2023.02.02

人事評価における目標設定

人事評価では目標設定をすることが重要です。目標設定をすることによって、従業員のモチベーション向上や上司とのコミュニケーションがしやすくなるなど様々なメリットがあります。目標設定にはMBOやKPIといった種類がありますが、SMARTといったフレームワークを使いMBOを基準としていることが一般的です。

営業部やマーケティング部といった数値が出やすい部署とは異なり、バックヤード業務や技術職は数値につなげにくい場合があります。そのため、それぞれの部署において目標設定を立てる場合は業務内容にあわせて公平で明確になるように設定することが重要です。

参考:人事評価制度構築コンサルティング

人事評価での目標設定の必要性

人事評価において目標設定をすることで、次のような効果を期待できます。

  1. 従業員の成長
  2. 従業員のモチベーション向上
  3. 上司とのコミュニケーション
  4. 企業への理解度

従業員の成長

人事評価制度は、適切に従業員を評価するだけでなく従業員の能力開発が挙げられます。従業員一人ひとりが自発的に目標設定をすることで、効率的にレベルアップができる環境作りができるのです。継続的に上司とコミュニケーションをとりフィードバックをもらうことで、現状の浄化や課題などが明確になります。

目標を達成できた場合は、企業からの評価が上がるだけでなく自己決定感を得られます。そのためにも、従業員一人ひとりにあった目標設定が重要です。

従業員のモチベーション向上

目標設定が適切であれば、従業員は何をすれば評価されやすいのかが明確になりモチベーション向上につながります。さらに、人事評価において目標設定をすることで従業員自らがそれぞれの目標を設定し、目標を達成するために業務に取り組みやすくなります。

上司とのコミュニケーション

人事評価制度は従業員が目標設定をして、上司が目標達成度に対するフィードバックや評価をおこなうことが一般的です。従業員が上司と継続的にコミュニケーションをとり、目標が適切であるか、今後の課題などを一緒に判断していきます。目標設定をすることにより、上司と信頼関係が構築されることからコミュニケーションがとりやすくなるのです。

企業への理解度

人事評価における目標設定は、自身の目標ではありますが企業のビジョンや目標などにつなげることが重要です。そのため、目標設定をするうえでは自然と企業理解が深まります。企業理解を深めることで、より業務がしやすくなり愛社精神が生まれる可能性もあります。

人事評価で目標設定に利用されるフレームワーク

人事評価において目標設定する場合、SMARTを活用することが一般的です。SMARTとはフレームワークであり、次の要素から成り立っています。

  1. Specific(明確性)
  2. Measurable(計量性)
  3. Achievable(現実性)
  4. Relevant(関連性)
  5. Timely(適時性)

Specific(明確性)

人事評価における目標設定は、従業員の誰が読んでも理解できるような具体的な内容であることが重要です。数字を入れることでよりわかりやすい目標設定ができます。売上向上や業務効率化などの曖昧な表現は避けることが一般的です。

Measurable(計量性)

目標設定は第三者が確認してもすぐに進捗状況を把握しやすいような表現をすることが重要です。例えば、たくさん売り上げるといった表現は、人によってとらえ方が異なります。曖昧な表現をしてしまうと進捗状況を把握できず適切な評価が出来なくなります。さらに課題が明確でないため成長にもつながりません。

売上を1000万にするなど数字を含めた具体的な目標にすることによって、誰が見ても同じような捉え方が可能です。

Achievable(現実性)

目標設定は達成可能であることが重要です。現実的に工夫や努力を重ねることによって達成できないような目標にしてしまうと、モチベーションが落ちたり外部環境の変化に依存したりする結果となります。現実的な目標であるかどうかを、上司と相談することによって設定することが重要です。

Relevant(関連性)

目標設定はあくまで個人の目標ではありますが、組織の理念や部門ごとの目標とリンクしていることが重要です。個人の目標を達成することによって、企業にとっても利益につながることやビジョンを守るなどのメリットが必要です。従業員一人ひとりが目標達成することによって、企業における価値観やビジョンなどの上位概念に結びつくことが内発的動機でつながります。

Timely(適時性)

目標設定は期限を設定することが重要です。MBOの場合は半期や四半期で設定することが一般的です。短期的な目標を設定することによって具体的な計画に直結しやすくなります。しかし、短期間では設定できる内容が制限されることから目標に合わせた期間の設定が必要です。

目標管理制度の例

人事評価における目標管理制度には主に次の2種類が挙げられます。

  1. KPI
  2. MBO

KPI

KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)は、業務やプロジェクトの最終的なゴールを実現するためにプロセスごとに数値目標を設定する方法です。

MBO

MBO(Management By Objective、目標管理制度)とは、従業員が目標を設定して上司がフィードバックをおこなうなどサポートをしていく方法です。現在日本では多くの企業が導入しており、業務の成功を目指すKPIに対して人材開発を重点的に強化することが目的です。

部署ごとの目標設定

それぞれ部署によって目標設定の仕方が変わります。マーケティング部や営業部などは明確な数値が出るため目標設定をしやすい傾向にあります。技術職のほかに総務部や法務部といったバックヤードにおける場所ではそれぞれ目標設定を工夫する必要があります。

技術職

技術職は短期間で結果が出ることはほとんどなく、長期的な視野において目標設定を立てることが重要です。受注件数やトラブル発生数など、それぞれ業務において数値化できる内容を目標に設定することが一般的です。通知を設定しにくい職務であれば、今後必要になるスキルの習得を目標設定にすることもあります。

総務部

総務部においては、経費削減率において経費の数値化をしやすい特徴があります。総務部は様々な経費を管理していることから、経費を削減することによって会社の利益に大きく影響します。経費を削減するために業務処理の効率化を目標設定をすることも、目標設定をする1つの方法です。

法務部

法務部は専門性が高いことから契約書の締結数や担当した数なので目標の数値化が可能です。しかし、対応した案件の内容によって契約書の提携数などは一概に評価に比例するものではありません。このため、業務の難易度に分けてそれぞれのランクにおいて契約数や処理スピードなどの項目を設定することで目標設定をしやすくなります。

まとめ

人事評価において目標設定は必要不可欠です。目標設定は売り上げ向上、品質改善といったあいまいな表現ではなく数値で現すことをはじめとして具体的に設定することが重要であり、さらに、実現可能な目標であることや業務に関連する目標であるなど適切な目標の設定にしなければなりません。

適切な目標を設定することで、従業員は自分に対する評価や課題などが明確となりモチベーション向上につながります。さらに、自分を成長させ企業にも貢献でき評価が高まるのです。業務内容や部署によっても設定するべき目標内容は異なります。

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