2022.05.27

アップセルの事例

アップセルとは自社商品を購入する既存顧客に対し、上位にあたる商品をおすすめすることであり、顧客単価の向上を目指す手法です。顧客満足度の向上や営業の効率を上げるといったメリットがあり、企業の発展には欠かすことのできない要素となります。

集めた顧客情報から属性や購買パターンを分析することで、アプローチ方法を立案することが可能です。新規顧客の獲得よりも既存顧客へ最適なアプローチをかけ、単価を向上させたほうが高い費用対効果が期待できるうえ、営業の効率が上がり、従業員の負担も減ります。

企業の利益を伸ばすために顧客単価の向上は重要な要素であるため、アップセルへの取り組みは多くの企業で求められています。

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アップセルとは

アップセルは単価の向上を目指し、顧客により高額な商品を購入してもらう手法です。単に単価を上げる訳ではなく、すでに自社商品を購入したことのある顧客に対してアプローチをかけ、上位の商品を購入してもらうことを目的とします。

たとえば、2,000円の化粧品を定期的に購入し続けている顧客がいる場合、その顧客に対して上位にあたる3,000円の化粧品をおすすめするというようなことです。どんなメリットがあるのか、どのような価値があるのか伝えることで単価の向上を目指すことができます。

アプローチをかける際は、集めた顧客データから属性や購買パターンを分析し、最適な接客ができるよう入念に準備するべきです。

アップセルが重要視される背景

アップセルが注目を集める理由として、市場の激化により顧客の獲得がむずかしくなったことが挙げられます。新規顧客を獲得するためには認知に向けた広告運用、実際に商品を購入してもらうための営業活動などさまざまな施策を打つ必要があり、従業員への負担やコストがかかるはずです。

市場が激化するなか競合との差別化も困難であり、費用対効果が低いことも事実です。新規顧客による売上と同等な規模の利益を生み出すためには、既存顧客の維持や単価向上が必要になります。

満足度が高くなることで顧客ロイヤリティの向上につながりますし、1人あたりの単価を上げることに成功すれば企業の売上を伸ばすことができます。

アップセルに取り組むメリット

顧客単価を上げることを目的として多くの企業がアップセルに取り組んでいますが、どんなメリットにつながるか疑問に思う方は少なくありません。取り組みへのモチベーションを高めるためにメリットはしっかり把握しておくべきです。

アップセルに取り組むメリットは次のとおりです。

  • 企業の売上をアップさせる
  • 顧客満足度を向上させる
  • 営業の効率化を目指すことができる

会社の売上は顧客の数や単価に左右されます。それぞれが上がるにつれて会社の利益も大きくなりますが、顧客の数を増やすためには多くの営業コストが必要です。単価の向上は売上を伸ばすだけでなく、費用対効果も期待できるので大きなメリットといえます。

また、単価アップに向けて最適なアプローチ方法を考えることは、顧客満足度を高めることにつながり、企業のファンも増加するはずです。

1度商品を購入してもらっている既存顧客へのアプローチであるため、新規顧客の獲得に比べると営業のハードルは低くなり、営業活動の効率化を目指すことも可能です。

アップセルに取り組む際の注意点

アップセルへの取り組みを失敗させないためにも注意点は確認しておくべきです。

アップセルに取り組む際の注意点は次の2点が挙げられます。

  • アップセルにつながる商品設計をする
  • ロイヤリティの低下を防ぐ

上位の商品を手に取ってもらうためには関連したものである必要があり、商品設計が重要となります。まったく内容の異なる商品では顧客の購買欲求を刺激することはできません。

また、ロイヤリティの低下を防ぐために顧客が嫌がる無理な営業はしない、タイミングを考えて営業するなどアプローチの仕方に注意する必要があります。顧客の情報を細かく把握することやアフターフォローをおこなうことで顧客とのつながりを大切にするべきです。

アップセルの活用事例

アップセルにどう取り組めばいいのか疑問に思う方は少なくありません。企業の利益を上げるため、活用事例を参考にしてアップセルへの取り組みをおこなうべきです。

DROPBOX

DROPBOXはオンラインストレージとPCの間でデータの共有や同期ができるサービスです。Dropboxの容量には一定の制限があるのですが、有料プランへの変更や紹介制度を利用することにより使うことのできる容量を増やすことが可能になります。

紹介ではサービス自体に利益をもたらすことができませんが、Dropboxは有料プランで利益を上げています。有料版を利用するユーザーを増やすことを目指し、認知やユーザーの増加に力を入れているのです。

Amazon

Amazonはさまざまな商品を購入することができるネットショップです。商品の検索や注文の際、上位にあたるものを関連商品として表示する機能が備わっており、ユーザーは数多くの商品を視界に入れることになります。

口コミや性能についても概要欄で詳しく説明されているため、ユーザーの購買意欲を高めやすく、顧客の単価アップが大いに期待できます。上位商品の紹介から安心感まで与えるAmazonはアップセルの活用に最適です。

Spotiify

Spotifyは数々の曲を聴くことができる音楽配信サービスです。無料版では曲のスキップ回数に制限があり、制限に達した対象のユーザーへ有料サービスの紹介をしています。有料版はサブスクリプション型のサービスであり、毎月一定額支払う仕組みです。

無料で利用しているユーザーに対して有料版へのアプローチをかけ、サブスクリプションでの利益を伸ばすことを目標に、アップセルの取り組みをおこなっています。今では有料会員数は1憶人を超える規模にまで発展しています。

ヤクルト

ヤクルトはプロの野球球団であり、球団の売上を伸ばすため会員制のファンクラブにアップセルを活用しています。クラスごとに呼称が異なり、ライト会員からプラチナ会員までと5つのクラスに分類される仕組みです。

ライト、レギュラー、ゴールドといったの順に料金とクラスは上がっていき、会員ごとに料金やサービスが異なります。クラスの階級が上がるごとに特典が付いてくるので、多くのユーザーがランクアップをしています。

Sansan

Sansanは法人向けに名刺管理のサービスを展開する企業です。サービスを利用することで顧客が成功をおさめ、望ましい結果を出すといった支援に力を入れ、アップセルへとつなげています。

また、サービスを利用する顧客の状況を分析することで、アップセルに結び付きそうなユーザーへアプローチをしています。そのおかげで多くの顧客の単価向上につながりました。

まとめ

アップセルとは既存顧客に対して上位の商品をおすすめすることであり、顧客単価の向上を目指す手法です。市場の激化により新規顧客の獲得がむずかしくなったという背景から、多くの企業からアップセルは重要視されています。

アップセルへの取り組みは会社の利益を伸ばすことができる、営業の効率アップが期待できるなどのメリットがあります。顧客の満足度を高め、ロイヤリティの向上を目指すこともできるので、顧客のファン化や企業の利益安定化につながるはずです。

企業の事例はアップセルへの取り組みをリアルに把握することができるので良い参考になります。競合他社との争いが激しくなるなか、企業が生き残るためには活用事例を参考にしてアップセルへの取り組みを強化するべきです。

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