2022.06.27

提案営業とルート営業の違い

提案営業とルート営業はクライアントとの信頼関係が重要です。クライアントのニーズや課題を聞きながら提案していくスタイルは同じですが、ルート営業はすでに契約をしておりクライアントと関係性ができていることが大きな違いです。

提案営業は顧客との関係性ができているとは限らず、人間関係から作り上げることが求められる場合があります。新規開拓営業も今後はただ売り込むだけでなく、クライアントの課題解決が求められるようになり、どの営業スタイルも共通点があります。

提案営業とルート営業の違いとは

提案営業とルート営業はいずれも営業業務ですが次の点が異なります。

  • 営業の目的
  • クライアントとのきっかけ
  • 求められる営業スキル

営業の目的

ルート営業は既存クライアントの満足度を上げ、長く取引をしてもらうことが第一の目的です。提案営業はクライアントの課題を解決することが第一です。そのため、いずれの営業方法においてもクライアントの状況によっては自社の商品やサービスを案内しない場合があります。

しかし、売上を上げなくていいわけではなくそれぞれの目的を果たしながら、企業の利益につながるように営業を進める必要があります。

クライアントとのきっかけ

ルート営業はすでに契約のあるクライアントが対象になるので、クライアントとの関係性は出来上がっています。しかし、提案営業はまだ関係性が出来上がっていないケースがあります。そのためクライアントと一から関係性を作り上げていくことを求められます。

求められる営業スキル

どの営業スタイルでもコミュニケーション力やビジネスマナー、提案力などが必要ですが、提案営業とルート営業では特に求められるスキルが異なります。提案営業はクライアントの課題を解決することが第一目的であることから、ヒアリング力やクライアントが話しやすい環境作りをすることが求められます。

ルート営業は既存のクライアントに対して長く取引をしてもらうことが必要です。そのため、クライアントが何を必要としているかを察知し、クライアントの課題解決をするためのパートナーであるべきです。ルート営業は提案営業や新規営業と比べて自分でクライアントを選べないことがほとんどです。そのため、どんな人に対しても同じように接することが求められます。

提案営業の特徴とは

提案営業には次のような特徴があります。

  • 不況のような外部環境の変化に強い
  • 事前準備が必要
  • 決裁まで時間がかかる

不況のような外部環境の変化に強い

不況が続くとクライアントが商品を買わなくなることがあります。しかし、さまざまな外部環境の変化によりクライアントは課題を抱えることになります。そこで、課題を解決する提案をすることで競合他社と差をつけることができ長期間に渡り企業に利益をもたらすことができます。

事前準備が必要

提案営業とルート営業はいずれも顧客と良好な関係を保つことが求められます。しかし、ルート営業は既存クライアントが対象であることに対して提案営業は1から関係性を作っていく必要があります。そのため、企業の基本情報や業界の動向担当者についての情報など事前に仕入れる必要があります。

また、事前にどのようなニーズがあるのか仮説をいくつか立てることによりスムーズに商談を進めることができます。

決裁まで時間がかかる

提案営業はクライアントとの関係性を1から構築していく必要があります。そのため、クライアントの課題を明確にして提案を進めていくため決裁まで時間がかかることが一般的です。

提案営業に必要なこと

提案営業に必要なことは次の点が挙げられます。

  • クライアントの課題の見極め
  • 解決策の提示

クライアントの課題の見極め

クライアントの課題を見極めないと提案営業を進めることができなくなります。いきなり課題を話してくれる担当者は少なく、自社の課題を明確にわかっていないケースもあります。そのため担当者との話のなかで課題を見極めることが重要になります。

担当者との話だけでなく近年の売り上げの推移や業界の動向なども参考にする必要があります。

解決策の提示

クライアントの課題が明確にあれば、次に解決策を提示していきます。解決策を導入するとどのような結果になるのか、これまでの導入例を説明するなど具体的に説明をするプレゼンテーション能力が求められます。解決策をより具体的にするために資料の作成能力も重要です。

ルート営業の特徴とは

ルート営業の特徴としては次の点が挙げられます。

  • 深い人間関係が必要
  • 新規開拓はほとんどない

深い人間関係が必要

BtoBにおいてもルート営業は人間対人間といっても過言ではありません。営業担当者の信頼度次第で、今後取引が続くかどうかが決まることがあります。新規営業は広く浅く交流をする必要がありますが、ルート営業はすでに関係性が出来上がっているクライアントとさらに深い人間関係を築く必要があります。

新規開拓はほとんどない

企業によって一部新規開拓がある場合がありますが、一般的にルート営業において新規営業はほとんどありません。営業=新規開拓のイメージがあり営業が苦手だと考えている人でも、ルート営業に向いている可能性があります。新規開拓は求めていない企業や個人に対して営業をするのですが、ルート営業はすでに関係性がある相手が対象です。

ルート営業に必要なこと

ルート営業に必要なのは次の点が挙げられます。

  • 顧客との友好関係を築く
  • 取引を長く続ける
  • 顧客単価を上げる

顧客との友好関係を築く

ルート営業は既存客との友好関係を築くことが大切です。顧客の話を聞き、ときには契約内容と関係ないことを話すこともあります。営業担当者として人間的に信頼されることも重要です。新規営業担当者のような積極性よりも、一つひとつの仕事を丁寧にミスなく進めていく人の方がルート営業担当者として向いています。

取引を長く続ける

ルート営業には既存のクライアントの満足度を上げ、取引を長く続けてもらうことが求められます。顧客にとっていつでも相談に乗ることができ、困ったことはすぐに察知できるような気配りが求められます。どのようなタイプの担当者に対してでも同じような受け答えができることも必要です。

顧客単価を考える

ルート営業は既存客に長く続けてもらえばいいというわけではありません。企業によってはルート営業担当者にも、売上のノルマがある場合もあります。しかし、ルート営業は新規開拓をするわけではなく、既存客の単価を上げることが求められます。

クライアントの課題やニーズを把握しながら、顧客にあった商品を選びつつ他の自社製品や現在より高い自社製品を提案することも必要です。新規営業と違い、ルート営業担当者はクロスセルやアップセルで顧客単価を上げ、企業の売上に貢献することが重要です。

まとめ

提案営業とルート営業は、新規営業と比較をすると同じような仕事内容ととらえられるケースがあります。いずれもクライアントとの信頼関係を高めていくなかでクライアントによって有益になる提案をしていく必要があります。

提案営業とルート営業でまったく異なる点もあります。ルート営業の対象は既存客であり関係性がすでにできあがっています。しかし、提案営業は1から関係性を作り上げていく必要があります。

ルート営業はクライアントと長く取引をすることが主な目的であるのに対して提案営業はクライアントの課題を解決することが目的です。それぞれの目的を達成しながら、自社の商品やサービスを提案することが求められます。

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