2022.06.29

事業開発とマーケティングの違い

事業開発は売上の向上や企業スケールの拡大などの役割を持ち、マーケティングはニーズの特定や顧客と最適なコミュニケーションを取るといった役割を持ちます。事業開発とマーケティングはともに企業にとって大切な役割があるのです。

両者には異なる点がある一方で、企業を成長させることや見込み客の増加など類似する点もいくつか存在します。両者の意味を把握しておくことは必須であり、違いを把握することでそれぞれの良さを引き出し、2つを組み合わせた効果的な事業展開を考えることができます。

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事業開発とマーケティング

事業開発は収益源の増加や会社の規模を拡大するなど、企業を成長させる役割を持ちます。一方で、マーケティングはニーズの特定や商品が人気になる施策を考えるといった商品を顧客に届け、売上を向上させる役割を持ちます。

事業開発の役割とは

事業開発とは新しい事業を生み出すことと定義できます。新ビジネスを立ち上げることにより、収益源を複数にすることや従業員を育成することも可能です。環境が不安定な現代において、1つだけの事業で売上を出し続けるのはむずかしく、多くの企業が複数のビジネスを展開しています。

1つの分野の事業を大きく成功させたとして、そのまま継続して事業を続けることに問題はありませんが、収益源が少数であることや売上の不安定さからリスクを感じるはずです。会社の利益を拡大するために、多くの企業で事業開発が求められているのです。

事業開発の役割は売上の向上や企業スケールの拡大、競合他社のいない新しい市場の開拓などさまざまであり、1つでも多くの新規事業を成功させようと多くの企業は戦略を立てています。

数多くの従業員を抱える企業は、存続のために利益や大きな売上を求めることが必要です。しかし、新規事業の立ち上げがうまく伸びないと経営難に陥るケースもあります。

マーケティングの役割とは

マーケティングは商品を売り続けるための仕組みづくりを目的としています。自社商品を欲しいと感じる顧客にはどんなニーズがあるのか、どうアプローチすれば効果的であるのか理解することが大切です。

マーケティングの役割は消費者のニーズを特定することや商品が多くの消費者から購入される施策を考えること、顧客と最適なコミュニケーションを取ることなど数多くあります。

ニーズがわからなければ商品を販売することはできないですし、効果のあるマーケティング施策を考えることもできません。顧客の心理を理解しないことにはマーケティング施策は困難を極めるはずです。事業を拡大する経営戦略にはマーケティングが必須なため、企業は専門の部署を立ち上げるなどしてマーケティングに力を入れています。

事業開発とマーケティングの違い

事業開発とマーケティングの違いは次のとおりです。

  • 目的の方向性
  • 人との関わり方
  • 結果が出るタイミング
  • 集客の方法
  • 商品に対する焦点の当て方

目的の方向性

事業開発とマーケティングには目的がありますが、それぞれ目指す方向性が異なります。マーケティングは商品が売れ続ける仕組みづくりのため、競合他社とどう差別化しているかを考えます。自社特有の強みを挙げることで差別化を図り、集客することを目的としています。

しかし、事業開発ではつながりをつくることが目的です。マーケティングの差別化で確立した企業ブランドをもとに、顧客のつながりを大切にし、最適なアプローチをかけることでロイヤリティの向上や新規顧客の獲得を目指します。

人との関わり方

人との関わり方に異なる点が存在します。マーケティングは顧客とのコミュニケーションを大切にし、そのつながりを通じて自社の商品やサービスを販売することができます。つながりが切れてしまわないよう配慮して、マーケティング施策を考えるのです。

事業開発では人とつながりをより強固なものにするため、取引先の方と交流を持つことも重要になります。交流することで新しい機会を生み出すこともできますし、見込み客の獲得も期待できるためです。

結果が出るタイミング

結果が出るタイミングは大きく異なります。マーケティングは短期間で利益を生み出すため、日頃から広告やメール配信などの施策効果を分析し、短いスパンで戦略を改善しています。一方、事業開発は結果が出るまでに長い期間が必要であり、先の未来に向けて少しずつ戦略の実行と改善を繰り返していきます。

集客の方法

集客方法の仕方にも違う点があります。事業開発は長期的におこなうものであるため、顧客を長期的に維持する必要があり、商品の開発から販売まで入念な集客方法や戦略を考えることが必須です。

マーケティングは個人に最適なアプローチが可能であるため、購買意欲の高い顧客とコミュニケーションを取ることや商品が気になっている顧客に営業をしてみるなど、顧客の段階ごとに合わせ、効果的な施策を考えて集客をします。

商品に対する焦点の当て方

商品に対する考え方も事業開発とマーケティングでは異なります。マーケティングは現時点における商品の状態に焦点を当てます。自社が販売する商品をどうしたら売ることができるのかを考え、商品の売り方を試行錯誤するのです。

その一方で、事業開発では将来に向けた商品づくりに焦点を当てます。現時点における商品の欠陥を改善し、より良い商品を生み出すためにさまざまな施策を考えるのです。

事業開発とマーケティングの類似点

一方で、事業開発とマーケティングの類似点は次のとおりです。

  • 企業の成長につながる
  • 見込み客の増加が期待できる
  • 企業拡大の機会を見つけることができる

企業の成長につながる

事業開発とマーケティングに力を入れることで、会社の成長を促進します。多くの企業では、利益を拡大するために新規事業の立ち上げや、ターゲットを絞った効果的なマーケティング施策の実施をおこなっており、顧客数の増加や単価の向上を目指すことが可能です。顧客数や単価が上がることによって、認知の拡大やロイヤリティの向上が期待でき、企業の成長につながります。

見込み客の増加が期待できる

新たな利益をもたらす見込み客の増加を期待できます。事業開発では自社の既存顧客だけでなく、新規の顧客を集める必要があり、そのためには見込み客の獲得を目指すことが効果的な施策です。営業次第では、より多くの見込み客を獲得できます。

マーケティング戦略では、新規獲得に向けた効果のあるアプローチ方法を考えることで、顧客と最適なコミュニケーションを取ることができ、見込み客の増加を期待できます。

企業拡大の機会を見つけることができる

事業開発やマーケティングをおこなう際、さまざまな機会に直面するはずです。たとえば、大勢の人が集まるイベントを開催することで、より多くの顧客とコミュニケーションを取ることができます。1人ひとりに最適なアプローチをかけることによって自社商品の販売を促進できるのです。身近にある機会を見つけ、より多くの人にアプローチできるのが事業開発とマーケティングになります。

まとめ

事業開発とマーケティングは目的や結果が出るタイミング、集客方法といったさまざまな点で違いがあります。事業開発はスケールの拡大や市場の開拓など、マーケティングは顧客のニーズ特定や商品が売れる施策を考えるといった役割を持ち、両者それぞれの役割は企業に成長をもたらすものです。

企業の成長や売上を向上させるためには事業開発、マーケティングともに必要な要素であり、取り組まなければ変化が激しい現代の環境のなかでは生き残ることはできません。

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