2023.09.01

CASEとは

CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared&Service、(カーシェアリングサービス)、Electric(電気自動車)の頭文字をとってモビリティサービスの重要性を示したキーワードです。従来の自動車を製造、販売するだけでなく、車を移動手段のサービスとして考えられるようになりました。CASEは自動車産業の未来を担う重要な概念であり、さまざまな技術が融合することでより便利で持続可能な交通社会が実現されることが期待されています。

CASEとは

CASEとは、次の頭文字をつなげた造語であり、モビリティサービスの重要性を示唆する言葉です。

  1. Connected(コネクテッド)
  2. Autonomous(自動運転)
  3. Shared & Services(カーシェアリングサービス)
  4. Electric(電気自動車)

Connectedは、車両同士やインフラとの高度な通信が可能なことを指します。リアルタイムの交通情報を得られたり、事故の予防や効率的な走行が可能になります。Autonomousは、自動運転技術の進化を示します。ドライバーの介入なしに車両が自律的に走行できることで、交通事故のリスクを減少させるとともに、運転者の負担を軽減します。

Shared & Serviceは、複数のユーザーが一つの車両を共有するサービスやMaaS(Mobility as a Service)を指します。車の所有よりも利用が重視されるため、交通手段の効率化とコスト削減に貢献します。Electricは、電気を動力源とする車両の普及を示します。環境への影響を低減し、持続可能なモビリティを実現するために重要です。

CASEの組み合わせにより、未来のモビリティはより持続可能でスマートなものとなり、交通の利便性と安全性が向上することが期待されています。

Connected(コネクテッド)

Connectedとは車両同士やインフラとの通信を可能にすることで、ドライバーに情報提供や運転支援をおこなうことです。例えば、前方に渋滞が発生している場合に自動的に適切なルートを案内したり、交差点での危険な状況を事前に警告したりすることが可能です。

GPSやセンサーなどの先端技術を活用し、交通の安全性や効率性を向上させます。コネクテッドカー技術は未来の交通システムの重要な要素であり、交通事故の予防や交通インフラの効率化に貢献する革新的な技術として注目されています。

Autonomous(自動運転)

Autonomousとは人間の運転手が必要なく、自動で走行できる技術のことです。センサーやカメラ、AIなどを利用して周囲の状況を判断し、自動的に車両を制御します。この革新的な技術はセンサーやカメラ、AIなどの先端技術を活用して、周囲の状況をリアルタイムで感知し、自動的に車両を制御します。これにより、運転中の人的ミスや疲労による事故を減少させることが期待されている技術です。

自動運転車は、高度な計算能力を持つコンピュータが複雑な判断をおこないながら、安全かつ効率的に目的地に到達します。自動運転技術は、交通事故の防止だけでなく、交通渋滞の軽減や交通効率の向上にも貢献していることが特徴です。将来的には、自動運転車が普及することで、交通網の効率化やモビリティの革命が期待されています。

Shared & Services(カーシェアリングサービス)

Shared & Servicesとは複数のユーザーが1つの車両を共有するサービスです。所有よりも利用が重視され、コスト削減や交通渋滞の緩和に貢献します。また、MaaS(Mobility as a Service)として、公共交通機関との連携も進められています。

Shared & Servicesは、コスト削減や交通渋滞の緩和にも貢献しています。車両の効率的な利用が可能となり、交通需要に合わせて車両が配置されるため、余剰な車両が減少し、交通網がスムーズになります。さらに、環境にもやさしく排出量の削減も期待することが可能です。

Electric(電気自動車)

Electricとは従来の自動車に代わり、電気を動力源とする車両を指します。環境への影響を低減し、持続可能なモビリティを実現するために重要な要素として注目されています。電気自動車(EV)は、排出ガスや騒音をほとんど発生させず、二酸化炭素の排出量を削減するため、大気汚染の問題に対処する上で重要な役割を果たしていることが特徴です。再生可能エネルギーを使って充電することで、よりクリーンな移動手段となります。

また、電気自動車はエネルギー効率が高く、燃料コストが削減されるため、経済的にも魅力的です。さらに、バッテリー技術の進化により、航続距離が向上し、充電インフラも整備されてきています。このような利点から、多くの国や企業が電気自動車の導入を推進しており、持続可能な交通社会の実現に向けて大きな進展が見られています。

CASEの現在と今後

CASEはメルセデスベンツを展開しているタイムラーが2016年に開催されたパリモーターショー2016で、中長期戦略のタイトルとしてはじめて使った言葉です。現在では、世界の自動車メーカーが注目しているだけでなく、日本でも経済産業省を含めて大きな取り組みにつながっています。

参考:メルセデスが提唱するクルマの新たな価値「CASE」(LIVE!)

CASEの需要が高い理由

CASEの需要が高い理由として、自動車の製造や販売だけが目的でなく車を移動手段のサービスとして提供することが挙げられます。ユーザーは自家用車を所有する必要がなくなり、必要なときに必要な場所で車を利用することが可能です。カーシェアリングやライドシェアサービスが拡大し、効率的で便利な移動手段としての需要が高まっています。

MaaSへのつながり

CASEでは車を移動手段のサービスとして考えることから、MaaSにつながる手段と考えられています。自動運転技術により運転ミスのリスクが減少し電動化によって環境に優しいエネルギー源が利用されることで、持続可能な社会への移行が可能です。

CASEは自動車産業を大きく変革させ、モビリティの革新をもたらす重要な要素となっています。需要の高まりは、より便利で持続可能な移動手段を求める現代の社会のニーズに応えるために、さらなる進化と普及が期待されています。

経済産業省の取り組み

経済産業省では、2020年にCASE技術戦略プラットフォームまとめを打ち出すなど取り組みを強化しています。CO2の低減や電動化技術、コネクテッド技術、基盤的技術を主なテーマとして掲げていることが特徴です。CO2の低減に向けては、環境への負荷を削減するために車両のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの活用などが検討されています。

また、電動化技術の推進によりゼロエミッションの自動車普及を進め、環境に優しいモビリティの普及が目標です。コネクテッド技術の発展により車両とインフラの連携を強化し、交通のスムーズ化や安全性の向上を図っています。基盤的技術の強化により、車両の自動運転技術やセンシング技術の向上に取り組んでいます。

参考:CASE技術戦略プラットフォームまとめ(経済産業省)

まとめ

CASEとは、ConnectedやAutonomous、Shared & Service、Electricを含めた自動車業界の変革を象徴する言葉です。従来の自動車業界が製造や販売に焦点を置いていたのに対し、CASEでは自動車を単なる製品ではなく、移動手段としてのサービスとして位置づける考え方が進んでいます。CASEの進化により、新たなビジネスモデルが生まれ社会のモビリティに大きな影響を与えることが期待されてます。

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