2022.07.12

セールスとマーケティングの違い

セールスとマーケティングの違いは方向性や目的、アプローチ方法や実施タイミングに見られます。セールスは基本的に商品やサービスを顧客に購入してもらうことを目的とし、どうすれば販売できるか考えることが必要です。一方で、マーケティングの目的はセールスを不要にして、勝手に商品が購入されるような仕組みを作ることです。

また、マーケティングは商品やサービスが誕生する前から活動していきます。顧客とコミュニケーションをとったり、データを分析したり、価格を設定したりします。一方、セールスはサービスや商品のリリース後でないと売るものがないため、活動することができません。

マーケティングとセールスには違いがあり、2つを連携しておこなうことで相乗効果が生まれます。しかし、考え方のベースや役割が異なるため連携がむずかしいといわれています。連携を取るためにはペルソナとCJMの共有、KPIとゴールの共有が必要です。

セールスとマーケティングの役割

セールスの役割は売り上げを作ることです。新規顧客を開拓したり、既存の顧客にフォローをおこなったりすることで商品やサービスを購入してもらうように働きかけます。

一方で、マーケティングの役割は売れる仕組みを作ることです。データ分析をおこない、見込み客を選定し、どうやって商品やサービスを売るかを考えていきます。

セールスとは

セールスとは商品やサービスを販売して顧客に購入してもらい、売り上げを上げることを指します。一言で説明をすると、セールスとは売ることです。営業担当者が営業活動をおこなったり、店頭で接客し販売したりすることがセールス活動にあたります。

マーケティングとは

マーケティングとは商品やサービスを売るために作戦を立てることを指します。簡単に説明すると売れる仕組みづくりのことです。どんな方をターゲットにするのかやどこで商売を展開していくのか、どうやって売り込んでいくのかや価格はどうやって決めるかなどさまざまなことを考える必要があります。

しかし、マーケティングには数多くの定義が存在しているのも事実です。マーケティングという言葉を現場で使用する場合はサービスや商品を売るための仕組みをつくることを表すことが多いですが、教科書的には商品やサービスを売る活動全体を表します。したがって、セールスや企業経営全般もマーケティングと捉えられ、現場で用いる時よりも広い意味になります。

マーケティングの最終目標は、セールス部門が動かなくとも自然に商品やサービスが売れる仕組みを構築することとも考えられています。

セールスとマーケティングの違い

セールスとマーケティングは、以下の4点で異なります。

  1. 方向性
  2. アプローチ
  3. 目的
  4. 実施タイミング

方向性の違い

セールスとマーケティングは向かう方向性や考え方が180度異なります。セールスは商品やサービスを売るためにどうすればよいかを思考していきます。しかし、マーケティングの目指す方向性は販売を不要にすることです。つまり、セールス活動をおこなわなくとも商品やサービスが勝手に売れる環境をつくることを目指しているのです。

アプローチの違い

マーケティングとセールスは顧客に対してのアプローチ方法に違いが見られます。マーケティングは、顧客のニーズを満たすためにどう活動していくか考える必要があります。

一方で、セールスは商品やサービスを顧客にどう購入してもらえるかを考えます。あらかじめ販促する商品やサービスが決まっているため、顧客本位を基本にして活動しにくくなっています。

目的の違い

セールスとマーケティングはおこなう目的も異なります。セールスをおこなうことの目的は、商品やサービスを販売して売上を上げることです。売上を上げるために、新規顧客を開拓したり、既存顧客へのフォローをおこなったりします。

一方、マーケティングの目的は、自社商品やサービスの売上を上げることではなく、顧客とコンタクトを取ることです。顧客とコンタクトを取ることにより将来利用してもらう可能性が高まれば、マーケティングは成功したといえます。

実施タイミングの違い

マーケティングとセールスは活動するタイミングも異なるのです。セールスは商品やサービスが誕生してからおこないます。一方でマーケティングは顧客とのコンタクトを取ることが目的のため、サービスや商品が生まれていなくても取り組むことができます。

セールスとマーケティングの連携がむずかしい理由

セールスとマーケティングの連携がむずかしい理由は次の2点です。

  • 考え方のベースが異なるため
  • 役割が異なるため

考え方のベースが異なるため

セールス活動とマーケティング活動は考え方のベースが異なるため、連携を取ることがむずかしいといわれています。

セールス活動は商品やサービスを売り込み、売り上げを上げることを目的としています。したがって、セールス部門がマーケティング部門を見ると、売上を上げないから意味がないと見られてしまうことがあります。

一方、マーケティングは顧客本位で活動していきます。顧客を分析して見込み客を拾い、プロダクトローンチで顧客の購買意欲を高め、セールス部門へ顧客リストを渡します。したがって、セールスより長い期間を設けて活動していくため、クロージングしかできないと見られてしまうことがあるのです。

役割が異なるため

セールスとマーケティングは役割が異なるため、連携がむずかしいといわれています。セールスの役割は顧客とのコミュニケーションをとり、売り上げを上げることが仕事です。

一方、マーケティングの役割はデータ分析や見込み客の選定、戦略の策定です。役割や求められる能力も変わるため連携がむずかしくなっています。

セールスとマーケティングが連携するには

セールスとマーケティングが連携するには、以下の2点が重要になります。

  • ペルソナとCJMの共有
  • KPIとゴールの統一

ペルソナとCJMの共有

ペルソナとCJMを共有することで、連携度を上げることができます。ペルソナとは商品やサービスのユーザー像のことです。CJMとは、カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)のことで、顧客がサービスや商品を購入するまでの道筋を指します。

これらを共有しておくと、顧客の引き継ぎがスムーズにいったり、顧客情報をより明確に伝えることができます。

KPIとゴールの統一

両分野が連携をするためには、KPIとゴールを統一する必要があります。KPIとは重要業績評価指数と日本語で表せられ、パフォーマンスを測るための指標です。セールス部門は受注数や受注額で評価され、一方、マーケターは見込み客の数を表すリード数や質で評価されます。

評価方法が異なると仲違いが起きる可能性も高くなるため、KPIとゴールを統一して、同じ目標に向かっていける体制をつくると良いです。

まとめ

セールスとマーケティングは、方向性や目的、アプローチ方法や実施タイミングに違いが見られます。セールスは顧客に商品やサービスを購入してもらうために活動し、マーケティングはセールス活動をおこなわずとも自動で商品やサービスが売れる仕組みを作っていきます。

また、マーケティングは顧客のニーズを満たすために活動していきますが、セールスは売る商品やサービスが決まっているため、顧客本位の活動がしにくい傾向があります。

両者の考え方のベースや役割が異なるため連携がむずかしいといわれていますが、2つを連携させることで相乗効果を生み出すことができます。そのためにはペルソナとCJMの共有、KPIとゴールの統一が必要です。

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