2022.04.11

中期経営計画の作り方

企業が経営を続けるためには、安定して利益を出すことが大切です。短期間の経営計画も大切ですが、長期間利益を出し続けるためには、3〜5年の中期で経営方針や施策を明確にすることが大切です。

また中長期的に計画を立てることで、想定外のことが起きて短期での計画を達成できなくても、中長期では目標達成することが可能になります。

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中期経営計画とは

中期経営計画は3〜5年の中期で目標を立て、目標を達成するための施策を設定します。1年間の短期計画だけでは、想定外のことが起こった時に対応することができません。また、短期間で目標を達成していても長期スパンで見ると環境変化が悪いほうに進んでいる場合もあります。

そこで中長期的な視野で計画を立てることにより、短期間で目標を達成しなくても長期的に見たら企業が利益を出し、成長する可能性があります。

参考:中期経営計画コンサルティング

設定期間

中期経営計画は3〜5年後の企業があるべき状態を目標にして設定します。短期経営計画を達成できなくても、十分に挽回する期間があります。

経営目標の明確化

現在の売り上げを把握して、3〜5年後に利益と企業の成長をかけ合わせた数値で目標をたてます。利益率や売り上げなどを設定し、その設定を達成するためにはどのような対策をするのか具体的に経営目標に盛り込みます。

目標には数値で表すことができる定量的目標と、数値では設定できない定性的目標があります。そのため両方の目標を設定することが大切です。数値で表せないことであっても、誰がどのように、なぜ、費用などを明確に設定するようにしてください。

融資や補助金を受けるときにも必要

融資や補助金を受けるときは事業計画書が必要になります。最近では経営ビジョンや数値計画、目標数値を達成するための行動計画などが記載された中期経営計画書が求められる場合が多くなっています。また具体的で実現性の高い計画であれば、融資交渉を進めやすくなります。

中期経営計画に必要なこと

中期経営計画を立てるためには、以下の3点が重要になります。

  • 現状の把握
  • ターゲットの設定
  • 具体的な目標数値の設定

現状の把握

中期経営計画を立てるうえで必要なのが現状の把握です。以下のように内部環境と外部環境の両方を分析することが大切です。

  • ミッションやビジョンを明確にする
  • 従業員の人数 
  • 競合他社のシェア率を確認
  • 市場の状況

上記の内容を把握することにより、自社の強みや弱みを分析することができます。

ターゲットの設定

自社の強みや弱み、また市場の状況などを把握することによりターゲットを絞ります。この時にユーザーにアンケートを取るとより効果的にターゲットを絞ることができ、これまで想定していなかったようなニーズを確認できる可能性があります。

具体的な目標数値の設定

事業計画書には、利益目標や売上額の目標など具体的な数値で目標を立てる必要があります。現状の把握をすることでやるべきことが明確になり、利益率や利益額など具体的な数値を設定することができます。

中期経営計画を作る時の注意点

中期経営計画を作る時に、以下の3点に注意をする必要があります。

  • 従業員との共有
  • 優先順位の明確化
  • 修正が必要な場合がある

従業員との共有

中期経営計画は最終的に経営者が作成するのですが、従業員の意見を取り入れることで計画を共有することで進めやすくなります。また、現場の声が入った計画にすることで従業員のモチベーション向上につながります。

優先順位の明確化

目標に対する行動案を設定するときに、優先順位の明確化をすることが必要です。設定したすべての行動ができるとは限らず、必ずしなければいけないことから優先順位を設定しておき、もし計画に無理があるようであれば修正を重ねます。

修正が必要な場合がある

必ずしも中期経営計画の設定通りになるとは限りません。定期的に効果測定を行い、場合によっては計画内容の修正が必要になる場合があります。

中期経営計画の作り方

中期経営計画の作り方ですが、以下のような手順があります。

  1. 現状の分析
  2. 定量、定性分析
  3. 3~5年後の目標を決める
  4. 目標実現のための手法を決める
  5. 短期経営計画を設定する
  6. 定期的に見直しをする

これら全ての手順を、従業員全員が情報共有できるように可視化することが大切です。フォーマットは特に決まりはありませんが、A4サイズ1枚ほどの読みやすいサイズにすることを意識してください。

現状の分析

中期経営計画を進めるために、まずは内部環境分析と外部環境分析を行います。内部環境分析とは商品、マーケティング力、人材、資産、物流など企業が持つ強み、弱みを分析します。企業の強みを活かした戦略、課題を解決するための手法などを分析することが必要です。

外部環境分析とは社会的な動き、流行の移り変わり、市場規模、イノベーション、競合他社の動きなど企業の周辺を取り巻く状況を把握することをいいます。いくらいい商品を開発しても、世の中の動きに合っていなければ売り上げを上げるのはむずかしくなります。そのため外部環境分析と内部環境分析の両方分析をすることが重要です。

Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を分析するSWOT分析を導入することにより、自社の分析を明確にすることができます。

定量、定性分析

数値で表すことができる内容を分析するのが定量分析、表せないのが定量性分析です。中期経営計画では、この両方の分析をすることにより目標を立てていきます。

3~5年後の目標を決める

ここまでの分析結果をもとに、3〜5年後の目標を決めていきます。売上計画や販売計画など数値で目標を立てます。特に融資や補助金など、資金調達をする時に資金計画が重要になります。

もし起業して1年目でない場合は、昨年の売り上げを参考に計画を立てるのが一般的です。中期経営計画において設定した目標は、明確な算定の根拠がないといけません。例えば販売方法や取扱商品の選択、仕入れ方法などが挙げられます。

目標実現のための手法を決める

立てた目標を達成するための手法を決めていきます。具体的な売上高や利益目標などの数値目標を立てているので、その目標を達成するための損益計画が必要になります。また目標達成のためだけの手法ではなく、日々の業務と関連した手法にすることが一般的です。

短期経営計画を設定する

中期経営計画の目標や、目標実現をする手法を決めたら短期経営計画を設定します。短期経営計画とは、単年度の計画であり中期経営計画の目標を細分化することで予算計画ができます。

短期経営計画を設定することで、毎年目標に対して達成できているか、また達成できていないならどの部分が足りないのかなどを見直すことができます。

定期的に見直しをする

中期経営計画の実行を開始したあとも、定期的に効果測定をすることが大切です。一般的には月次ベースで予算と売上高(利益額)を比較することにより、対策や改善をします。計画がうまく進んでいない場合、目標を達成できなさそうな場合は中期経営計画の見直しが必要になる場合もあります。

もし計画に記載された実行がされない場合は、その都度洗い出しが必要です。

まとめ

中期経営計画を立てることにより、企業の現状を把握することができ、中長期間での目標に対してするべきことが明確になります。従業員の声を反映させることにより、企業全体で中長期計画を共有することができます。

中期経営計画を立てることにより、短期経営計画も立てやすくなるメリットもあります。計画を立てておくことにより、想定外のことが起こっても計画の改善がしやすくなります。

中期経営計画は経営者だけが理解するのではなく、可視化して共有することが大切です。

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