- 組織開発
人材育成の成功事例
近年少子化が進み、良い人材を採用するのがむずかしくなっています。そのため人材は企業の財産であると考える企業が多くなっています。
そこで人材育成が重要になるのですが、企業の状況はそれぞれ異なるため、企業にあった人材育成手法を確立することが求められます。人材育成をすることにより、優秀な人材を確保することができ、生産性の向上につなげることができます。
人材育成成功事例を4社ご紹介しますので、人材育成計画の参考にしてください。
人材育成の必要性とは
人材育成の大きな目的として、以下の3点が挙げられます。
- 生産性の向上
- 優秀な人材の確保
- 外部環境の移り変わり
生産性の向上
従業員一人ひとりが企業の理念を理解し、スキルを上げることで生産性が向上できます。生産性向上のためには、業務に合った専門職関連の技術や知識が必要です。実践的な研修を取り入れることによって、現場ですぐに結果を出せる人材を育てることができます。
特に接客や営業が多い企業であれば顧客満足度を上げる必要があり、社内での研修以外にもOFF-JTを多めに導入すると効果的です。
実際の顧客とのやり取りを後輩社員に見てもらい、現場で起こることを学ぶ機会が求められます。逆に後輩社員が一人立ちできるように先輩に見てもらいながら、フィードバックをもらうことにより後輩社員は育っていきます。
優秀な人材の確保
日本では終身雇用が一般的でしたが、昨今では転職することに抵抗がない人は少なくありません。転職をする理由のなかで特に大きなものには、自分をよりスキルアップさせたい、他の仕事をしてみたいが挙げられます。
定期的に上司がフィードバックをしたりレベルアップをする機会があったりすると、従業員の満足を上げることができ、優秀な人材が離職することを防げる可能性が増えます。
自分をレベルアップしたり、上司に理解したりしてもらうことにより従業員がモチベーションを上げることにつながります。
外部環境の移り変わり
人材育成の重要度が高まった要因の1つに、外部環境の移り変わりが挙げられます。グローバル化やIT化、働き方改革、少子高齢化など10〜20年の間に外部環境が大きく変わっています。
今後もさらにこれらの動きが加速することが予測され、環境に合わせて従業員一人ひとりが能力を高めていくことが必要です。
人材育成において成功するポイントとは
人材育成において成功するポイントとして、以下の３点が挙げられます。
- 人材育成の目的を明確にする
- 最適な方法が導入されている
- 従業員に対してサポートしている
人材育成の目的を明確にする
企業によって人材育成の目的が異なります。しかし、経営陣が人材育成のビジョンを明確にしていないと、人材育成をする担当によって内容がバラバラになります。また何が正しいのかがわからなくなってしまい、人材育成の効果測定ができなくなります。
最適な方法が導入されている
例え同じ業界であっても会社が違えば分かは異なります。そのため、人材育成は自社の文化に合った育成ノウハウを確立することが重要です。企業の理念や目標など必要な部分を盛り込まれていない人材育成であれば、効果が期待できなくなる可能性があります。
従業員に対してサポートしている
従業員一人ひとりに、上司や役員がフィードバックをすることにより現在の課題や得意な点などを把握することができます。従業員一人ひとりの現在の状況を理解することにより、各個人の目標を立て進捗状況を共有することで従業員の成長につながります。
また従業員ごとのスキルを理解することにより、企業全体の目標を明確にすることができます。
人材育成の成功事例
以下の企業の人材育成方法を説明していきます。
- スターバックスジャパンコーヒー
- サントリーホールディングス
- 豊田合成株式会社
- 北上信用金庫
スターバックスコーヒージャパン
スターバックスジャパンでは、OJTを正社員からアルバイトまで80時間おこないます。研修ではスターバックスの企業理念やミッション、歴史を勉強していきます。80時間のOJTのなかで正社員からアルバイトまで、ミッションを実行できるようにします。
店舗に立つときには、「お客様のための接客」を意識しているため自分本位で考える人がいないのが特徴です。
また、スターバックスではグループで価値感ワークをとおして、お互い考え方を共感する機会があります。価値観ワークとは80以上の単語から3つ単語を選びその理由を議論するワークショップのことです。自分で考え、相手の考えを尊重できる環境がスターバックスにはあります。
サントリーホールディングス
サントリーでは企業の成長にもっとも必要な要素が人材であると考えています。環境の変化に合わせて、人材育成施策を進化させるためにサントリー大学を設立しています。
人事制度を構築するうえで人材育成を主眼にしており、成果を出した従業員一人ひとりを評価しています。成果以外にも職能資格制度や資格、役割制度を導入して職務遂行能力に応じてランク分けして、公正に評価しています。
このように公正に評価をすることにより、従業員一人ひとりの向上心や目標達成意識の向上につなげています。
豊田合成株式会社
豊田合成株式会社の人材育成の目標は、「自ら考え行動するグローバル人材を育成」です。従業員一人ひとりがキャリアを設計することで、目標に向かって成長を続けられるように、さまざまな取り組みをおこなっています。
例えば、専門分野のスキルや知識を高めるための技術教育を導入しています。ほかにも以下のように、自ら考える力を磨くとともにグローバルに活躍できる人材を育成しています。
- 語学教育の充実
- 育成出向制度の導入
- キャリア支援制度の導入
- 海外ナショナルスタッフへの教育
- 階層別教育制度の充実
北上信用金庫
地域に密着した営業を進める北上信用金庫では、地域社会に寄り添うことができる人材を育成しています。研修においては、信用金庫に関する知識や技術、心構えを習得することにより、地域住民に信頼されるような人材を育てています。
新人研修では社会人としての教養、4年目までの従業員に対しては自主的に勉強をするための通信講座や書籍の購入、資格取得に対して補助をしています。
このため基礎的な知識、スキルを身に着けたあとは自主的に成長させるような環境作りをおこなっています。
まとめ
人材育成をすることで、従業員一人ひとりのスキルが高まり生産性が向上します。従業員がスキルを高め企業に貢献をすることでより、効果的に売り上げを上げることにつながるのです。
人材育成することは、従業員の満足度向上とスキルアップにつながり、離職率の低下、ひいては優秀な人材の確保につながります。少子化が続いている昨今、人材育成は企業にとって大きな課題となっています。
