- 経営戦略
SaaSの市場規模
SaaS(Software as a Service)は、Web環境を使うクラウドサービスでありソフトウェアのインストールは不要であるサービスです。アカウントやインターネット環境があればすぐに利用できることから、2020年代から市場規模が拡大中です。SaaSにはチャットツールであるChatworkやSlack、Excelと同じように利用できるGoogleスプレッドシートなど、多くのユーザーに利用されているツールが多く見られます。
SaaSではサブスクリプションサービスを提供しているため導入コストを抑えることができ、保守作業やメンテナンスが不要なため導入しやすい特徴があります。これらのことから、2021年度SaaS市場規模は41.2億円ですが、今後さらに市場規模が拡大することが見込まれています。
SaaSの市場規模の現状
SaaS(Software as a Service)とは、Web環境を活用してアプリケーションやシステムを提供するサービスです。SaaSの主な特徴として、複数の人数で編集できることやインターネット環境があればどこでもアクセスできることが挙げられます。
SaaSはパッケージ版と比べて導入費用がかからず、定期的なメンテナンスやトラブルがあった場合の保守作業を提供業者がおこなうことから市場規模が拡大中です。近年ではGoogleドキュメントやスプレッドシート、Zoomなどのようにさまざまなサービスが展開しており、今後さらに需要が高まるとされています。
SaaS市場規模
日本のSaaS市場規模は2021年時点で9269億円ですが、2026年には1兆⑥681億円と推計されています。さらに、2022年度はインボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正への対応を目的として、SaaSへの切り替えが見込まれるため、今後もSaaS市場規模は拡大すると予想されることが一般的です。
SaaS業界の特徴
SaaS業界にはさまざまな種類のサービスがあり、それぞれに異なる特徴があります。主な特徴として次のような点が挙げられます。
- サブスクリプション型モデル
- 機械学習を活用したサービス
- コミュニケーション用SaaS
- ホワイトラベル
- Vertical SaaS
サブスクリプション型モデル
サブスクリプション型モデルとは、利用した時間や量に応じて料金が発生するタイプのモデルです。従来のサービスは売り切り方が一般的でした。しかし、振り切り型の場合は初期コストが高くかかったりセキュリティや保守業務の面で負担がかかったりしていました。
SaaSは初期費用が無料もしくは低額であるため、導入時に大きな負担がかかりません。さらに、契約期間が決まっていないことが多く不要になれば解約することが可能です。メンテナンスやセキュリティ対応もSaaS提供業者がおこなうため、大きな負担になりません。
機械学習を活用したサービス
SaaSでも機械学習の導入が進んでいます。機械学習の特徴として、ビッグデータを分析することにより一定のパターンを把握できるため精度の高い予測ができるようになることが挙げられます。そのため、ユーザーがよく購入するタイミングや条件などを予測できるため、効果的なマーケティング戦略の立案に活用することが可能です。
コミュニケーション用SaaS
コミュニケーション用SaaSとは、ビジネスシーンでWEB会議システムやチャットツールなどをはじめとしたコミュニケーションを目的としたSaaSです。テレワークの急増や働き方の多様化に対応するように、導入する企業が増えました。社内外でコミュニケーションをとることができ、ビジネスにおいて必要不可欠となっています。
ホワイトラベル
ホワイトラベルとは、ほかの企業が開発した製品を自社ブランドとして販売するビジネススタイルです。SaaS業界でもホワイトラベルは珍しいことではなく、自社仕様にカスタマイズした商品を自社製品として販売しています。ホワイトラベルは、自社で開発やメンテナンスが不要となるため業務効率化やコスト削減につながります。
Vertical SaaS
Vertical SaaSとは、特定の業界や業種に特化したSaaSです。主な業界として、物流業や建設業、小売業などが挙げられます。特化しているだけでなく、それぞれの業界に必要な機能が追加されている点も特徴です。
SaaS市場規模の需要が高まった要因
SaaS市場は2020年以降、市場規模を拡大し続けています。その背景として次のような要因が挙げられます。
- 少ない負担で高いセキュリティを実現
- 継続的に運用可能
- 場所やデバイスに限らず利用可能
- 法改正
少ない負担で高いセキュリティを実現
SaaSを提供する業者において、充実したセキュリティ体制を整備していることが一般的です。そのため、自社でセキュリティ対策をおこなう手間やコストなどを削減することが可能です。サイバー攻撃対策をはじめとしたリスクヘッジとしても、SaaSを導入するケースが増えています。
継続的に運用可能
SaaSを提供している事業者が基盤となる部分を運用していることから、継続的に安定したサービスの利用が可能です。購入型の場合は、トラブル時に自社で対応するか、専門業者に依頼することが必要です。そのため、コストや手間が必要であるほか、対応するまではサービスが利用できなくなります。
SaaSでは、提供業者が継続的にメンテナンスをおこなっているほか、トラブルがあった場合でも迅速に対応することが一般的です。このため、トラブルの対処が早く安定して継続的に運用できることがSaaSの大きな特徴です。
場所やデバイスに限らず利用可能
SaaSはWeb環境を使って利用するため、環境が整っていればオフィス以外に自宅やコワーキングスペースなどさまざまな場所で運用可能です。マルチデバイスのタイプも多く、パソコンやタブレット、スマートフォンなどデバイスを問わない点も大きな特徴です。
SaaSは、場所やデバイスを問わないことから柔軟性の高い利用が可能であり、さまざまな業務体系や内容に合わせられます。そのため、今後さらにSaaSの需要が高まることが予想されています。
法改正
2022年に次のような法改正がありました。
- 宅建業法の改正
- 電子帳簿保存法の改正
2022年5月に宅建業法が改正されたことにより、不動産取引にて完全にオンライン契約ができるようになっため不動産業界において電子契約サービスの導入が進みました。このほか、電子帳簿保存法の改正によってさまざまな業務において電子契約化が進んだことが、SaaSが市場拡大をした1つの要因です。
まとめ
SaaSは、Web環境を使ったサービスでありソフトウェアのインストールは不要のサービスです。サブスクリプションサービスが展開されており、導入コストを抑えられるほかメンテナンスや保守作業が不要であるため導入しやすいことが特徴です。
チャットツールであるChatworkやSlack、wordやExcelなどと同じように使えるGoogleドキュメントやスプレッドシートをはじめとして、近年SaaSのサービスが増えています。2021年の市場規模は9000億円超ですが、今後さらに市場規模が拡大することが見込まれています。