2022.06.09

リレーション営業の事例とは

リレーション営業はクライアントとの良好な関係構築が最大の目的です。クライアントの課題をヒアリングして課題解決策を提案していきます。長期間にわたりビジネスパートナーとしてクライアントの課題に対して取り組むことにより、クライアントの信頼を得ることができます。

リレーション営業をするためにはクライアントの課題を理解することが重要で、決して自社の商品やサービスを提案することは第一目的ではありません。クライアントの課題を解決することから不況にも強い営業方法です。

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リレーション営業とは

リレーション営業(Relationship Selling)とはクライアントと長期間に渡って良好なビジネスパートナーとして、クライアントが抱える課題を解決するためにさまざまな提案をしていくことです。自社製品を使って課題解決をするのが第1ですが、課題の内容によっては売り込みをしないこともあります。

リレーション営業には次のような特徴が挙げられます。

  • クライアントとの良好な関係構築が優先
  • 十分な調査が重要
  • 利己的にならない
  • タイミングが重要

クライアントとの良好な関係構築が優先

リレーション営業はクライアントと良好な関係を構築するのが最優先です。そのため、自社製品を売ろうとしすぎて利己的になってはリレーション営業はできません。クライアントの課題解決をするうえで、自社製品を紹介しない場合があることを頭に入れる必要があります。

そのため、リレーション営業におけるクライアントとはパートナーシップを築き上げることが求められます。クライアントが抱えている課題を解決するために、共同で解決する必要があるということです。

十分な調査が重要

リレーション営業とは飛び込み営業やテレアポ営業のように数多くあたるのではなく、クライアントごとに十分な調査をすることが求められます。これまで営業に求められていたのはABC(Appearance、Behavior、Communication)でしたが、リレーション営業に求められるのはABR(Always Be Ready)、つまり、常に備えている必要があるということです。

具体的に説明をすると予測分析をはじめ十分に調査をしてから、商談を始める必要があるということです。

利己的にならない

リレーション営業においては利己的にならずに、売り込まない営業をすることが重要です。クライアントに対するヒアリングがもっとも大切なポイントになります。これまでの実績を活かして自社の商品をおすすめしたいところですが、一歩引いて考える必要がある場合もあります。

商品知識があってセールストークがうまいのに、結果が伴わないのは耳を傾けていない可能性があります。特にリレーション営業では傾聴のテクニックが重要です。

タイミングが重要

クライアントにとって有益な情報であっても、提案するタイミングを間違えるとクライアントにとって信頼感がなくなる結果となります。クライアントの状況を十分に把握することにより、クライアントにとって必要なタイミングで有益な情報を提案できるようになります。

クライアントにとっても必要なときに必要な提案をしてくれる企業に対してこそ、信頼できるビジネスパートナーと認めることができます。

リレーション営業を効果的におこなう方法

リレーション営業を効果的におこなうためには次の方法があります。

  • クライアントの情報を十分に調べること
  • 継続的な取引をおこなう

クライアントの情報を十分に調べること

リレーション営業においては、クライアントの情報を十分に調べることが重要です。企業の概要はもちろんですが、市場の動きや競合他社の動き、経営者や担当者のSNSを調べて重要な人物とのつながりなど調べることができるあらゆる情報を仕入れることが大切です。

クライアントに対して十分な理解を示してこそ、クライアントは課題を話してくれるのです。

継続的な取引をおこなう

リレーション営業は短期的な売上を積み重ねるわけではなく、長期間取引をするなかで顧客満足度を上げる必要があります。パレートの法則において上位20%の優良顧客が売上の80%を占めるといわれていますが、まさにリレーション営業はその上位20%の優良客獲得を目指します。

多くの顧客に購入をしてもらうのではなく、1つのクライアントに何度も購入してもらうことがリレーション営業の大きな目的です。

リレーション営業の事例とは

リレーション営業には次のような事例が挙げられます。

  • 営業エリアにあった組織体制構築
  • リピート率の高い有名ホテル
  • 顧客一人ひとりにお勧め商品を紹介

営業エリアにあった組織体制構築

営業エリアを広めるにあたってそれぞれのエリアでの営業体制が属人化しており、各エリアの担当者の負担が大きすぎる状況でした。そこで顧客志向(リレーション)の体制に変更することにより、担当者の負担を減らしそれぞれのエリアの顧客の満足度を上げることに成功しました。

具体的にはそれぞれエリアの担当者や部門長にヒアリングをおこなうことで現状調査をおこない、それぞれのエリアごとの体制の見直しをしました。現場の担当者や部門長の方がそれぞれのエリアの状況や、顧客のニーズをよくわかっているためそれらの意見を取り入れたリレーション営業の例となります。

顧客にしてみたら自分のニーズや地域性を受け入れられたことになり、その企業に対する信頼感が生まれるのです。

リピート率の高い有名ホテル

あるホテルはITツールを使うことにより、顧客一人ひとりにそれぞれ適切なサービスを提供しています。顧客が情報を伝えなくても、具体的なサービスをホテル側が提供しており高いリピート率を誇っています。

あるときほかのエリアで宿泊したとき時計を忘れてしまったお客様がいたのですが、違う場所で宿泊したときにわざわざ忘れ物をホテルマンが届けたそうです。このように顧客一人ひとりに対して高いホスピタリティを提供することによって、多くの顧客はリピートをしています。

顧客一人ひとりにお勧め商品を紹介

大手通販サイトは商品を購入すると、顧客一人ひとりのこれまでの購入歴を分析して適した商品を紹介してくれます。他の人にも同じものを紹介しているわけでなく、パーソナライズしたサービスであることからリレーション営業の一種といえます。ただ顧客単価を上げたいためだけの紹介と、自分に適している商品の紹介では顧客にとって受け取り方が大幅に違います。

さまざまな通販サイトがある現代においても、同じ商品や価格であれば同じ通販サイトを利用しようと思うものです。

まとめ

近年商品やサービスを紹介するだけの営業は効率的ではなくなかなか売れないことがあります。これは商品やサービスはインターネットがあれば、自分で調べられることが大きな要因です。そこで、クライアントの立場に立って課題を解決することが重要になります。リレーション営業もその一つであり、クライアントとの信頼を獲得することが最終的なゴールです。

リレーション営業を導入しクライアントの課題に対して共同で解決に向けて取り組むことにより、クライアントからの信頼度が高まります。決して一朝一夕でできることではなく手間も時間もかかりますが、一度信頼を構築できると長期間に渡る良いビジネスパートナーとなります。

リレーション営業において最終的に必要なのはクライアントに対する誠意です。うわべだけの取引内容ではすぐに見抜かれてしまいます。商談をする前に十分にクライアントのことを調べて、現在の課題を把握することによりクライアントに共感をすることができます。共感ができてはじめて誠意が生まれます。

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