2022.09.07

中小企業におけるデジタルマーケティング

中小企業はデジタルマーケティングの専門知識を持った人材の採用や教育がむずかしく、人材不足になっているケースが少なくありません。さらに、デジタルマーケティング導入のための予算をなかなかとれない課題もあります。

しかし、中小企業こそデジタルマーケティングに取り組むべきです。広告を使ったり、さまざまな宣伝を担当者がおこなったりするよりも手間や人件費を抑えることができます。さらに、WEBサイトは導入したあと、毎月のランニングコストは数千円~数万円に抑えられるのが一般的です。ほかにもYouTubeやSNSなど無料で導入できるデジタルマーケティングもあります。

中小企業におけるデジタルマーケティングの課題

中小企業におけるデジタルマーケティングには次のような課題が挙げられます。

  1. 人材不足
  2. 予算不足
  3. デジタルマーケティングに対しての理解不足

人材不足

大手企業であればデジタルマーケティング専門の部署や担当者を設置できるのですが、中小企業ではほかの業務の担当者が平行してデジタルマーケティングを進めるケースが少なくありません。そのため、担当者の負担が大きくなってしまい、なおかつ知識やスキルが足りないこともあります。

予算不足

予算面に関しても中小企業にとって十分にとることがむずかしく、予算不足となっている場合が少なくありません。デジタルマーケティングは短期間で売り上げにつながることはなく、売り上げに直結する予算を優先する傾向にある中小企業にとっては大きな課題となっています。

デジタルマーケティングに対しての理解不足

デジタルマーケティングの導入を始めている場合でも、十分な知識がないことからなかなか結果につながらないケースがあります。大きな理由として、デジタルマーケティングの専門知識を持っている人材が社内にいないことが挙げられます。マーケティング部署を設置できず、なおかつ専門の知識を持った人材を雇うことも予算面でむずかしい状況になっていることが少なくありません。

中小企業が取り組むべきデジタルマーケティング戦略

中小企業が取り組むべきデジタルマーケティングには次のような戦略が挙げられます。

  • 自社サイトの制作
  • リスティング広告
  • SNSの活用
  • コンテンツマーケティング
  • 動画マーケティング

自社サイトの制作

デジタルマーケティングにおいてまず挙げられるのが自社サイトの活用です。特に、WEBサイトを通して商品や事例などを紹介したい場合は自社サイトの需要性が高くなります。例えば、工務店であればユーザーはこれまでの施工事例を確認してから問い合わせをします。もし、WEBサイトがなくて施工事例を確認できないようであれば問い合わせが来る機会は少なくなります。

このように、ユーザーが求めている内容をスムーズに提供できるようなWEBサイトがあれば、成約につながる可能性が高くなります。インターネットやスマートフォンが普及している現代において、WEBサイトがないだけでユーザーの評価が落ちることも少なくありません。

WEBサイトを運用することで商品やサービスの紹介以外に、SNSと連動させることによってリアルタイムな情報をユーザーに提供できます。さらに、パートナー企業の募集をはじめほかにも活用方法があります。

リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンにおいてユーザーが検索したページに表示されるWEB広告です。リスティング広告は自社のWEBページの内容が重要で、さらに競合他社の動きやサービス内容によっては有効な施策となります。このため、リスティング広告で効果を上げるには十分な戦略が必要になります。

SNSの活用

中小企業が取り入れやすいデジタルマーケティングの1つがSNSの活用です。初期費用がほとんどかからず、ユーザーに対して商品やサービスの紹介ができます。さらに、ユーザーとコミュニケーションをとることにより、リアルタイムのニーズをつかめます。

SNSの活用で重要なのは一貫性のあるメッセージです。SNSは手軽にどのような内容でも投稿できるので、内容がバラバラになってしまいがちです。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーに有益な情報を記事や動画、プレスリリースなどを通して提供することをいいます。コンテンツマーケティングは商品を紹介したり売ったりすることよりも、ユーザーにとって有益な情報を提供することが重要です。コンテンツマーケティングで重要なのはユーザーファーストであることです。ユーザーが求めているものを的確に把握し、そのニーズに応えるようなコンテンツを提供する必要があります。

しかし、コンテンツをユーザーに提供することが最終目的ではなく、コンバージョン率や読了率などの分析が求められます。

動画マーケティング

言葉だけではユーザーに商品やサービスの良さを紹介しきれない場合があります。そこで、動画で実際に商品を使っている様子を提供することで商品の良さが伝わりやすくなります。YouTubeや自社サイト、そのほかSNSにも動画を載せることができます。

凝った編集をするにはスキルが必要になりますが、インタビューや実際に使っている様子を撮影するのであれば手間やスキルはそれほど必要ではなく中小企業にもおすすめできるデジタルマーケティングの手法です。

中小企業におけるデジタルマーケティングの事例

中小企業におけるデジタルマーケティングには次のような事例があります。

キャラクターのファンクラブを設置

赤城乳業はガリガリ君のキャラクターのファンクラブを作り、アンケートをもとに新しい商品を開発しました。ユーザーは一緒に新商品の案を出すことができ、その結果2007年には売上本数2億本を超えています。さらに、これまでにないようなフレーバーを発売し普段はガリガリ君を食べない層にも大ヒットしています。
参考:中小企業のマーケティング戦略を事例とともに解説(全研本社)

コンテンツマーケティングを活用して売り上げアップ

外壁塗装をしているオリエンタルホームサービスでは、効果的なブログの書き方をスタッフ全員に研修し、文章チェックを外部委託したところWEBページのアクセスが増え売り上げも大幅にアップしました。
参考:中小企業のコンテンツマーケティングの成功事例|小さな会社でも再現可能(バリューエージェント)

主観的なコミュニケーション導入

インテリア雑貨を販売する北欧、暮らしの道具店では、店長のおすすめなど主観的な内容をメルマガや記事等に多く配信しました。暮らしに役立つ情報を多く組み込んだことで、多くのユーザーに商品だけでなく店としての魅力を伝えることに成功しました。
参考:マーケティングの成功事例4選をご紹介【中小企業から大手企業まで】(SHOPDX)

まとめ

デジタルマーケティングは人件費をはじめとしたコストの削減ができる点から、中小企業に向いているマーケティング手法です。これまで人がおこなっているマーケティング活動を、デジタルに置き換えたり併用したりすることでコストの削減や効率化につながります。

WEBサイト制作をはじめデジタルマーケティングの導入には初期費用はかかりますが、広告を利用する場合でも費用はかかります。さらに、毎月数千円〜数万円程度の費用で継続して活用でき、SNSやYouTubeのように無料で進められるサービスもあります。インターネットやスマートフォンが普及している現在において、デジタルマーケティングを活用したほうがユーザーの目にとまりやすくなるメリットもあります。

一覧に戻る

関連コラム