- マーケティング
デジタルマーケティングの市場規模
インターネットやスマートフォンが普及し、ユーザーの購買方法がデジタル化にシフトしています。そのため、デジタルマーケティングの市場は微増ではありながら右肩上がりとなっています。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、対人での接客をオンラインに移行したり、ECサイトと実店舗を連動させる動きがあったりするなどデジタルマーケティングの需要が高まっています。それに伴いMAをはじめとした、デジタルマーケティング関連サービスの市場規模が増えています。今後もデジタルマーケティングの市場規模は増加していくことが見込まれます。
国内デジタルマーケティングの市場規模
デジタルマーケティング市場は大きな規模であるため注目を集めていますが、新型コロナウイルス感染症拡大によりデジタル化を進めた企業もあり、今後もさらに拡大していくことが見込まれます。
2020年の市場規模
2020年の国内デジタルマーケティング市場は4,035億円で前年比2.6%増です。ITサービスとビジネスサービスいずれも微増であり、年々同じ傾向が続いています。
2025年の市場規模予想
ビジネスサービス、ITサービスともに急激ではないながらも右肩あがりに伸びていき2025年の国内デジタルマーケティングの市場規模は、ITサービス市場は2,296億円、ビジネスサービス市場においては3,806億円になると、IT専門調査会社であるIDCJapanでは予想しています。
産業分野別の支出額
2020年の市場規模を産業別にみていくと、金融が最大で1,000億円を超えており次に製造、流通となります。金融においては、顧客接点を改革しユーザーと接触しないチャネルの活用が導入されています。
流通では実際の店舗とECサイトを連携させている動きがあり、キャッシュレス決済やユーザーごとのデータを統合するなどさまざまな動きがあります。製造はMAとSFA(Sales Force Automation、セールス・フォース・オートメーション)を連動させ業務効率化を進める傾向があります。
MAの市場規模とは
MAとはマーケティングに必要な業務を仕組み化したり、自動化したりするツールです。デジタルマーケティングの市場規模が増加しているのに比例して、MAの市場規模も年々増えています。
MAとは
デジタルマーケティングに関連しているサービスであるMAとは、デジタルマーケティングに関連したサービスであり、デジタルマーケティングを業務効率化させるためにWEBサイトのアクセス分析、見込み客に対してのメール配信リストの作成や送信、リードの作成などこれまでマーケティング担当者がおこなっていたことを自動化するためのツールです。
国内のMA市場規模とは
国内のMA市場規模は2021年には600億円になると見込まれていました。(前年より約60億円拡大)新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オンラインビジネスやECサービスが増加したことから、デジタルマーケティングの市場規模が増加しマーケティング業務を効率化できるMA市場規模も増加が続いています。
MAが今後も市場拡大すると予測される理由
MAツールの市場規模が拡大している要因の1つが、インターネットやスマートフォンが普及したことによりユーザーがECサイトをはじめオンラインで購買しているケースが増えたことが挙げられます。ユーザーはインターネットで必要な情報を仕入れることができるため、実店舗で販売を開始した時にはすでに情報調べて意思決定をしていることも少なくありません。このように、デジタル技術を使ったユーザーの行動を把握するためにはMAツールを活用するケースが一般的です。
ユーザーがそれぞれ必要な情報を仕入れられる環境にあるため、ユーザーごとのニーズをつかむ必要があります。パーソナライズされた情報を提供するために、MAを使って見込み客の分析や情報を提供するためのメール配信ができます。このように、購買行動がデジタル化することによってMAの重要度は高まるばかりです。
デジタルマーケティングが成長を続ける理由とは
デジタルマーケティングが成長を続ける理由には次の点が挙げられます。
- スマートフォンの普及
- BtoCにおけるECサイト利用者の増加
- SNSの利用者増加
スマートフォンの普及
スマートフォンの普及が急激に広まっています。2011年にスマートフォンの普及率は約30%だったのが、2020年には86.8%となっています。タブレットの普及率も高まっており、誰もが必要な情報をいつでも調べられる環境にあります。
画像出典:令和2年通信利用動向調査の結果(総務省)
BtoCにおけるECサイト利用者の増加
2013年には物流系分野BtoC市場規模が5兆9,931億円だったのが、2020年には12兆2,333億円と7年間で倍以上に増えています。EC化率においても、2013年に3.85%だったのが、2020年には8.08%と倍以上の結果となっておりいずれも今後伸びていくと予想されています。
SNSの利用者増加
日本のSNS利用者は年々増加しており、2017年に7,216万人だったのが2021年には8,149万人、さらに2024年には8,388万人まで拡大すると見込まれています。さらに、ネット利用人口に対してのSNS利用率は、2017年は72.1%だったのが2021年には80.9%となり、2024年には83.2%まで伸びると予測されています。
画像出典:2022年度SNS利用動向に関する調査(ICT総研)
2022年4月の段階で、SNSユーザーのうち79.5%がLINEを使っており、動画配信プラットフォームであるYouTubeが62.0%、TwitterやInstagramも半数を超えておりさまざまな種類のSNSを利用していることがわかります。
画像出典:2022年度SNS利用動向に関する調査(ICT総研)
同じく2022年4月におこなわれたアンケートにより、SNSを利用している時間は「前年度に比べて増えた」、「どちらかといえば増えた」と答えている人が40%前後となっており、「減った」もしくは「どちらかといえば減った」と答えている人は10%未満であることがほとんどです。
画像出典:2022年度SNS利用動向に関する調査(ICT総研)
つまり、SNSでユーザーに有益な情報を提供することによって、見てもらえる確率が高くなっていることがわかります。
まとめ
インターネットやスマートフォンなどの普及率が上がっていることにより、これまで以上にデジタルマーケティングの需要度が上がっています。そのため、国内のデジタルマーケティングの市場規模は右肩上がりです。
ユーザーの購買行動がデジタルシフトし続けることにより、今後もデジタルマーケティングの市場規模が小さくなる可能性は極めて低く、デジタルマーケティングの市場規模が高まるにつれ、MAをはじめとしたデジタルマーケティングの関連サービスも比例して市場規模が高まっていきます。