2023.06.13

ローコード開発とは

ローコード開発とは、アプリケーションを素早く開発するための手法であり、できるだけソースコードを書かずにおこなうプログラミング方法です。GUIをはじめとして視覚的な操作によって、画面や機能の部品を組み合わせて開発工程を自動化したり省略したりします。ローコードを活用することで、従来のシステム開発に比べて短い時間で高品質かつ安定したシステムを開発することが可能です。

DXやデジタル化の導入が推進されているなど、近年ではさまざまな開発においてスピードや品質が求められていながらIT人材が不足している点が現状です。そこで、プログラミングスキルが十分でなくても開発を進められるローコードの需要が高まっています。

ローコード開発とは

ローコード開発とは、プログラミングにおいてコードを書く量を極力減らすことで簡単かつ迅速にアプリケーションを開発する手法です。ローコード開発の主な特徴は、ノンプログラマーにも親和性が高く、ビジネスの意思決定に役立つデータ分析を容易に実行できることです。

現在は、業界を問わずにDX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)の実施が推奨されています。今後のビジネス環境が予測できないため、どの業界でも迅速かつ柔軟に対応できる必要があります。このような流れは、アプリケーション開発手法にも適用されており、開発スピード、品質、安定性などすべての面で変革が必要です。そんななか、注目されているのがローコード開発です。

ローコード開発の目的

ローコード開発の目的は、企業や個人が手軽にアプリケーションを開発することで、ビジネスの現場で発生する課題を迅速に解決することです。従来の開発手法では、プログラミングスキルを持たない人はアプリケーション開発がむずかしく、十分なスキルを持つIT部門の担当者が繰り返し作業をおこなければならず、開発プロセスが遅延することがありました。ローコード開発を使用することで、プログラミングスキルがなくてもアプリケーション開発を手軽におこなうことができるようになり、担当者の負担軽減をできるようになったのです。

DXの推進に必要な技術

DX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)に取り組むうえで、既存のシステムをローコード開発ツールで再構築することには多くのメリットがあります。レガシーシステムの刷新によりビジネスモデルを迅速かつ柔軟に変更でき、市場の変化に素早く対応することが可能です。ローコード開発ツールは新しい技術に対応しており、DXを推進するうえで大いに役立ちます。このほかにも、システムの保守・管理が容易になるほかコスト削減につながるため予算や財源を確保しやすくなることから、サービスの向上や新規事業の展開が可能になります。

ローコード開発は、古いシステムではむずかしかったことや不可能だったことを実現できるため、DX推進とともに言及されるようになっているのです。さらに、ローコード開発を導入することで2025年の崖を回避することにもつながります。

ローコード開発の特徴

ローコードはソースコードの記述を最小限にした開発手法です。めまぐるしく変化するビジネスニーズに対応するために迅速かつ柔軟に開発できる仕組みが必要であることから、ローコード開発の需要が高まっています。

ローコード開発には次のような特徴が挙げられます。

  1. 簡単な操作
  2. ビジネスに役立つデータ分析
  3. ノーコードとの違い

簡単な操作

ローコード開発は複雑なコーディングが不要になることをはじめ簡単な操作で、アプリケーションを開発できます。GUI(Graphical User Interface、グラフィカルユーザーインタフェース)をはじめとした簡単なプラットフォームを活用することで視覚的に操作できることが一般的です。プログラミングスキルを持たない人でも、簡単かつ迅速にアプリケーションを開発できます。

ビジネスに役立つデータ分析

ローコードの開発環境には、ビジネスに役立つデータ分析機能が備わっています。例えば、データの収集や可視化、分析などプログラミングスキルを持たない人でも簡単に実行することが可能です。これにより、ビジネスの意思決定に必要なデータを簡単かつ迅速に分析できるようになります。

ノーコードとの違い

ノーコード開発とローコード開発は、ITに詳しくない人でも必要なプログラムを自分で組むことができる開発手法ですが、違いはコーディング作業量にあります。ノーコードはコードを書く必要がないため、専門知識がなくても直感的にシステム開発が可能です。一方、ローコード開発は少し専門知識が必要ですが、ソースコードを書き足すことで開発の自由度が高くなる点が特徴です。

ローコード開発のメリット

ローコード開発により次のようなメリットが挙げられます。

  1. 高いスキルが不要
  2. コスト削減
  3. 機能拡張がスムーズ
  4. 品質向上

高いスキルが不要

従来のアプリケーション開発には、プログラミング言語やコーディング技術が必要でしたが、ローコードを使用することで、高いスキルがなくてもアプリケーションの開発が可能になります。開発者はビジネスルールを定義するために必要な要素を選択し、ワークフローやUIを設計できるようになるのです。このことから、開発者は簡単なマウスクリックやドラッグ&ドロップ操作を使ってアプリケーションの開発がスムーズになります。

コスト削減

ローコード開発は、従来のアプリケーション開発に比べてコストがかかりません。プログラマーの雇用や研修コスト、ハードウェアやソフトウェアの購入などの必要性が低くなり、開発者はビジネスルールを定義するためのプラットフォームを使用できます。これにより、開発費用を大幅に削減することにつながるのです。

機能拡張がスムーズ

ローコードの開発環境では、アプリケーションの機能拡張がスムーズにおこなえます。ビジネスの要件が変更された場合、開発者は簡単にアプリケーションを変更できます。さらに、ローコードプラットフォームには、そのまま利用できるビジネスルールや機能が組み込まれている場合があるのです。これにより、開発者は自分で新しい機能を開発する必要がなく、アプリケーションの開発にかかる時間とコストを大幅に削減できます。

品質向上

ローコード開発では、従来のプログラミングに比べて作業量が少なくなるため、ミスが減り、バグ修正にかかる時間やコストが削減できると期待されます。また、ローコード開発は、エンジニアが主体となる従来の開発手法とは異なり、ユーザーが主体となって開発を進めることが可能です。そのため、業務要件とのズレが少なく、ユーザーにとって使いやすい高品質なアプリケーションの開発につながります。

ローコード開発における注意点

ローコード開発において、次の点で注意が必要です。

  1. コードへの知識が必要
  2. ツールの理解が必要

コードへの知識が必要

ローコード開発は、ノーコードのようにコードを書かずに開発することはできませんがプログラミングの知識が不足している人でもカスタマイズできる点が魅力です。しかし、システム設計や工数計算などのスキルが必要であり、開発には十分な知識を持ったIT人材が求められます。開発の過程で設計ミスやスケジュールのズレなどが生じる可能性があるため、ローコード開発に慣れたエンジニアが求められます。

自社内でローコード開発をおこなう場合は、必要なスキルを持ったエンジニアを採用するか、社内のエンジニアを研修することが必要です。ローコード開発を利用することで、開発プロセスの効率化や柔軟なカスタマイズが可能になる一方、適切なスキルや知識を持つ人材が必要になります。

ツールの理解が必要

ローコード開発は、技術的な壁が低く短時間で開発スキルを身につけられます。しかし、ローコード開発には開発ツールかテンプレートが必要であり、システムを構築するためにツールを使いこなすことが求められるのです。

まとめ

ローコード開発とは、最小限のソースコードを使ってシステムやソフトウェアの開発をおこなう技術です。専用のツールを使ったり簡単に操作できるシステムを使ったりすることによって、従来のシステムと比較して短時間で高品質な開発を進められます。IT人材が不足し続けている点やDXやデジタル化が推進される現在において、ローコードの需要は今後さらに高まっていくと予想されています。

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