2022.05.23

人材育成のマネジメントとは

経営戦略を考えたときに長期間在籍してもらい、将来的には企業の中核を担い、貢献度の高い人材を育てられるようになるのが理想的です。

企業にしてみれば従業員が成長をすることによって業績向上につながり、従業員にとっても正当に評価してもらえるほかスキルアップを実感できやりがいを感じます。

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人材育成マネジメントの目的

人材育成の目的、人材育成マネジメントの目的をそれぞれ理解することで、効率的な人材育成を進めることができます。

人材育成の目的

人材は企業にとってもっとも重要な資源です。さらに高齢化、少子化が続くこと自体において簡単に有能な人材を採用できるわけではありません。そのため、人材育成がこれまで以上に重要な要素になっています。

人材を育成することで、企業にとって業務効率化や生産性の向上を期待できます。また、従業員の満足度を上げることによって離職率を抑えることも可能です。

従業員の満足度が高くなると採用活動においてもメリットがあります。採用ページなどで従業員の満足度が高いことが求職者に伝わることで、求職者に選んでもらえる可能性が高くなることです。

人材育成をしていくうちに、企業理念が浸透しさらに法令遵守を定着させることもできます。業務内容だけでなく、パワハラをはじめとしたコンプライアンス違反に対しての理解度を高めることも人材育成の目的の1つです。

人材育成マネジメントの目的

人材育成は簡単にできることではなく、すぐに結果がでるわけでもありません。そのため人材育成を成功させるためのマネジメントが重要になります。

人材育成マネジメントは中長期で立てる必要があります。このような人材に育ってほしいと考える人材をゴールとして、そのための育成施策を作っていく必要があります。中長期で考えることで、担当者によって人材育成方法がバラバラになることはありません。

また、こうなって欲しいと思う人材は経営戦略と大幅に関連があります。人材育成は経営戦略に沿っていることが重要です。

人材育成の課題とは

人材育成の課題としては、次の点が挙げられます。

  • 理念やビジョンの共有
  • 適切な人材配置
  • 人材育成担当者の負担が大きい

理念やビジョンの共有

効率的に人材育成を進めるうえで、従業員全員が企業の理念やビジョンを理解していることが条件となります。もし理念やビジョンを理解していないと、同じ方法で仕事をとらえるのがむずかしくなります。

単に言葉で伝えても従業員に理解してもらうためにはコミュニケーションをしっかりとる必要があります。しかし時間に限りがあり、おそろかになっている傾向にあります。

適切な人材配置

部署配置をするとき、人材の能力や各部署の現状把握ができていないと的確におこなうのがむずかしくなります。できるだけそれぞれの従業員が能力を最大限に伸ばせる部署に配置するべきですが、全体のバランスがあり何より一人ひとりの能力を把握できていないケースが多いのが現状です。

人材育成担当者の負担が大きい

人材育成担当者は人材育成がメイン業務であるケースはほとんどありません。そのため、通常業務に追われすぎて、人材育成をおろそかにしてしまうケースが多いのが現状です。

人材育成をおろそかにすると、人材が育たず業務効率化が悪いだけでなく、従業員のモチベーションが下がり離職率が高くなるなど悪循環が生じます。

人材育成は通常の業務と同じくらい重要であることを認識させ、担当者の業務量を調整するなど人材育成に力を入れることができる環境作りが重要になります。

人材育成マネジメントをするためのスキルとは

人材育成マネジメントをするためには、次のようなスキルが必要になります。

  • 現状把握
  • コミュニケーションスキル
  • 現実的な計画
  • アフターフォロー

現状把握

人材育成マネジメントをするうえで今の課題はなにか、経営戦略を考えるとどのような人材が不足しているか、従業員に足りないこととは何かなどの現状を把握をすることから始まります。現状把握が人材育成をマネジメントするうえでの、基盤となるため現状把握は重要です。

コミュニケーションスキル

人材育成を進めていくうえで、コミュニケーションスキルが常に必要になります。現場とコミュニケーションをとることにより現場の様子を理解して、経営陣に伝える必要があります。また、経営者から求める人物像を引き出す必要もあります。コミュニケーションスキルの良し悪しで、人事育成が決まるといっても過言ではないほどです。

現実的な計画

経営陣が求める人材に近づけるのが人材育成ですが、現状と差がありすぎる場合、いきなり無理な目標を立てることはよくありません。現状とゴール設定の差がある場合は、その間にいくつも小さな目標を設定することが重要です。進捗状況を上司や経営者に伝えることにより、スケジュールを柔軟に変更することが重要です。

アフターフォロー

定期的に研修内容を定着してもらうために、アフターフォローが大切です。フィードバックサイクルとよばれる、業務活動に対してフィードバックをもらい、自分で課題に気が付きどうするべきか考え、行動に移す能力を養う社員教育をはじめとして、さまざまな手法があります。また、従業員一人ひとりが現状をどのように考えているのかを理解することも重要です。

人材育成マネジメントを成功させるために

人材育成マネジメントを成功させるためには、人材育成計画書を作成することが大切です。育成計画の進捗状況を共有することができ、担当者が変わっても状況が把握できていないといったことはありません。

また、従業員一人ひとりの評価方法を明確にすることも重要です。日ごろからの業務内容や取り組みを、明確に評価してもらうことによってモチベーションを上げることができます。

人材育成計画書とは

人材計画は中長期で進める必要があります。そのため進捗状況を管理するために、人材育成計画書があります。リアルタイムで確認することができるため、担当者が変わっても、これまでの進捗を共有することができます。そのため、担当者の属人化を防ぐことが可能です。

計画書は、育成計画の全体像から進捗状況、現在の課題など従業員一人ひとりに対して作るのが一般的です。人材育成計画においても、PDCAサイクルを回すことが重要であり共有できるように記録することも必要です。

明確な評価を実施

責任のある仕事ができる、給与や賞与に反映される、昇進するといった従業員に対する評価は、従業員のモチベーションを上げます。どのように評価しているのかを明確にして、定期的に上司と現在の評価や課題を確認することによって、仕事にやりがいを感じやすくなります。

現代ではさまざまな評価手法があり、企業によって評価方法が異なります。厚生労働省では職業能力評価基準を設定しており、人材育成のほか、採用や検定試験、人事評価に活用できるようになっています。

職業能力評価基準
画像出典:職業能力評価基準について(厚生労働省)

まとめ

人材育成の目的とは、企業にとって目的を達成するために貢献できる人材に育てることをいいます。そのため、人材育成マネジメントと経営戦略はリンクしている必要があります。

特に、高齢化、少子化が進む現代において、人材育成の重要度はこれまで以上に増しています。しかし、人材育成は短期間で達成できるものではありません。中長期でしっかりとマネジメントをすることで、担当者が変わっても、ぶれのない人材育成をすることができます。

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