- 経営戦略
グレート・リセットとは
グレート・リセットは現在における経済や社会を見直し、構築し直すという意味です。その背景には、パンデミックとの直面や業務自動化による失業者の増加など、変革を求められる機会が増えた影響があります。
開発技術が発展し続けるなか、現代のシステムでは貧困格差の広がりや異常気象により、全世界の人々が平和になる明るい未来はありません。
グレート・リセットを実現することでそんな世の中に変革をもたらします。そのためには、新しい投資プログラムの活用や専門分野の枠組みを超えた協力、イノベーションが必要です。
グレート・リセットとは
グレード・リセットとは、明るい未来のために経済や社会の基盤を見直し、新しくすることです。世界情勢の改善に取り組む機関「世界経済フォーラム（WEF）」が、2021年5月のダボス会議における会合テーマに設定したことにより、世界中から注目を集めています。
新型コロナウイルス 感染症や雇用の変化、気候変動などによる影響を受け、世界の経済や社会は深刻な問題へと発展しました。そのため、より良い世界の実現に向け、協力を通して持続可能なシステムを再構築する必要があると世界経済フォーラムは考えを明らかにしています。
グレート・リセットの必要性
社会の深刻な問題を打破するために考えられたグレード・リセットですが、その必要性を疑問に思う方はいるかもしれません。
感染症や業務の自動化により失業者が増えるなか、明るい新しい未来を切り開くうえでグレード・リセットの重要性を把握することは大切です。必要である理由は主に以下の3点で説明できます。
- 新型コロナウイルス感染症が引き起こす問題
- 雇用の変化
- 異常気象
新型コロナウイルス感染症が引き起こす問題
感染症の拡大は世界経済に大ダメージを与えました。一部の企業は倒産の危機にあり、労働者を解雇することにより失業者が増え、貧困の格差が開いているのが現状です。
既存の経済システムでは、感染症といった新しい問題に直面すると全く対応ができない組織が現れてしまいます。
各国は経済の回復を目指していますが、元に戻るだけでは不安です。今後同じような問題が起こらないようシステムの基盤を変革する必要があります。
雇用の変化
多くの企業でDX（デジタルトランスフォーメーション）導入が進み、自動化による業務の効率アップが期待されています。必要とされなくなる職が増えると同時に、新しい労働環境や職種が生まれますが、新雇用の増加に対応できるかが問題です。
そのため、失業者のサポートに加え、新たな体制に備える必要があります。失業者が新たなスキルを習得できるよう、各国は教育方法を見直し、最適なカリキュラムを考えるべきです。
異常気象
近年、豪風雨や森林火災などの異常気象による災害が多くのメディアで取りあげられています。災害の原因は地球温暖化であり、気候変動に大きく関与していることは深刻な問題です。
温暖化を抑制するため、さまざまな取り組みが行われています。もっとも重要視されているものが再生可能なエネルギーの利用であり、温室効果ガスの排出が少量であること、エネルギー源枯渇の心配がないことが大きなメリットです。
異常気象を引き起こさないためにも、変革をもたらすグレート・リセットは重要視されます。
グレート・リセットを実現させるためには？
現在における経済や社会の基盤システムを革新するメリットは多く、貧困層や社会的弱者の問題を解決することにつながります。グレート・リセットの必要性、重要性は感じられますが、実現するためには以下にある3つの姿勢が大切です。
- 平等な社会を目指す
- 新しい投資プログラムを活用する
- 分野を超えて協力と革新をする
平等な社会を目指す
1つ目のグレート・リセットを実現するための姿勢として、公平性のある市場を目指してかじ取りすることがあげられます。そのために政府は税制や財政政策の改善、加えて改革の実施をおこなうべきです。
富裕税の変更や化石燃料補助金の廃止といった新たなルールを設定することで、公平社会の実現を促進します。
新しい投資プログラムを活用する
2つ目の姿勢は社会、経済システムの変革に向けた投資プログラムの活用です。しかし、新しくシステムの構築を目指すためには、投資するべきものを間違えてはいけません。投資プログラムに最適なものは、グリーンインフラやESGになります。
グリーンインフラとは水や緑などの自然が持つ機能を利用し、社会や経済にある課題を解決することであり、ESGとは、環境（Environment）、社会（Social）、ガバナンス（Governance）といった要素のことです。両者への投資プログラムの活用は、グレート・リセットの実現に大きく貢献します。
分野を超えて協力と革新をする
3つ目の姿勢は、loT（Internet of Things、モノのインターネット）やAI（人工知能）などを利用した技術革新の活用と社会の利益拡大に取り組むことです。
パンデミックや災害だけの話ではないですが、新たな困難にぶつかった際、医療や機械といった分野を超え、企業や組織が協力することによって、これまでさまざまな課題を解決してきました。分野内だけでなく枠組みを超えた協力は革新の可能性に満ちています。
グレート・リセットから身を守る
グレート・リセットによる社会の変化は大きく、今まで当たり前であったものが当たり前ではなくなるかもしれません。そのため、対策や準備をしないでいることは大きなリスクです。楽しく生きるためにも変革に備える必要があり、おこなうべき対策は以下の通りです。
- 経済変化に備える
- 認知を広げる
経済変化に備える
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックのように、いつ何がおこるか分かりません。グレート・リセットも同様、シナリオとしてインフレといった問題が起こるかもしれません。
インフレがおこると、企業の売上とともに給与が下がる一方、物価があがってしまい経済的に苦しくなる場合があります。影響を受けないためにも、日本円の資産の一部を外貨で運用する、現物資産を持つなどの対策を立てると良いです。
認知を広げる
認知を広げ、1人でも多くの方に存在を知ってもらうことも大切です。グレート・リセットにより大きな変化が起こること、ともなうリスクへの対策を取ることを把握し、大多数の人とともに準備方法を考えることができます。
少数で物事を考えるよりも、大勢で考えたほうが効率的です。相談や話し合いにより1つでも多くの問題解決が期待できます。
まとめ
既存のシステムを見直すグレート・リセットの実現は経済や社会に変革をもたらします。公平性のある世の中を目指し、各分野どうしの協力により明るい未来の実現が可能です。
変革がおこる前には経済変化に備える、認知を広げ対策方法を考えるなどグレート・リセットへの準備をおこなう必要があります。
