2023.07.11

APIエコノミーとは

APIエコノミーとは、APIを公開することで自社と他社のサービスを相互に活用してさらに大きく経済圏を拡大させていく考え方です。APIエコノミーを導入すればユーザーのニーズを満たしたサービスを素早く提供できたり、コストをかけずにサービスの構築ができたりします。

APIを公開することで自社ではリーチできない新しい層に対してアプローチがしやすくなったり、競合他社との差別化、企業間でビジネスの連携を生むきっかけとなるなどさまざまなメリットが獲得できます。

APIエコノミーを導入する際はAPIの提供を中止すると不具合が発生するとサービスが使いにくくなってしまう可能性や自社の情報を悪用されてしまう恐れがあるためデジタルリスクに対する対応が必要です。

APIエコノミーとは

APIエコノミーとは、APIを公開することで自社と他社のサービスを相互に活用してさらに経済圏を大きく拡大させていく考え方です。従来では自社で製造して販売する形が一般的でしたが、APIエコノミーを導入すれば自社と他社の商品をかけ合わせて利用できるため、相乗効果で拡散力の向上が期待できます。

また、自社がAPIを公開すれば、自社ではリーチできない新しい層に対してアプローチをしやすくなる可能性や競合他社との差別化につながります。APIとは、プログラムから他のプログラム機能を呼び出すための仕組みです。

APIエコノミーが注目されている理由

近年、APIエコノミーが注目されている理由としては、デジタル化促進が挙げられます。日本は他国と比較してデジタル化の促進が遅れており、デジタル化を促進することで人材不足の解消や情報共有のしやすさが向上します。

そのため、迅速にデジタル化の促進に努めなければいけません。自社開発したサービスのみではデジタル化を推進させる速度に限りがありますが、自社商品と相性の良い他社サービスを活用すれば、迅速にデジタル化の推進がしやすくなります。

また、APIエコノミーが注目されているもう1つの理由として、低いコストで付加価値のあるサービスを創造できる点もあります。世の中には、SNSや動画配信サービスなど低コストで付加価値のあるサービスがあふれています。

そのため、自社商品が優れた他社商品に打ち勝つためには、低コストで付加価値のある商品を開発することが大切です。APIエコノミーは、デジタル化の促進や低コストで付加価値のある商品の製造がしやすいため、多くの人々に注目されています。

APIエコノミーを導入するメリット

APIエコノミーを導入するメリットとして、以下の2つがあります。

  1. ユーザーのニーズに沿った商品開発がしやすくなる
  2. コストをかけずにサービスの構築ができる

ユーザーのニーズに沿った商品開発がしやすくなる

APIエコノミーを導入するメリットとして、ユーザーのニーズに沿った商品開発がしやすくなることが挙げられます。APIエコノミーを導入すれば、自社商品の認知度を向上させるための拡散ツールを1から開発する必要がないため、スムーズにユーザーのニーズに沿った商品開発ができます。

世の中には、利用者が多いAPIシステムが数多くあります。APIシステムを自社商品の認知度や利便性の向上に活用し、自社の業績をより高めやすい仕組み作りに努めてください。

コストをかけずにサービスの構築ができる

APIエコノミーを導入すれば、コストをかけずにサービスの構築ができます。基本的にAPIは無料で利用できる場合が多いため、コストをかけることなく効率的に自社サービスの構築ができます。

通常はWebサービスのデータを連携させる際はインポートとエクスポートに対応する機能を開発しなければいけません。しかし、APIを活用した場合はURLをコピー&ペーストするのみでデータの連携ができるため、効率的にサービスの構築ができます。

APIエコノミーが抱えている課題

APIエコノミーが抱えている課題として、以下の2つがあります。

  1. APIの提供を中止すると不具合が発生する恐れがある
  2. デジタルリスクへの対応が必要

APIの提供を中止すると不具合が発生する恐れがある

APIエコノミーを導入した場合は、提供元の都合で提供を中止したり、値上げによって継続的にAPIの連携が難しくなったりする可能性があります。しかし、突然APIの連携を切ってしまったら、自社サービスに不具合が生じるかもしれません。

そのため、APIを活用する際は提供元の会社がGoogle MapやTwitterなどのように知名度が高く、多くの方々が使用しているサービスの利用を検討してください。

デジタルリスクへの対応が必要

APIエコノミーが抱えている課題として、デジタルリスクへの対応が必要なことが挙げられます。APIエコノミーを導入すれば、提供元に自社の会社概要や位置情報などを収集される可能性があります。

もし、自社が活用しようとしているAPIの提供元が安全な企業でなければ、個人情報を抜き取られてしまうかもしれません。そのため、活用するAPIの提供元が安全な企業であるのかを確認したうえで、利用してください。

APIエコノミーの活用事例

Yahoo!Japan

インターネット関連サービスを提供しているYahoo!JAPANでは、Yahoo!ショッピングやニュース、テキスト解析などのサービスでAPIが活用されています。例えば、Yahoo!ショッピングが所有している商品ベースやEC機能を利用して、サービスの作成ができます。

また、Yahoo!ニュースのAPIを活用すれば、自分の意見をもとに議論を喚起する発言を上位表示するように設定され、不適切コメントは下位表示されるようになっています。

参考:APIドキュメント(Yahoo!JAPAN)

Twitter

人気SNSの1つであるTwitterには、タイムラインの取得や時系列順にWebサイトを埋め込めるようになります。ほかにも、Twitterの投稿予約やスケジュール管理、投稿分析など幅広い機能を用いたAPIが提供されています。

参考:Twitter API(Twitter)

YouTube

動画配信サービスのYouTubeはAPIを活用すれば、動画の視聴回数や視聴者数の測定ができます。ほかにも、YouTubeのAPIを活用すれば、関連動画の取得やお気に入り登録したチャンネルの最新動画取得など幅広い業務に活用できます。

参考:YouTube Data API(YouTube)

Amazon

インターネット通販サイトのAmazonのAPIを活用すれば、商品情報の登録や更新などの業務を一括で実施できたり、販売した商品の支払い情報を取得できたりと幅広い業務に活用できます。Amazonは、インターネットショッピング事業を実施しようと考えている方に適しているAPIを提供しています。

参考:Amazon API Gateway(Amazon)

LINE

メッセージアプリのLINEのAPIでは、音声アシストやログイン機能、通知機能などさまざまな機能が活用できます。特に、Messaging APIを活用すれば、自身が登録したLINE公式アカウントに登録したユーザー情報を把握でき、ユーザーの趣味嗜好などを理解できるため、サービスの構築に役立ちます。

参考:Messaging APIの概要(LINE Developers)

まとめ

APIエコノミーとは、APIを公開することで自社と他社のサービスを相互に活用してさらに大きく経済圏を拡大させていく考え方です。APIエコノミーを活用すれば、ユーザーのニーズに沿った商品開発がしやすくなったり、コストをかけずにサービスの構築ができたりします。

また、APIを公開することで自社ではリーチできない新しい層に対してアプローチができたり、企業間でビジネスの連携ができたりする可能性が出てくるなどのメリットが獲得できます。

一覧に戻る

関連コラム