2022.09.07

デジタルマーケティング成功に重要な組織

デジタルマーケティングとは、デジタルの技術を活用することによって商品やサービスのプロモーションをおこなうことをいいます。スマートフォンやインターネットの普及により、ユーザーは必要な情報をいつでも仕入れられる環境にあり、さらにECサイトをはじめとしたデジタル技術を使って購入する機会が増えました。そのため、デジタルマーケティングの重要度は年々増しています。

そこで、企業ではデジタルマーケティングに対応できるような組織が求められます。デジタルマーケティングにはさまざまなプロセスがあり、複数の部門が対応することからスムーズに連携ができるような組織作りが重要です。

デジタルマーケティング成功においての組織とは

デジタルマーケティングを成功させるためには部門ごとではなく全体的に最適化させることが必要です。役割が異なる部門をスムーズに運用するためにも組織づくりが求められます。

組織が必要な理由とは

デジタルマーケティングを進めるためには、さまざまなプロセスがあります。例えば、購入してくれたユーザーにサンキューメールや割引クーポン、関連商品の提案をおこなったり、ユーザーの行動を分析したり、ロイヤルカスタマー化を目指してさまざまな施策を準備したりするなどプロセスは複数あり、またそれぞれのプロセスにおいて担当する部門が異なります。

商品やサービスの内容だけではなく、対応がスムーズであるかどうかもユーザーの満足度向上に大きく影響します。そこで、複数の部署を連携するための組織づくりがデジタルマーケティングを成功させるためには重要です。

組織作りを成功させるためには

デジタルマーケティングを成功させるためには、経営陣が導入をする理由や意図を理解していることが重要です。単にデジタルマーケティングの良さを説明するのではなく、範囲を狭めてデジタルマーケティングを実施することによって、その成果を経営陣に提示することによって理解してもらいやすくなります。

経営陣がデジタルマーケティングの導入を理解することによって、企業の全部門においてデジタルマーケティング成功への組織づくりをスムーズにしやすくなります。デジタルマーケティングを成功させるための組織づくりをするためには、企業全体がデジタルマーケティングに対して理解をしていることが重要です。

組織づくりにおける課題

現在デジタルマーケティングを導入している企業では、専門の部門を設置している場合と既存のマーケティング担当者がおこなっている場合があります。まず、既存のマーケティング担当者がデジタルマーケティングの担当をおこなっている場合ですが、デジタルにおいての専門的な知識が不足しているといった課題があります。

専門の部署を立ち上げている場合でも、役割や業務の分類が適切にできていない状態のままだと企業全体で見るとマーケティング活動が分断されてしまう可能性があります。さらに、専門的な部署があったとしても十分なデジタル領域を担う人材を揃えるのは容易ではありません。

組織づくりで必要な部門

デジタルマーケティングにおける組織づくりには次の部門が必要になります。

  1. マーケティング
  2. テクノロジー
  3. ストラテジー
  4. 全体統括

マーケティング

デジタルマーケティングにおいては、従来のマーケティングと比べてリアルタイムで成果を表すデータを得ることができます。WEBページのアクセス数やコンバージョン率、SNSの拡散率、メルマガの開封率などさまざまなデータを分析することによって、施策を立案したりWEBサイトの改善をしたりするなどの業務があります。

テクノロジー

企業のIT化の進化にあわせ、システム部門は基盤システムの構築や企業全体における業務の効率化を進めてきました。これらに加えてマーケティングにおいても、システム部門が大きく関係するようになりました。

自社のWEBサイトやシステムなどは安定してユーザーが使えてはじめて成り立ちます。そのため、基盤システムの構築から安定したネットワークの提供、またユーザーの個人情報を扱うことからセキュリティ対策まで重要な業務内容を担っている傾向にあります。さらに、従業員に対してシステムの使い方を教えたり、複数のシステムを連携させたりとするべきことは少なくありません。

しかし、技術面で理解している担当者だからこそ提案できることもあります。例えば、MA(Marketing Automation、マーケティングオートメーション)やCRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)、SFA(Sales Force Automation、営業支援システム)の活用などシステム担当者が提案することは少なくありません。

ストラテジー

デジタルマーケティングを進めるにあたって事業戦略やマーケティング戦略を立案する必要があります。さらに、デジタルマーケティングを導入した後定量的にKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を確認することが重要な任務となります。

全体統括

最後にデジタルマーケティングを導入や分析、テクノロジーの面などすべての部門においてプロジェクト全体の整合性を担保する部門が必要です。全体の統括をするプロジェクトマネージャーは、それぞれの部署で提案された案を把握し、ファシリテーションに対応できるだけの知識や調整力が求められます。

部署ごとにおいて認識にずれがないかを確認し、あった場合は調整をする能力が求められます。複数の部署が同時に運用を進めるため、それぞれの部門においての進捗管理力も必要です。

デジタルマーケティングにおいての組織改革の事例

デジタルマーケティング推進室

パナソニックには家電やデバイス、住宅など7社の社内カンパニーがあり、それぞれが独立して事業を進めてきました。しかし、これらの7つのカンパニーのデジタルにおけるノウハウやツールをシェアすることで、幅広い知見を得られるような取り組みをしました。製品や顧客の接点を重要視していたパナソニックが、家電やデバイス、住宅などデジタルマーケティング機能を共有するために、デジタルマーケティング推進室を設置しました。

参考:大企業を動かす「データ文化」– パナソニックが現場から推進するデジタルマーケティング事例(WACUL)

組織改革の鍵は人

デジタル化を進める経営者は変化しなくてはいけないと危機感を抱いており、行動をおこしているケースが多い傾向にあります。さらに、ユーザーファーストの姿勢があります。これはインターネットやスマートフォンの普及により企業や商品の評判を確認できることが要因の1つです。つまり変化するユーザーに対応しようとする動きがデジタル化であり、それらに対応した組織再編をする企業は少なくありません。

参考:マーケティングは“経営ごと”へ【後編】デジタルに対応する組織改革の鍵は“人”(日立)

まとめ

インターネットやスマートフォンなどが普及し、ECサイトやSNSを使って購入をするユーザーが増えています。さらに、ユーザーはいつでも必要な情報を調べられることからユーザーごとのニーズを掴む必要があります。そこで、ユーザーの行動をプロセスごとに分析をして商品開発やマーケティングに活かしていくことが求められます。

デジタルマーケティングを成功させるためには、効果的に運用ができるような組織が必要です。企業によって統括や戦略、ITなどの部署を設置しそれぞれが同時に運用をしています。そのため複数の部門がスムーズに運用できるような組織づくりが重要です。

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