2022.06.10

提案営業の型を構築「お客様の課題に寄り添った提案の道筋ができた」―― SORABITO株式会社様

SORABITO株式会社

2014年創業。「建設のあらゆる『現場』をスマートに。」をビジョンとし、建設・建機レンタル業界における事業拡大と業務最適化に貢献するサービス開発に取り組むスタートアップ。建機レンタルなど建設現場に必要な資機材の調達業務をオンライン化するクラウドシステム「i-Rental(アイレンタル)」などを展開している。

代表取締役会長 青木 隆幸 様
愛知県にて代々続く建設会社の長男として生まれ、幼少の頃より建機が身近にある環境で育つ。2011年の東日本大震災をきっかけに起業を決意し、建機流通事業を展開後、2014年に「世界中の明日をつくる」をミッションとしたSORABITO株式会社を創業。国内最大級のスタートアップピッチコンテストIVS Fall 2016優勝。

EXECUTIVE SUMMARY

  1. SORABITO株式会社は、建機レンタル全体の業務フローに沿ったサービス開発に取り組み、建設現場のスマート化を目指す企業。建機レンタルの営業支援DXを実現するクラウドサービス「i-Rental(アイレンタル) 注文アプリ」を2021年にローンチしたが、営業手法の確立を模索していた。
  2. リブ・コンサルティングによる現場重視の営業支援によって、顧客が表立って語らない「裏の課題」を探る営業手法を確立。同時に顧客データの整備を行ったことで、プロダクト開発や企業戦略立案もスムーズになった。

業界変革には“サービスを導入してもらって終わり、ではなくその先が重要”という考えが依頼のキッカケ

LiB  SORABITO株式会社様の事業について教えてください。

青木  建設現場にある重機や作業車、工具、保安用品などの機械の6割は、建設会社が自前で保有しているわけではなく、レンタルでまかなわれています。必要な機械をスムーズにそろえることは、建設現場の効率化に不可欠です。しかし、建機レンタルの調達は、建設各社が各レンタル会社に対して電話やFAXで連絡をするという非常にアナログな手段で行われてきました。

LiB  大型機械も多いし、必要な機材をそろえるのにも一苦労ですね。

青木  そこで当社は、建機レンタルの調達業務をアプリでオンラインにて処理できるように、「i-Rental(アイレンタル)」というサービスを2021年にローンチいたしました。「i-Rental」には「注文アプリ」と「受注管理」があり、借主は必要な機械をスマホなどオンラインで注文でき、貸主はクラウド上にデータが連携されるため、受注業務をシームレスに行えるというシステムです。

LiB  このシステムを推進するにあたって、リブ・コンサルティングにご相談くださったのはなぜでしょうか。

青木  当社は建機レンタル業界に始まり、ひいては建設業界を変えることを目指しています。ですが、アナログの世界にデジタル持ち込むにはそれなりの軋轢が生じます。相談当時は「注文アプリ」の開発はしましたが、サービスを導入していただくために、どのようにお客様と対話を行えばよいかと模索していました。

また、当社の事業はプロダクトを販売して終わりでなく、使っていただくことが目的です。そのために、お客様と対話し、その課題を理解することが必要となります。提案や導入のためだけでなく、今後のサービスの発展のためです。お客様が現在どのような課題を抱え、「注文アプリ」が事業にどのように貢献できるかをわれわれが理解しておくことが重要だと考えました。

しかし、自社だけでその方法を探ることには限界があります。そこで、リブ・コンサルティングさんがこれまでのコンサルティングで得た知見を活かし、それを「注文アプリ」事業に活かせれば、よりお客様にとって価値のある提案ができるのではないかと思いました。

商談の場に同行など、徹底した現場理解に基づく改善提案

-LiB  支援内容についてはどのように評価くださっているのでしょうか。

青木  目線を全て当社に合わせ、徹底した現場理解をしてくださったことが印象に残っています。現場を非常に重視されるところは、普通のコンサルティング会社は違うと思いました。

例えば、営業工程についても、いわゆる「ザ・モデル」のような型化された提案ではなく、商談の場に同行して、当社がどのような商談をしているのかを見たうえで、他社事例なども参考にしつつ弊社に最適な提案をいただけたことが、とても印象に残っています。

営業管理のダッシュボードを作成し、お客様の課題解決にあたっては、営業担当1名だけでなく、チーム全員で解決するという形に持っていくなど、営業のやり方を作る工程の全てをやっていただいた感があります。

特に、お客様が抱える課題について、口にされる問題点だけでなく、その背景にある見えない部分を、対話の中でしっかりと把握できるスタイルを構築できたことは、次のステップに進むための大きな一歩となりました。

-LiB  ありがとうございます。プロジェクトを進める中で、リブ・コンサルティングに対する期待の変化などはありましたか?

青木 事前の期待や想像と違うことはもちろんありました。とにかく、想像した以上にリブさんが現場の人間になりきって、高速でPDCAを繰り返し、提案をどんどんしてくださったのが良かったです。われわれの業界はわかりにくいところも多いのですが、それを理解するためにプロジェクト外でも業務理解を深めていただいていると感じた瞬間がたくさんありました。

営業だけでなく、1ヶ月経った頃にはリブさんに経営の悩みも相談するようになり、いろいろ深い話をしていくなかで、期中ですでに、お願いした以上のことが必要になるのではということもわかってきて、プロジェクトにプラスαが加わりましたね。

-LiB  青木さまにもさまざまなフィードバックをいただき、さらに深いお話ができるようになったことで、われわれとしてもその「想い」を受け止めて向かっていこうと内々で気持ちを固めました。

「迷わず提案できる」営業の軸ができ、顧客情報から新たな戦略も生まれる好循環

-LiB  SORABITO様が、今回リブ・コンサルティングにご依頼くださった中で、一番の成果は何だったと思われますか。

青木  シンプルですが「迷わなくなったこと」です。

営業のやり方っていろいろありますし、個々の社員は経験も異なるので固有のやり方になりがちです。リブさんに営業支援をお願いしたことで「お客様の課題に寄り添った提案をするためには、どういう手順を踏めばよいか」という営業の進め方の軸ができました。

それをもとに、お客様に対してしっかりとした態度で未来を見通した営業ができるようになってきています。まだまだ改善点はありますが、あるべき姿、目指すべきところがしっかり定まった感じです。

-LiB  それでは、プロジェクトでやってきた部分以外のところで改めて感じた価値はありますか。

青木  いろいろあるのですが、副次効果でもっとも大きかったのは、顧客対応履歴の取り方を変えたことです。今では、顧客情報を見れば、そのお客様にどんな課題があり、どこで止まっているのか、何が要因で進めないのかが全部わかるようになっています。

それがプロダクトそのものの課題であれば「その機能を優先的に開発すればお役に立てるのでは?」という検討ができるようになりましたし「次にくるお客様の課題はここでは?」というボトルネックがあらかじめ予測できるようになりました。顧客情報を全社戦略立案時の参考指標として見られるようになったのです。

建機レンタル業界・建設業界のスマート化を目指して

-LiB  今後、リブとはどんなことを一緒にやっていきたいと考えていますか?

青木  リブさんに営業支援をいただいたことで、今回は「営業の型」を作ることができ、提案~契約~導入という一連の流れがスムーズになりました。この次の課題はカスタマーサクセスだと考えています。サービス導入だけでなく、その先、お客様が成功するまでを一連のサービスとして提供できるようにするのが目標です。(※2022年1月取材当時未実施だったカスタマーサクセスのプロジェクトもその後実施し、完了済み)

2022年3月には、「i-Rental AI」の提供を開始しました。これは、AIを活用しレンタル会社に対して、資産の効率的な運用などを支援するシステムです。

サービスは作っておしまいではありません。活用して成長いただくことが目的です。そのために開発・成長していて終わりがありません。一つ課題をクリアしたら、またその次があります。建機レンタルから始まり、建設業界全体をスマートにしてくために、リブさんには、これからも当社の一員として力を貸していただければと思います。

 

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