2022.03.11

新規事業が失敗する理由と解決策

新規事業を起こす場合、どうしても失敗に対する不安がつきものです。しかし前もって対策をすることによって、失敗する可能性を減らすことができます。新規事業に失敗する理由はある程度共通しており、対策を立てることができます。

新規事業が失敗する理由

新規事業に失敗する理由として、以下のような点があげられます。失敗する多くの理由は十分な準備をしていないことが多い傾向にあります。

  • 準備が不十分
  • 資金不足
  • 人材不足
  • 参入タイミング

準備が不十分

新規事業をする上で、市場の状況や競合他社に対して自社の持っている強みを把握するためにさまざまな分析が必要です。また自社の製品やサービスがニーズに合っているのかを確認するためにアンケートやインタビューをするなどリサーチをすることも重要です。

新規事業を失敗する多くの企業は、これらの事前準備が十分にないまま事業を起こして失敗しているケースが多くみられます。新規事業をする前に何度もシミュレーションをすることが求められます。

資金不足

新規事業において安定した利益を出すまでにはある一定の期間が必要です。そのため最初のうちは資金が必要になるのですが、新規事業の途中で資金が足りなくなってしまい撤退する場合も少なくありません。

新規事業で失敗する企業の中には、せっかく成功し始めているのに資金不足で断念せざるを得ない場合もあります。新規事業で成功するためには、他の事業での利益を回したり資金調達をしたりするなどして十分な資金を確保する必要があります。

また国や地方自治体にて、新規事業に関連するさまざまな助成金を提供しています。助成金は返済する必要がないため、条件に合う助成金があるかどうか確認するべきです。助成金によっては、高額な補助をしてくれる場合もあり資金不足の対策となります。

人材不足

新規事業に必要なのは予算だけではなく、特に専門分野に詳しい人材が必要になります。資金不足とも関連するのですが、十分な人材が揃っていない状態で新規事業を始めて失敗することは少なくありません。

参入タイミング

十分に成功が見込める事業であっても、参入タイミングを間違えると失敗する可能性が高くなります。それぞれの事業において今後ニーズが見込まれることを判断するのも大切ですが、既存事業の業績が伸びている時が新規事業に参入する上でのベストタイミングです。

しかし新規事業の準備をしているうちに、事業展開するタイミングが遅れてしまい競合に先を越されることがあります。新規事業をするにおいて十分な準備をすることは大切ですが、あまり時間をかけすぎるのもタイミングを逃すことになってしまいます。

そのため事業計画をするにあたって明確な期限を設定しておくことが重要です。

新規事業で失敗しないために

新規事業を立ち上げるにあたり、心配しないようにするためには以下のような工夫をする必要があります。

  • 外注を利用する
  • 既存の事業である程度余裕がある
  • 新規事業の明確な目的
  • 市場が伸びる事業の選択

外注を依頼する

新規事業をすべて自社で賄うには、経験や時間、また専門的な知識のある人材が必要になります。そこでマーケティングデータの収集や調査などに専門的なスキルを持っている外注に依頼する方法があります。

自社で賄うよりもはるかにノウハウを持っており、新規事業を手助けする経験もあります。また新規事業をするために必要な業務を任せることによってコア業務をおろそかにすることはありません。

少子化や高齢化が進む日本において、すべて自社で賄うのではなく必要な人材やスキルを必要なタイミングで外部から発注することにより人材不足対策やコストの削減にもつながります。

既存の事業である程度余裕がある

どれだけ将来性のある新規事業であっても、すぐに売上が見込めるわけではありません。

また新規事業を立ち上げるためには人件費などのコストも必要になります。そのため既存の事業において少なくとも3年間は売上成長を見込めるタイミングで、新規事業を始めるようにしてください。

新規事業の明確な目的

ただ新規事業を始めるのではなく、新規事業を導入する明確な目的を経営トップから従業員まで理解している必要があります。目的が不明確な状態であれば経営方針が安定せず、新規事業に関連している従業員のモチベーションを保つのが容易ではありません。

また新規事業において初年度から売上を伸ばすのは難しいため、中期事業計画が必要になります。先に中期事業計画を決めておいて、達成するために必要な短期事業計画を設定することが求められます。

市場が伸びる事業

今後10年間伸びていくような市場を選ぶ必要があります。そのために十分なリサーチを必要とし、もし社内に専門家がいない場合はマーケットリサーチを専門とする業者に外注を依頼する方法もあります。

新規事業に関連する助成金の活用

IT導入補助金や創業助成金など新規事業に関連するさまざまな助成金を利用することができます。このため新規事業に必要な資金の一部が補助されるため、資金面での負担が少なくなります。

また助成金はそれぞれの条件を満たしていれば、返済する必要がありません。また助成金を利用するたびに受給実績になることから、銀行などの融資を受ける場合でも審査に有利になります。

新規事業において資金面で失敗することが多いだけに、助成金をうまく活用することは重要です。

IT導入補助金

会計システムやテレワークの導入などをする際に、IT関連のソフトやツールに対しての補助金です。ECサイトを使った販売などITを利用したビジネスが広がっており、幅広い分野がIT導入補助金の対象となります。

補助対象者

中小企業・小規模事業者など
※飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業なども対象

補助対象経費

ソフトウエア費、導入関連費など

補助金の上限額・下限額・補助率

補助金の上限額
A類型 30~150万円未満
B類型 150~450万円未満
補助率 1/2以内

参考:IT導入補助金2021

創業助成金

東京都内において創業して5年未満の中小企業者を対象にしているのが創業助成金です。助成金の対象は従業員人件費や賃貸料、広告費など創業して5年以内に必要な経費の一部が助成されます。

助成対象期間 交付決定日から6か月以上2年以下
助成限度額 上限額300万円 下限額100万円
助成率 助成対象と認められる経費の2/3以内
助成対象経費 賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

参考:創業助成金(東京都中小企業振興公社)

まとめ

新規事業を失敗する多くの例として、準備不足や人材不足、リサーチ不足、そして資金不足などがあげられます。これらを十分に準備することによって、新規事業を成功へとつなげることができます。しかしあまり時間をかけすぎるとタイミングを逃してしまうので、実際に新規事業を展開するまでの期間を設定することが重要です。

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