2022.09.07

デジタルマーケティングにおけるMA活用

MAとはマーケティング業務を効率化するためのシステムであり、見込み顧客の獲得から商談までを効率化することによって、商談の数を最大化するためのツールです。従来はマーケティング担当者がおこなっていた見込み顧客の行動分析や営業担当者へのリードの提供などを自動でおこなうことができます。

営業担当者が見込み顧客全員に連絡をしてアポイントをとることが大変であり、商談まで進んでも成約までに至る確率は決して高くありません。そこで、MAを導入することで商談化の可能性が高い見込み顧客をリストアップすることで、効率的に商談化まで進め成約に至る確立が上がります。

デジタルマーケティングにおいて、顧客一人ひとりのニーズをつかむことがより重要であり、MAではこれまでの顧客ごとの行動履歴を分析して見込み顧客を見つけることができます。

MA(Marketing Automation)とは

MA(Marketing Automation、マーケティングオートメーション)とは、デジタルマーケティング業務を効率化させるために見込み顧客のメール配信リストの作成やWEBサイトアクセスの分析、営業担当者とのリードの共有など、これまでマーケターが手動でおこなってきたことを自動で進めることができるツールです。

MAの需要が高まる背景

MAは海外では2000年前後から導入を開始されたのですが、日本で需要が高まったのが2016年からです。その背景として、企業が管理しているリード数がこれまでと比べてはるかに増えていることが挙げられます。2015年以前の日本ではセミナーへの参加やテレアポでの営業など、見込み顧客と出会うことは多くありませんでした。

そのため、システムを使わなくても大きなテーマにはならずリードが少ないことから、一つひとつのリードに対して時間をかけて分析できました。しかし、インターネットやスマートフォンが普及したことによりユーザーは自分自身で必要なデータを収集できるようになりました。このことから企業も多くのリードを獲得しやすくなったのですが、同時にユーザーごとに対するデジタルマーケティングをおこなう重要性が高まったのです。

さらに、働き方改革や労働人口の減少により限られた営業担当者において効率的に結果を出すことが求められるようになり、MAの需要が高まったきっかけとなりました。

MAを使ってできること

MAを使ってこれまでマーケターがおこなっていたリードを生み出すリードジェネレーションや育成するリードナーチャリング、リードを獲得するリードクオリフィケーションといった一連の流れをすることができます。

ほかにもリードの管理やメール送信、リードの行動把握などマーケティングにおいて重要な行動をMAに任せることが可能です。より見込み度合いの高いリードを営業担当者に提供することによって、商談につながる可能性が高くなり成約にもつながりやすくなります。

デジタルマーケティングにおけるMAのメリット

デジタルマーケティングにおけるMAのメリットとは次の点が挙げられます。

  1. 高度な分析ができる
  2. 見込み顧客を営業担当者に提供できる
  3. コスト削減をできる場合がある

高度な分析ができる

デジタルマーケティングの精度を上げるためにはユーザーの行動分析や施策の結果などをもとに、改善を繰り返すことが重要になります。MAを導入することによって、ユーザーのデータの管理や見込み顧客の抽出など一貫でできるためさまざまな分析ができます。

さまざまなデータを可視化できることから、マーケティング活動にとって重要となる迅速なPDCAの展開がしやすくなるメリットもあります。

見込み顧客を営業担当者に提供できる

マーケティングにおいて重要な目的は有望なロードを抽出し、営業担当者に提供することです。従来の営業方法であれば見込み顧客でない企業に対してもアプローチをする必要があり、決して効率的な営業活動とはいえませんでした。

しかし、MAを使うことでWEBサイトを見たことがある人や問い合わせをしたことがある人などをリストアップすることができるため見込みどおりの高いユーザーから営業担当者に提供できます。これらの作業をマーケティング担当者がする企業もありますが、手間がかかる作業であり決して効率的とはいえません。

つまり、MAを導入することは、効率的な営業活動にもマーケティング活動にもつながります。

コスト削減をできる場合がある

ユーザーごとのデータ分析やWEB閲覧者、問い合わせをした人などの抽出をするのは手間がかかります。さらにより見込み度が高いリードを営業担当者に提出することで、成約につながる可能性が高くなります。

このことから、MAを導入することで人件費よりもコスト削減をできる可能性があります。MAにもさまざまな種類があり、低コストで利用できるタイプもあるため、スモールスタートをしたい企業であってもコストを抑えたMAの活用が可能です。

デジタルマーケティングにおけるMAの活用事例

顧客管理の一元化

キリンが運営しているキリンオンラインショップDRINXとよばれるECサイトでは、サービスの展開が早くメール配信のオペレーションが複雑すぎて、スムーズなPDCAができずマーケティング対応が追いついていない状況でした。しかし、MAを導入することにより顧客管理を一元化し、メールを送るべき人やタイミング、内容などを管理できるようになりました。

参考:成功事例から学ぶ!失敗しないマーケティングオートメーション導入のポイント(リコー)

メルマガ配信で新規顧客を獲得

特殊な技術を扱う東京ブレイズ株式会社では、コロナ禍で展示会が減ることによって新規案件を獲得できない状況が続いていました。そこで、MAツールを導入することでWEBサイトからの問い合わせを増やす試みをしました。メルマガ配信をしたところ、回帰率23%と多くの人に読んでもらうことに成功し、新規顧客の獲得に成功しました。なかには5年前に名刺交換をした顧客も含まれていました。

参考:コロナ禍で新規案件が減少。メルマガ配信をはじめ、5年以上前に名刺交換したお客さまからお問い合わせを獲得。(カイロスマーケティング株式会社)

人材紹介サービスでのでMA活用

MAが人材紹介会社でよく使われる理由として、求職者に対してのメール管理をしながら転職意欲が高い求職者を見つけることができるためです。転職意欲が高い求職者にカウンセリングや企業面談などのメールを送ることによって、成約に近づけやすくなります。

参考:マーケティングオートメーション(MA)活用例|人材業界編(マケフリ)

まとめ

MAとはWEBサイトを閲覧した人や問い合わせを過去にしたことがある人など、見込み度が高い顧客をリストアップし商談機会を効率的に高めるツールです。従来の営業手法だと、見込みがあるかわからない顧客でもテレアポや直接訪問などでアプローチをするのが一般的でした。

しかし、この方法だと効率が悪いだけでなく見込みのない顧客に対応している間に、見込みの高い顧客を逃してしまう可能性があります。デジタルマーケティングを進めることによって、顧客の行動を詳しくデータ化できます。そこで、さまざまなデータを分析することによりMAが見込み度合の高い顧客をリストアップし、効率的に商談や成約につなげることが可能です。

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