリエンスの向上はリピーターの獲得や顧客ロリヤリティの向上など企業にとってメリットが大きく、最優先で取り組むべき戦略の1つです。

カスタマーエクスペリエンスの特徴

カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience、CX)とは、ユーザーが必要なものを探す段階から、商品を購入して購入後のアフターサービスを受けるまでの顧客体験のことです。カスタマーエクスペリエンスが向上すると、次のような特徴が挙げられます。

  1. リピーターが増える
  2. ブランディングにつながる

リピーターが増える

商品を購入するプロセスすべてに対して満足をしたユーザーは、友人や家族、SNSを通して商品を紹介する可能性が高くなります。紹介してもらったユーザーは商品や企業の良さを把握して購入するため、さらにリピーターの増加が期待できるのです。そのため、企業にとってリピーターを増やすことは新規顧客と同様に重要です。

ブランディングにつながる

商品を購入したユーザーが商品以外のサービスに満足すると、ブランドや商品のファンになることがあります。ブランドイメージがよくなれば、その企業が提供しているほかの商品も購入してくれる可能性が増えます。つまり、同じような性能を持つ商品を銅価格で出している場合ブランドだけで競合他社に対して差別化が可能です。

カスタマーエクスペリエンス導入のメリット

カスタマー・エクスペリエンス導入には次のようなメリットが挙げられます。

  1. 顧客ロイヤリティの向上
  2. 市場価値の向上
  3. SNSでの拡散

顧客ロイヤリティの向上

顧客ロイヤリティとは、ユーザーが企業や商品、ブランドなどを信頼することです。そのため、企業が展開しているほかの商品も購入する可能性が高まります。顧客ロイヤリティはサービスや商品がいいだけでは高まるわけではなく、購入に関するすべての要素を含んでいるカスタマーエクスペリエンスを高めることが顧客ロイヤリティの向上につながります。

市場価値の向上

カスタマーエクスペリエンスが向上することにより、サービスや商品の市場価値が高まる可能性があります。サービスや商品が同じような内容、価格であればユーザーはアフターサービスや商品購入のしやすさを比較することが一般的です。そのため、カスタマーエクスペリエンスが高ければ他社と差別化ができ市場価値の向上が期待できます。

SNSでの拡散

ユーザーが購入をする段階からアフターフォローまで満足すれば、SNSで拡散をする可能性が高くなります。近年ではインフルエンサーとなっている人も多く、サービスや商品の需要が一気に高まります。スマートフォンやSNSの普及により、商品を購入するまでにSNSで口コミを調べている人も多くSNSでサービスや商品の良い情報が拡散されると、大きな影響が期待できるのです。

カスタマーエクスペリエンスの事例

カスタマーエクスペリエンスには次のような事例が挙げられます。

  1. スターバックスコーヒー
  2. Netflix
  3. 東京ガス
  4. ソニー損保
  5. デルタ航空

スターバックスコーヒー

スターバックスコーヒーでは、質の高いコーヒーだけでなく居心地の良い空間を提供しています。さらに、スタッフの接客や2杯目のコーヒーをスターバックスカードで支払うことで110円(店内価格)で購入可能になるワンモアコーヒーなどさまざまなサービスを提供中です。

Netflix

Netflixは1997年に創業した当時はビデオレンタルでした。ユーザーが来店する手間を減らすためにWEB上でレンタルできるサービスを開始し、顧客体験の質を上げることに成功しました。さらに、サブスクリプションやレコメンド機能などの機能をふやしていき、現在のビデオオンデマンドの形状へと変化したのです。ほかにもデバイスをまたいだ視聴やオリジナルコンテンツなどの導入など、ユーザーの使いやすさや負担の軽減を追及した機能を増やしています。

東京ガス

東京ガスではエネルギーの小売り自由化をきっかけとして、ユーザーとの接点をより密にするため一般家庭向けのWEBサイトを刷新しました。ユーザーごとのコンテンツやキャンペーンを実施したところ、大幅に会員数を増やすことに成功したのです。

東京ガスでは、エネルギーの小売自由化を機に、顧客に選ばれ続ける会社を目指し、Webサイトを活用した顧客エンゲージメント強化に乗り出した。顧客とのより緊密なデジタル接点を築くため、一般家庭向けポータルサイト「myTOKYOGAS」を刷新し、会員属性に応じたコンテンツの出し分けやキャンペーンを実施。その結果、会員数が”6~7倍”に増加するなど、顧客エンゲージメントの向上に目覚ましい効果をあげた。
引用:Web会員数が6倍に増加! 東京ガスが顧客獲得の裏側を明かす – CX向上セミナー開催!(TECH+)

ソニー損保

自動車保険や火災保険など幅広く扱っている損害保険業者であるソニー損保では、ユーザーからの意見やクレームを自社のWEBサイトで公開しています。企業にとってデメリットな内容も多いのですが、問題解決の進捗状況をアピールすることによりユーザーの信頼を高めているのが特徴です。

「○○してほしい!」「○○サービスはできないの?」
そんなお客様のご意見・ご要望に対して、改善への取組みから結果に至るまで継続してご報告・ご紹介します!
引用:コエキク改善レポート(ソニー損保)

デルタ航空

デルタ航空は顧客中心主義を掲げており、ユーザーの心に残るようなサービスを提供し続けています。例えば、エコノミークラスでもウエルカムドリンクやビストロスタイルの機内食など業界初のサービスを継続しています。適切な期間で効果測定をすることによりPDCAを繰り返し、カスタマーエクスペリエンス向上の施策をした約1年後には売り上げに反映するような仕組みを作りあげたのです。

参考:【レポート】デルタ航空に学ぶ、顧客の心に残る「顧客体験」と「ブランド」を作る戦略 ~MEDALLIA Experience 17(total engagement group)

まとめ

カスタマーエクスペリエンスとは、商品やサービスを見つけてから商品を使い始めるまでといったすべての段階においての顧客体験のことです。商品やサービスに対して満足していても、購入方法やアフターフォローに満足できずリピーターにならないことが多いため、顧客満足度よりも顧客ロイヤリティを重要視するケースが増えています。

商品やサービスの質や値段以外にも商品の探しやすさや購入のしやすさ、アフターフォローなどが良ければユーザーは継続して利用したいと考える可能性が高くなります。このことにより、潜在顧客の獲得をできる可能性が上がるため利益の向上につながるのです。

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