2022.01.07

新規事業で活用すべきフレームワーク!事業開始前に有用性を分析

新規事業を開始する際には、事業の成功率や有用性などの分析が重要です。市場での事業価値を事前に知っておくことで、内容変更や撤退などの判断を的確に下せます。その判断に活用できるのが「フレームワーク」です。

フレームワークとは、課題の発見や意思決定において利用できる分析ツールです。この記事では、フレームワークの概要と新規事業で活用すべきフレームワークについて解説します。

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フレームワークとは?

フレームワークとは「枠組み」を意味し、ビジネスにおける一定の法則を活用して、問題の明確化や経営戦略を考察するためのツールです。フレームワークを使うメリットは主に2つ、新規事業の内容を客観的に分析できることと、思考をアウトプットして整理できることが挙げられます。

まずは、新規事業の内容の分析について。新規事業では顧客ニーズや市場の状況などを正確に把握し分析して、事業が成功する可能性を上げる必要があります。フレームワークを利用すれば、自力で分析するよりも素早く結果を出せます。

続いて、思考のアウトプットについて。フレームワークの活用は、思考の整理や仲間との思考共有に適しています。フレームワークによる思考のアウトプットで冷静になり、また自分の考えを知った仲間から違う視点でアドバイスや意見をもらうことも可能です。

新規事業で活用すべき5つのフレームワーク

フレームワークは多種多様です。ここでは新規事業で活用できる「PEST分析」、「3C分析」、「SWOT分析」、「ビジネスモデルキャンバス」、「PDCAサイクル」の5つのフレームワークを紹介します。

PEST分析

PEST分析は、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)を分析し、外部環境の影響を調べるフレームワークです。事前に影響を受けそうな外部環境を知っておき、事業を取り巻く動きを先読みして今後の展開を考えます。

PEST分析では、現在の状況だけでなく、これからの変化予測が重要です。現在はGoogleをはじめとした5大IT企業(Google、Apple、Meta(元Facebook)、Amazon、Microsoft)が世界を席巻していますが、これは彼らが、インターネットが一般にも普及していく社会情勢や、いずれ導入しやすい価格になる技術を予測できていたからといえます。

新規事業は政治や社会といった外部環境の影響を受けやすく、これらは自社の力だけではどうにもできません。戦略を練る上でも、事業が置かれる環境は具体的に把握しておくべきです。

3C分析

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つを分析するフレームワークです。顧客のニーズや流行、市場規模、競合となる会社や自社のサービスを明確にすることで、業界内での自社のポジションを把握できます。ライバル会社や自社の強みなどを理解し、場合によってはレッドオーシャンに進出する前に撤退する判断を下せます。

例えば、大手コーヒーチェーン店のスターバックスコーヒーとドトールコーヒーは、顧客が違うために事業が成り立っています。スターバックスコーヒーはメニューがケーキやドーナツ、ワッフルなどのおやつ系がメインで、価格も高めに設定されています。雰囲気もおしゃれでゆったりとしており、女性をターゲットとした空間作りをしています。

一方、ドトールコーヒーは、ミラノサンドやジャーマンドッグなどの食事系が多く、スターバックスコーヒーと比較すると価格は低めです。店内の席数も多く、回転率が高くなるように設計されていることから、ビジネスマンの利用を想定していると考えられます。

このように、同じコーヒーショップでも、顧客が違えばポジションは違います。3C分析で自社のポジションを明確にできれば、競合との戦い方が見えてきます。

SWOT分析

SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を分析し、自社の強みや弱みを把握できるフレームワークです。ただ強みや弱みを羅列するのではなく、複数の要素で掛け合わせて考えるとより具体的な状況が見えてきます。また、PEST分析や3C分析とも絡め、外部環境や内部環境と事業の強み、弱みを掛け合わせれば、戦略の立案が可能です。

例えば、自社の強みが「立地の良さ」だったとします。そして機会に「近所に大型ショッピングモールがオープン」、顧客に「家族連れ」という項目があれば、立地の良さを活かして大型ショッピングモールに来店した家族連れを自店に呼び込む戦略を立てられます。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスは、項目を埋めることで事業の全体図を把握し、項目の関連性を分析するフレームワークです。項目は、以下の9つがあります。

  1. 顧客:サービスや商品を提供するお客様
  2. 価値:お客様に提供する価値
  3. 販路:販売経路
  4. 顧客との関係:お客様と関係を築く方法
  5. 収益:支払方法、お客様がお金を支払う対象
  6. リソース:サービスや商品を提供するために必要な資源(カネ・ヒト・モノ)
  7. ビジネス活動:サービスや商品を提供するための活動
  8. ビジネスパートナー:協力会社や仕入れ先など
  9. コスト:サービスや商品を提供するためにかかるコスト

まずは上記を書き出して、情報を整理します。次に各項目についてさらに詳細に記載してください。例えば、最初に顧客を「女性」と記載した場合には、女性の年齢層や年収、住居、家族構成など細かい部分を決めていきます。

次にPEST分析や3C分析に戻って、もっと広い環境で考えます。例えば、3C分析で競合を市内のお店に限定していた場合には、隣の市まで拡大してみてください。拡大したあとに、再度ビジネスモデルキャンバスに戻って変化を考えます。項目を書き出し、戻って考え、再び項目を書き出す作業を繰り返し、ブラッシュアップを行います。

ビジネスモデルキャンバスは、すべての項目を埋めることが重要です。精度にはこだわらず、まずはすべての項目を埋めて全体を把握してください。全体を把握すれば、これから自分が行うべきことが明確になります。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すモデルです。計画を立てて実行し、評価して改善を繰り返すことで、事業のブラッシュアップを図ります。早めに実行しブラッシュアップを行うことによって、成功までの時間を短縮できます。

移り変わりの速い現代において、新規事業ではスピードが非常に重要です。綿密に計画を立てて実行ではなく、複数の計画を同時に進め、成功したもののみを継続、失敗したものは早めに撤退させるなど、スピーディに事業を進める必要があります。

まとめ

スピードが重要視される新規事業では、事業開始前の分析も素早く行う必要があります。フレームワークを使用して分析の時間が大幅に減れば、他社に先んじた事業展開が可能です。どれを使用するべきか悩んだ場合は、専門家に相談すると、適したフレームワークを教えてもらえるだけでなく分析の手伝いもしてもらえます。

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