2022.09.07

デジタルマーケティングにおいてフレームワーク活用

マーケティングにおけるフレームワークといえば、SWOT分析や3C分析など分析プロセスや確立されているマーケティング手法のことをいいます。マーケティングにおいて成果が実証されている分析手法やマーケティング戦略を活用することによって、効率よく戦略構築や分析ができるようになります。

デジタルマーケティングにおいても同じ原理であり、施策の成果やユーザー行動などがリアルタイムにわかるデジタルマーケティングにおいてよりフレームワークを活用するべきケースがあります。

フレームワークとは

フレームワーク(Framework)とは直訳すると骨組みや枠組みといった意味となり、IT業界においてはシステムやアプリケーションを開発するうえでの基礎となるソフトウエアのことをいいます。

デジタルマーケティングにおけるフレームワーク

デジタルマーケティングを進めるうえでさまざまな視点から思考する必要があり、複数のチャネルがあることからどのように戦略を立てるべきか、分析をするべきなのかわからない場合があるはずです。そこで、フレームワークを使って戦略の構築や分析を始めていくのが一般的です。

そこでそれぞれの企業にあわせたフレームワークを選択したり、既存のフレームワークをカスタマイズしたりするなどの工夫をすることができるようになります。

デジタルマーケティングのフレームワークの種類

デジタルマーケティングにおいてさまざまなフレームが使われていますが、主なものは次の3種類です。

  1. 3C分析
  2. 4P分析
  3. カスタマージャーニー分析

3C分析

デジタルマーケティングを進めるうえで、競合他社や市場規模などを把握する必要があります。そこで次の観点から分析をする3C分析が効果的です。

  • Customer(市場環境)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

市場環境

近年のマーケティングにおいて、ユーザーのニーズが重要であることから市場やユーザーを分析する必要があります。現在の市場規模のほかに今後市場の成長性を分析することによって、売り上げが見込めるのかを判断します。

実際に市場環境の分析をするためには、マクロ分析やミクロ分析を活用します。

マクロ分析は巨視的観点での分析方法であるのに対して、フレームワークとして活用されることが多いのはPEST分析です。PEST分析は次の4つの項目においての頭文字からとっています。

  1. Politics(政治):税制、法改正、政治動向など
  2. Economy(経済):景気の動向、経済成長率、金利の動きなど
  3. Society(社会):トレンド、ユーザー志向の変化、多様化など
  4. Technology(技術):技術の進歩、インフラ、特許など

ミクロ分析は新規参入企業をはじめとした特定の業界が脅威になっている場合に役立てることができます。

競合

売上数や市場シェアのほかに、社員数など競合企業の状況や強み、弱みを分析していきます。競合企業の売上や市場のシェアといった明確な数値で現れる成果のほかに、顧客単価や従業員一人ひとりの売り上げといった成果につながるような内容も確認するべきです。競合他社が取り入れてるビジネス戦略が成功であると捉えるならば、自社のマーケティングにも取り入れるべきケースがあります。

自社

最後に自社における売上高や市場シェア、商品、技術力、販路など様々な項目において自社の強みや弱みを明確にすることが重要です。自社の分析をする場合SWOT分析を活用することが一般的です。

4P分析

4P分析とは商品やサービスに関連する次の項目の頭文字をとった手法です。

  1. Product
  2. Price
  3. Place
  4. Promotion

Product

まず重要になるのが商品やサービスですが、ユーザー視点から考える必要があるためユーザーにとって利便性や価値があるかどうかの分析をする必要があります。さらに。商品やサービスに対する自社の強みを明確にすることが重要です。

Price

ユーザーにとって利便性や価値が高い商品であっても、価格が適切でなければなかなか購入しない傾向にあります。もし、他社の商品が利便性や価値の面で多少劣っていてもコストパフォーマンスが良い商品であれば競合他社の商品を選ぶ可能性は十分にあります。ただ安ければいいわけではなく商品と価格のバランスをとることが重要です。

Place

Placeはマーケティングにおいてはチャネルのことをいい、流通経路に対する分析となります。販売経路においては販売量やエリア、販売能力、流通コストなどさまざまな面において考慮すべき点があります。

Promotion

デジタルマーケティングにおいては顧客に商品やサービスを紹介する方法として、WEBページやSNSなどさまざまなプロモーションの方法があります。従来のマーケティングと比べてユーザーとのコミュニケーションを取りやすいのが大きな特徴であり、リアルタイムなユーザーのニーズを掴みやすくなります。

さらに、商品やサービスを満足してくれるユーザーが増えることによってSNSでの拡散を期待できます。

カスタマージャーニー分析

カスタマー分析とは、ユーザーが商品やサービスを見つけてから購入をするまでの行動やそれぞれの行動に対する要因、思考などを時系列で可視化していくことをいいます。ユーザーのニーズを掴むためには、行動内容を把握することが重要ですが、行動内容に至った理由や思考を把握することも重要です。それぞれのプロセスにおいて課題がある場合は、その都度修正を重ねることを求められます。

デジタルマーケティングにおける実践的なフレームワーク

マーケティング戦略を進めるうえで立案や実行した後に戦略の見直しが重要になります。この流れを進めるためにPDCAサイクルを使った改善方法が一般的なのですが、デジタルが発達した現在において新しくPDRサイクルの需要が高まっています。

PDRサイクルとは

PDRサイクルは、ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授が発表したフレームワークで、次の流れとなります。

  1. 準備(Prep)
  2. 実行(Do)
  3. 評価(Review)

まず施策を実行する前に実行する目的を明確にするなどの準備をすることが必要です。実行したあとは評価や見直しが必要であり、効果的な施策だったのかや課題はなかったのかを確認し修正点を改善したうえでまた準備にとりかかります。

PDRサイクルの特徴

PDCAサイクルと比較すると項目が3つになっており、短いスパンで回すことができます。トレンドやユーザーのニーズは短期間で変化することが日常的であり、短いスパンで回せるPDRサイクルの需要が高まっています。デジタルマーケティングはWEBサイトのアクセス数やコンバージョン率などをリアルタイムに確認できるため、より短い時間でサイクルを回し改善を継続していくことが重要です。

まとめ

デジタルマーケティングはさまざまなチャネルがあり、ユーザーに対するアプローチの仕方も従来のマーケティング方法と比べて豊富にあります。さらに、WEBページのアクセス数やWEBページからの購入、問い合わせの数などリアルタイムにデータを取得することが可能です。しかし、データをとるだけでは意味がなく活用をする必要があります。

そこで、フレームワークを活用することによって、効率的にマーケティング戦略を進めていくことができます。マーケティングに関するフレームワークはさまざまな種類があり、自社に合ったフレームワークを導入することが重要になります。

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