2023.07.04

ChatGPTとは

ChatGPT(Generative Pre-trained Transformer)とは、アメリカのOpenAI社が開発と提供をおこなっているAI(人工知能)による生成AIです。注目度は非常に高く、認知は世界へ急速に拡大し、2023年1月にはユーザー数が1億人を超えました。

ChatGPTがリリースされる以前にベースとなるAIモデルが開発されていましたが、文章の表現などが不十分であったため、細かい微調整を繰り返して現在の言語に特化したモデルが完成しました。

ChatGPTとは

ChatGPTとは人間が入力した質問に対してAIが回答してくれる生成AIです。回答の精度が高く、人間同士の自然な会話が可能であるため、他人からアドバイスを受けているかのような体験ができます。

膨大な情報を学習しているChaGPTは、日常生活やビジネスでも用途は数多くあります。無料で利用できますが、精度の高さを求めるのであれば有料のサービスも利用可能です。2023年3月には有料版のGPT-4がリリースされ、従来型よりも出力精度が向上したうえに、画像や動画の生成も可能となりました。

参考:ジェネレーティブAI(生成AI)とは

ChatGPTの将来性

現在のChatGPTは、まだ回答の精度に問題がありますが、最新モデルが開発されるたびに精度が高くなっていることは間違いないため、今後さらに活躍の場が広がると予想されています。

最新モデルのGPT-4ではテキストだけでなく画像を利用できるようにもなりました。最近ではMicrosoft社がChaGPTの開発元であるOpenAI社に最大100億ドルを投資するなど、大手企業や有名な実業家たちからも大きな期待と注目を集めています。

参考:Microsoft、ChatGPTのオープンAI追加投資 数十億ドル(日本経済新聞)

ChatGPTの始め方と使い方

ChatGPTの始め方はOpenAIの公式サイトからアカウントを登録するだけで始められます。アカウント作成はメールアドレスやパスワードを入力するほか、GoogleやMicrosoftのアカウントも利用可能です。

誕生日や電話番号入力後、番号に送信されてきた6桁のコードを入力し、最後に利用目的を入力すると登録完了になります。ChatGPTは海外サービスであるため基本英語版となっており、登録の際に言語の面で戸惑ってしまうかもしれませんが、むずかしい英単語は使われていないため進行はスムーズです。

質問を日本語で入力すると日本語で回答が送られてくるため、登録後の不便はありません。使い方は非常に簡単で、画面下部の枠内に質問を入力すると数秒後には回答が自動で入力されます。

ChatGPTが得意とする分野

ChatGPTが得意とする分野は次のとおりです。

  1. 文章の作成
  2. 文章の翻訳
  3. 文章の要約
  4. プログラミング
  5. 検索機能

文章作成

ChatGPTは人間では到底不可能なスピードで文章生成が可能なため、ChatGPTが生成した文章をベースに作業を進めることで作業時間の短縮になります。メールや企画書などの作成はChatGPTのもっとも得意とする分野です。

小説や脚本などもキーワードを入れると大筋の物語を書いてくれます。回答のなかからアイデアを得て、それをベースに人間がまたアイデアを出し、行動に移すという方法がChatGPTの賢い利用方法です。しかし、学生のレポートや作文などの課題に利用されてしまうのではないかという点が懸念されており、地域や学校によってはChaGPTの利用が禁止されています。

文章の翻訳

ChatGPTは文書の翻訳にも優れています。これまでにも多くの翻訳機能は存在していますが、そのなかでもChatGPTの優れている点は投げかけた言葉のニュアンスを理解したうえで文章を出力できる点です。他言語を訳してもらう際、通常の翻訳機能はただ直訳することに徹しており、不自然なつながりの文章になる点が気になりましたが、ChatGPTの翻訳文は自然な日本語の仕上がりとなっています。

文章の要約

ChatGPTは自動的に文章の要約を作成することができます。「すごく短くして」というような抽象的な指示でも要約はでき、文字を100文字と具体的に指定しても作成可能です。ほかにも、要点の強調や説明する対象、口調なども指示することで、それぞれに合わせた内容に要約できます。

プログラミング

すでに多くの人々がChatGPTをプログラミングに利用し始めており、指示を出せばプログラミング言語のコードや表計算の計算式を得ることができます。指示を出してから数十秒で数十桁ほどのコードの出力を可能としますが、ほかのコードとの兼ね合いも含めた指示は困難であるため、既存のコード修正に利用するよりも新規開発に向いています。ChatGPT自身が考えてプログラミングしてくれるため単純作業の高速化に役立ち、作業の効率化につながります。

ChatGPTにおける課題

ChatGPTにおける課題は次のとおりです。

  1. 最新の情報は反映されていない
  2. セキュリティが不十分である
  3. ホワイトカラーの仕事が激減する

最新の情報は反映されていない

ChatGPTが学習するデータはすべて過去のものであり、最新の情報ではないため期待外れの回答をすることもあります。情報が過去のものであったり、日付は現在でも内容が最新ではなく噛み合っていない回答が送られてきたりすることがあります。

セキュリティが不十分である

ChatGPTを利用する際にもっとも注意すべき点は、個人情報などを入れた質問をしないことです。ChatGPTは我々人間が質問したことさえも学習するデータとして取り扱ってしまうため、ほかの質問者への回答として表示されてしまう可能性があります。特にビジネスで利用する際は利用制限や注意喚起などを徹底することが重要です。また、高精度な文章生成を利用してフェイクニュースや高齢者を狙った詐欺などの犯罪に悪用されてしまう可能性も懸念されており、対策が求められています。

ホワイトカラーの仕事が激減する

ChatGPTの精度の高さと知識量によって、日本のホワイトカラーのほとんどの仕事に影響が出るとされています。2023年4月にOpenAI社のCEOが来日し、岸田文雄内閣総理大臣と面会をした際に、日本への進出を検討していると述べました。

こうした報道を受け、ロボットに支配されてしまうのではないかと脅威を感じてしまう人も多いですが、ChatGPTによって吐き出された情報を変換して行動するのは人間です。また、AIの進化に伴い、新たな産業やビジネスモデルが生まれる可能性もあり、同時に雇用が生まれると想定するならば、AIの存在に対して過剰に脅威を感じる必要はありません。

参考:サム・アルトマンCEOの来日に見る、『ChatGPT』を開発したOpenAIの“過去・現在・未来”(Real Sound)
参考:“日本進出を検討”「ChatGPT」開発のオープンAI・アルトマンCEOが岸田総理と面会(TBS NEWS DIG)

まとめ

ChatGPTとはAIによるチャットサービスです。質疑応答や文章生成、翻訳などを得意とし、2023年5月時点の最新モデルのGPT-4では画像や動画の生成も可能となりました。ビジネスにおいてAIを活用することは、業務を最適化する機会をもたらすことに間違いありません。

現段階ではまだ不十分な点もありますが、バージョンアップを繰り返すごとに飛躍的な進化が期待されています。ChatGPTの進化に脅威を感じてネガティブに捉えるのではなく、上手に活用して業務効率化や生産性向上につながるよう、ポジティブに捉えられる人間が将来革新的な成果を得られるはずです。

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