2022.07.26

営業分析とは

やみくもに営業活動を行っていてもなかなか結果が出るものではありません。さらに、 改善するべきことが分からなければ対策のしようがありません。そこで、現在の営業活動に関して営業分析をすることにより、課題や対策が明確になります。

営業活動の状況や企業全体としての売り上げ、収益、顧客情報などさまざまなデータを分析することにより、売上アップや業務効率化を目指します。さらに、分析結果は営業活動の指標とすることができるため今後新しい営業担当者が入社しても、これまでのデータを共有することができます。

営業分析とは

営業分析とは、営業活動全般に対して分析をすることをいいます。営業担当者ごとの活動状況や、部署全体としての成果、顧客のデータ、収益といったさまざまなデータを統合することで分析をしていきます。

分析結果を元に効率化や売上の向上を目指すほか、現状の課題点を改善していく目的があります。分析結果は営業活動の指標となり、分析をしたあとも活かしていくことができます。

営業分析の目的

営業分析には次のような目的があります。

  • 勘や経験に頼らない営業
  • データの可視化
  • 営業ノウハウの共有
  • 顧客ニーズを理解

勘や経験に頼らない営業

長年個人の経験や勘に頼って営業をしている人にとって、営業分析をしている時間がもったいないと感じることもあります。しかし、経験や勘に頼っているとうまくいかない時の原因がわからないままです。このようなタイプの営業担当者は数多くの顧客に会えればいいと考えていることが一般的なのですが、いずれは壁に当たる可能性があります。

個人の経験や勘に頼っているとその営業担当者が結果を残したとしても、回りの営業担当者をサポートすることができません。このような状況だと属人化が進むことになり、企業としては決して効率的な営業方法とはいえません。

営業分析をすることで上手くいかない時でもその理由を分析することで改善しやすくなります。さらに、営業の経験やノウハウを共有できるため企業全体としても成長につなげることができます。

データの可視化

営業活動を担当者一人ひとりに任せている状態だと、現在の状況を把握するのがむずかしくなります。そこで、営業関連のデータを可視化することによって営業活動を把握しやすくなり、営業方針を立てたり現在結果がでていない営業担当者のサポートをしやすくなります。

営業ノウハウの共有

営業担当者にすべてを任せていると営業担当者の経験に頼ることになるので、スキルやノウハウを体系化できず属人化することになります。そのため営業担当者によって営業の質が大幅に異なり、企業として安定した売上を期待できなくなります。そこで、営業分析をすることによって営業の失敗と成功の原因を追求し部署内で共有することができます。

顧客ニーズを理解

近年ではインターネットやスマートフォンが普及したことにより、顧客がさまざまな情報を得ることができます。そのため、顧客ニーズは常に変化しており的確に捉えるのがむずかしくなっています。そこで、営業分析をすることによってどのような人がどのような商品を購入しているか分析することによって、顧客ニーズをつかみ売上につなげることができます。

営業分析の手法

営業分析には次のような手法が挙げられます。

  • 動向分析
  • 要因分析
  • 検証分析
  • KPI分析
  • 行動分析
  • エリア分析

動向分析

商品やサービス、業界全体の大きな動きをグラフなどを使って分析する手法です。大きな動きをとらえるものであり小さな動きを分析する手法ではないため、動向分析単体でおこなうのではなく、ほかの手法と組み合わせて使われるのが一般的です。

要因分析

要因分析とは業界全体の動向や売上の動きに影響を与える要因を分析していきます。先に動向分析をおこない、動向分析の結果をもとに要因分析をして今後の対策をすることが一般的です。

しかし、要因分析はあくまで推測をしているため、正しい結果になるとは限りません。要因分析で出た結果をもとに次の検証分析をすることで、要因分析がさらに効果的になります。

検証分析

動向分析や要因分析において出た結果に対して証拠となるデータを集めていく方法です。動向分析や要因分析と違いロジカルな思考が求められる分析方法です。データをもとにさまざまなテストをしたり、実践をしたりすることにより要因分析で出てきた推測を確率の高い内容に変えていきます。

動向分析と要因分析はある程度のデータが揃っていれば、誰が分析しても大幅な違いはありません。しかし、検証分析においてほかの企業と差がつくことが多く重要なプロセスであるといえます。

KPI分析

KPI(Key Performance Indicator)とは重要業績評価指標のことをいいます。企業が設定した目標に対してプロセスごとに達成度合いを計測することによって評価指標を出します。営業活動において目標となる数値をKPIとして設定し、目標達成するまでに現在の進捗状況を分析し目標達成までにするべきことを指標にします。

行動分析

行動分析とは営業担当者によってスキルに差が出ないように分析をしていきます。さらに、現状スキルがあまり高くない営業担当者に今後積極的に売上を伸ばしたいエリアから担当を外すなど、担当エリアのバランスを分析することも重要です。

エリア分析

エリア分析とは商品やサービスにおけるターゲットがどの地域に住んでいるのかを調べていきます。調べる方法としては人口統計や年代構成などのデータを用いることによって営業するべきエリアを判断していきます。全国に店舗を展開している企業は特に必要な分析であり、地域の風土なども考慮するとさらに分析の質を高くすることができます。

営業分析において重要な指標

営業分析を進めるうえで、KPIとKGIの営業指標は特に重要です。

KGI

KGI(Key Goal Indicator)とは重要目標達成指標を意味しており、企業が設定した目標に対して、達成度合いを評価します。企業が設定している目標を達成するために営業活動をする必要があるため、KGIは営業分析を設定する上で重要な指数となります。

KPI

KPI(Key Performance Indicator)とは重要業績評価指標を意味します。KGIが企業の最終目標であることに対して、KPIは最終目標を達成するための中間目標となります。

そのため、KPIはKGIを分解することにより戦略として設定していきます。営業活動を進める上で企業が設定する目標を達成することが重要であるため、営業分析をする上でKPIは大きく関連します。

営業分析にはSFAが効果的

営業分析を効率的にするためには、SFA(Sales Force Automation、営業支援システム)を利用することが一般的です。営業活動に関連する情報全てをデータ化して蓄積、分析することができます。営業活動のプロセスを可視化することができるため、営業部署全体的にノウハウを共有しスキルアップにつなげられます。

まとめ

営業分析をすることで、売上向上や業務効率化の他の顧客ニーズをつかみやすくなったり、営業のノウハウを共有することで属人化を防ぐなどさまざまなメリットがあります。インターネットやスマートフォンが普及した現代において、商品をただ紹介するだけでは売上につながることはありません。

そこでさまざまなデータを分析することで、常に変化をする顧客のニーズや市場の変化などに対応することができます。

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