2022.08.18

デジタルマーケティングの戦略

デジタルマーケティングはWeb上においてのマーケティングのことを指すのが一般的でしたが、近年SNSにおいてのマーケティングの需要が高まっています。ユーザーにあった媒体で発信しやすく、購入歴や問い合わせ、そのほかユーザーの情報などデータを蓄積しやすいメリットがあります。

デジタルマーケティングにはさまざまな手法がありますが、効果的な手法を選んで効果測定を続けなければ結果が伴いません。そのため、デジタルマーケティングの戦略が重要です。

デジタルマーケティング戦略

デジタルマーケティングが重要な時代であるとはいえ、公式サイトの内容を充実させたりSNSやダイレクトメールなどで、さまざまな情報を発信するだけでは成果を得やすい状況とは限りません。デジタルマーケティングにおいて成果を出すためには、デジタルマーケティング戦略が必須です。

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは、これまでの店舗での売り上げやマスメディアを使った広告だけでなく、Web広告やSNSなどを使ったあらゆるデータを生かして販売戦略をたてたり、サービスの見直しをしたりしていくことをいいます。

デジタルマーケティングと似た言葉に、WEBマーケティングがあります。WebマーケティングはWebサイトを使ったマーケティング手法であり、デジタルマーケティングの一部です。デジタルマーケティングはWebだけでなく、SNSやアプリ、メール、IoTなどデジタル技術を使っておこなうマーケティング全般のことをいいます。

デジタルマーケティングのメリット

デジタルマーケティングには次のようなメリットがあります。

  1. データを蓄積しやすい
  2. ユーザーごとのニーズにあった情報を提供しやすい
  3. 効果測定をしやすい

データを蓄積しやすい

これまではユーザーのニーズを掴むためには、アンケートや営業担当者がおこなうヒアリングなどが主流でしたが、多様なデータを蓄積するのは容易ではありませんでした。例えば営業担当者がヒアリングした内容であれば、書面に起こしたりパソコンに入力してさらにそれらを管理することが必要です。

しかし、デジタルマーケティングにおいてはWebを訪問したり、メールで問い合わせをしたりなど多様なデータを簡単に習得でき管理しやすくなりました。より多くのデータを蓄積することによって、ユーザーの購買行動をさらに深く掘り下げることにより効率的なマーケティングをすることができます。

ユーザーごとのニーズにあった情報を提供しやすい

ユーザーごとの行動履歴を蓄積することにより、それぞれにユーザーに対してニーズにあった情報を提供できます。インターネットやスマートフォンの普及が広まった現在において、ユーザーはさまざまな情報を調べることが可能です。そのため、ユーザーごとに的確な情報を提供することが求められます。

効果測定をしやすい

メディア広告であれば広告の効果を確認できるまで時間がかかることが一般的です。さらに、あまり時間をかけすぎるとどの媒体の効果であるのかを明確にするのがむずかしくなります。この点デジタルマーケティングは、短期間で明確な数字がでるので効果測定をしやすいメリットがあります。

デジタルマーケティング戦略の重要性

スマートフォンの保有率がここ10年で急激に伸びており、2011年に30%未満だったのが2020年には86.8%と大多数の人が持つようになりました。さらに、タブレットの保有率も上がっており、モバイル端末全体で考えると2011年から90%を超えています。

令和2年通信利用動向調査の結果(総務省)画像出典:令和2年通信利用動向調査の結果(総務省)

さらに、物流系分野のBtoC-ECの市場規模も年々拡大しています。これらのことからWebサイトやSNSを通して情報を集めたり、商品を購入したりしているユーザーの行動を把握する必要があります。

物販系分野のBtoC EC市場規模およびEC化率の経年推移画像出典:令和2年度産業経済研究委託事業(経済産業省)

デジタルマーケティング戦略を成功させるためのポイント

デジタルマーケティング戦略を成功させるためには次のようなポイントがあります。

  1. 顧客の行動を把握する
  2. 自社の強みを理解している
  3. ビッグデータの活用

顧客の行動を把握すること

ユーザーの購入歴やWebサイト上での行動、問い合わせ状況など行動を把握することが重要です。ユーザーのニーズを理解することによって、ターゲットを絞りやすくなります。

自社の強みを理解している

ユーザーのニーズに対して、また競合他社に対してどのような商品やサービスを提供できるのかを明確にすることが大切です。自社の強みを理解するためには一般的にSWOT分析が使われます。

ビッグデータの活用

マーケティングは収集したデータを分析して市場戦略を立案していきます。ビックデータを活用することによって高い精度で顧客行動を予測するため、戦略立案を効率的に進めることができます。人の手ではなかなかできないような膨大なデータの分析を、デジタルマーケティングを活用することによってより効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

デジタルマーケティングのゴールを明確化する

デジタルマーケティングを導入するうえで、明確なゴールがなければ施策の選定ができなくなります。ゴールは具体的な設定が必要で、デジタルマーケティングの役割の定義とその成果を図るための指標を設定することが大切です。さらに、指標だけでなく数値目標を設定することによりゴールに対しての進捗状況を確認できます。

デジタルマーケティング戦略における課題とは

デジタルマーケティング戦略には次のような課題があります。

  1. KPIのずれ
  2. ツール導入がゴールになってしまっている
  3. 他部署との連携不足

KPIのずれ

デジタルマーケティングのKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定するうえで、企業のなかで意見がわかれることがあります。例えば、マーケティング担当者はWebサイトからの問い合わせ件数を重視していて営業担当者は売り上げ額を重視している場合だと、評価をするのがむずかしくなります。デジタルマーケティングを成功させるためには、社内で目標とする数値が一致していて、その効果に対する評価の仕方を明確にしておく必要があります。

ツール導入がゴールになってしまっている

デジタルマーケティングを進めるうえで、MA(Marketing Automation、マーケティングオートメーション)やSFA(Sales Force Automation、営業支援ツール)を導入することが一般的となっています。しかし、このようなツールを導入することがデジタルマーケティングのゴールになっていて、肝心の戦略が立てられていないことがあります。本来戦略や計画があって、ツールはゴールを達成させるための手法にすぎません。

他部署との連携不足

デジタルマーケティングを成功させるためには、新規リードを獲得し育成させるのがマーケティング部です. 最終的なクロージングは営業担当がすることが一般的です。このため、デジタルマーケティングを成功させるためには営業部との連携が重要になります。

まとめ

スマートフォンやインターネットが普及した現在において、ユーザーはWebサイトやSNSなどさまざまな方法で情報を収集したり商品を購入します。このため、ユーザーの行動内容を分析することによりニーズをつかみ、行動予測をすることが求められます。

これまで人間では扱えなかったようなビッグデータでもデジタル技術を活用することで、より具体的な行動予測ができるようになります。しかし、そのためには企業全体として同じ目標をもって常に情報を共有しながらデジタルマーケティングを進めることが重要です。

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