2023.05.31

シナジーとは

シナジーとは、単純に合併や提携をするだけでは得られない相乗効果のことを指します。シナジーを実現するためには、適切な手法を用いて企業間の相性を見極め相乗効果を生み出すことが必要です。シナジーにより、取引拡大やノウハウの共有、コスト削減などさまざまなメリットがあります。シナジーにつなげるためには、M&Aや多角化戦略、業務提携などが挙げられます。

シナジーとは

シナジーとは、単一の要素よりも、複数の要素が組み合わさることでより大きな成果を生み出すことです。単独では得られない成果を、複数の要素が組み合わさることで実現できます。これは、単一の要素が持つ能力を補完し相乗効果を生み出すことで実現されます。シナジーは単なる加算ではなく相乗作用を生み出すため、より大きな成果を生み出すことができるという特徴があります。

シナジーの目的は、個別の要素だけでは達成できない目標を実現することです。シナジーは、企業や組織、チームなどさまざまな場面で活用されており、それぞれの要素が持つ能力を最大限に引き出すことができます。したがって、シナジーを生み出すためには、異なる要素をうまく組み合わせることが重要であり、それによってより大きな成果を生み出すことが可能です。

アナジー効果

シナジーとまったく反対の意味でアナジーといった言葉があり、マイナスのシナジーを意味します。つまり、シナジーを狙って相乗効果を求めたといった行動が思ったとおりにいかずかえって生産性が落ちることをはじめとして逆効果になる可能性があるのです。

シナジーの種類

シナジーには次のような種類が挙げられます。

  1. 組織シナジー
  2. 財務シナジー
  3. 事業シナジー

組織シナジー

組織シナジーとは、企業内での部門間協力や従業員間のコラボレーションがもたらす効果です。例えば、開発部門と販売部門が密接に協力することで、新商品の開発や販売促進活動の効果を高めることができます。また、異なる業務を担当する従業員がそれぞれの専門知識を共有することで、業務の効率化や品質向上が期待できます。

財務シナジー

財務シナジーとは、企業合併や買収などの際に、複数の企業が合併することで得られる財務的な効果です。例えば、買収企業の技術やブランド力を取り入れることで、買収企業の業績向上やシェア拡大が期待できます。また、企業合併によって生産量の増加やコスト削減が可能となるため、業績向上につながるとされています。

事業シナジー

事業シナジーとは、異なる事業を持つ企業間の協力や連携がもたらす効果です。例えば、食品メーカーと流通企業が協力することで新商品の開発や販売網の拡大が期待できます。また、IT企業と自動車メーカーが協力することで、新しい車載システムの開発や自動運転技術の研究開発が可能となります。

シナジーで得られること

複数の要素が協力することで単一の要素よりも大きな成果を生み出すシナジーは、企業経営において重要な概念です。シナジーを最大限に活用することで、取引拡大、ノウハウの共有、コストの削減などさまざまなメリットを得ることができます。

取引拡大

複数の企業が協力することで、新しい市場に参入したり、既存の市場でのシェアを拡大することができます。また、協力企業のお客様に対して、自社の製品やサービスをアピールすることで、新規顧客の獲得に繋がることもあります。さらに、協力企業同士が互いのビジネスモデルを理解することで、新しいビジネスチャンスを見つけることも可能です。

ノウハウの共有

複数の企業が協力することで、それぞれが持つノウハウを共有することができます。これによって、新しい技術や製品の開発が可能となります。また、業界全体の発展にも繋がります。企業が共有したノウハウを利用することで業界全体の技術水準が向上し、顧客にとってより良い製品やサービスが提供されることになるのです。

コストの削減

2つの企業が合併することで、業務の統合や規模のメリットを活かすことが可能です。これによって、人件費や広告宣伝費などのコストを削減することができます。また、生産ラインや物流などの統合によって、製造コストの削減も期待できます。これらの取り組みによって、企業の収益性の向上が期待できるのです。

シナジーにつなげる手法

シナジーにつなげるために次のような手法が挙げられます。

  1. M&A
  2. 多角化戦略
  3. 業務提携

M&A

M&A(Mergers and Acquisitions、企業の合併や買収)をおこなうことで、それぞれの企業が持つ資源や技術、ノウハウを統合し、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。M&Aによって得られるシナジーは、買収対象企業の技術や製品を自社製品に組み込むことで、市場シェアの拡大や製品の高付加価値化を図ることが可能です。また、M&Aによって企業間の規模の経済効果を得ることができるため、コストの削減やリスクの分散にもつながります。

多角化戦略

多角化戦略とは、ある1つの業種に限定されず異なる業種に進出することでリスクを分散し、新たなビジネスチャンスを生み出す戦略のことを指します。多角化戦略を採用することで、企業の事業ポートフォリオが多様化されるため、ある業種での不況によるリスクを軽減することが可能です。また、異なる業種で培ったノウハウや技術を応用することで、新たな商品やサービスの開発につながることも期待できます。このように多角化戦略を展開することで、企業の成長につながる相乗効果を生み出すことができます。

業務提携

業務提携は、異なる企業が業務上の協力関係を築くことで、相互に利益を得る手法です。業務提携によって、企業のビジネスチャンスを拡大することができます。例えば、化粧品メーカー同士が製品開発や販売などの業務を協力することで、互いの得意分野を活かしより効率的に製品を開発・販売することが可能です。

シナジーにつなげるためのコツ

シナジーにつなげるためのコツとして、次の点が挙げられます。

  1. PMI
  2. 事業計画の早期作成

PMI

PMI(Post Merger Integration)とは、M&Aや業務提携などのあとに実施する経営統合作業のことです。M&Aや業務提携の主な目的はシナジー効果の発揮であることから、重要な手続きの1つです。シナジー効果が発揮されているかどうか、検証や定量的な測定をおこないます。

事業計画の早期作成

シナジーを生み出すためには、事業計画を早期に立案し、関係者がそれに向けて行動することが重要です。早期に事業計画を立案することで関係者が目標に向かって一体となりより効果的に協力できます。具体的には、企業の強みや競合環境を分析し戦略的な方針を打ち出すことが必要です。

まとめ

シナジーは、複数の要素が組み合わることで、単一の要素では得られない大きな成果を生み出すことができる概念です。シナジーの目的は、個別の要素だけでは達成できない目標を実現することにあります。シナジーは、企業や組織、チームなど、様々な場面で活用されており、それぞれの要素が持つ能力を最大限に引き出すことができます。したがって、シナジーを生み出すためには、異なる要素をうまく組み合わせることが重要であり、それによってより大きな成果を生み出すことが可能です。

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