2023.09.06

CPF(カスタマー・プロブレム・フィット)とは

CPF(Customer Problem Fit、カスタマープロブレムフィット)は、顧客の課題を検証するフェーズです。このフェーズでは、顧客インタビューや市場調査を通じて、顧客が抱える具体的な問題やニーズを理解します。これにより、提供する価値や解決策がどのように顧客にマッチするかを把握し、製品やサービスの方向性を決定することが可能です。また、壁打ちウォールキッキングという手法も用いて、アイデアを実現可能なビジネスコンセプトに結びつける努力がおこなわれます。

CPFとは

CPF(Customer Problem Fit、カスタマープロブレムフィット)は、フィットジャーニーの第1段階であり、顧客の課題が存在するかどうかを判断することです。このフェーズでは、市場における顧客の実際の課題やニーズが存在するかどうかを明確に判断します。

顧客インタビューや市場調査を通じて、問題が本当に存在し、それに対する顧客の関心や痛点が確認されます。これにより、提供する解決策が実際に求められるものであるかを確認し、ビジネス戦略を適切に方向付ける重要なステップとなります。

CPFの目的

CPFでは顧客の課題に対して仮説検証をすることが目的です。そのため、CPFが終わっている時点で、顧客イメージや顧客が持つ課題や要因、課題を解決する方法などが明確になっている必要があります。CPFの過程で顧客との対話を通じて、顧客のフィードバックや意見を集めることが重要です。

これによって、顧客が本当に求めているものを理解し、それに対する製品やサービスを開発するための方向性を見極めることが求められます。CPFの終了時には、顧客の課題とそれに対する解決策が明確になっていることが、次の段階へのスムーズな移行のために不可欠です。

CPFの重要性

スタートアップや新規事業が失敗する理由として、誰のどのような課題を解決するかを明確にしないことが挙げられます。CPFに取り組む前に、プロダクトの検証を進めてしまうことが原因です。成功の基盤は、顧客のニーズや課題を正確に把握し、それに合致したプロダクトを提供することにあります。

CPFでは、顧客の声やフィードバックを集め、課題解決に焦点を当てることで、真の価値を提供する道筋が明らかになります。プロダクトの検証に進む前に、課題解決のニーズを明確にし、その後にプロダクトをデザインすることが成功への鍵です。

CPFの次に目指すフェーズ

CPFの次に目指すフェーズは、PSF(Problem Solution Fit、プロブレムソリューションフィット)です。CPFで存在している課題に対するアイデアを明確にして、誰が顧客になるのか、最小限の機能として何が必要なのかを考えます。

PSFでは、CPFで明らかにした課題に対する解決策を具体化し、それが顧客のニーズとマッチするかどうかを確認します。顧客のフィードバックや要望をもとに、提供する価値を明確にし、最初のバージョンで必要な機能や機能を洗い出します。

CPFを進める流れ

CPFは一般的に次のような流れで進めていきます。

  1. ペルソナの設定
  2. 顧客の行動を分析
  3. カスタマージャーニーの設定
  4. 条件の整理

ペルソナの設定

CPFを進めるにあたり、課題を持つ顧客のペルソナ設定が必要です。年齢や性別、住んでいる地域などの基本情報以外にこれまでの行動パターンや価値観などの情報も設定すると効果的です。これにより、顧客のニーズや嗜好を理解し、ターゲティングされた戦略を展開できます。

例えば、過去の購買履歴から関心のある分野を把握し、個別のニーズに合わせた提案が可能となります。顧客ペルソナの設定は戦略の精度を向上させ、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するために不可欠です。

顧客の行動を分析

ペルソナを設定したら次に顧客の行動を分析していくのですが、エンパシーマップを作成することが一般的です。エンパシーマップとは顧客のこれまでの行動や感情などを把握することによってニーズを分析することが目的のフレームワークです。エンパシーマップには、顧客の日常的な活動や購買履歴、願望や課題、感情などが含まれます。

これにより、顧客の視点や立場に共感し、彼らの目線からの洞察を得ることが可能です。エンパシーマップを通じて顧客の声に耳を傾け、彼らの真のニーズや期待に応えるための戦略を立てることができます。総じて、エンパシーマップは顧客中心のアプローチを強化し、より意義のある顧客エクスペリエンスを実現する手段となります。

カスタマージャーニーの設定

エンバシーマップの作成が終わったら次にカスタマージャーニーの設定をしていきます。カスタマージャーニーとは顧客が商品を購入してから利用するまでのプロセスを可視化するフレームワークです。カスタマージャーニーを通じて、顧客がどのように製品やサービスと関わり、どの段階でどのようなニーズや課題を抱えるかを理解します。

カスタマージャーニーの設定により、顧客の体験を洞察し、改善の余地や新たなサポートの機会を見つけることができます。特定のタッチポイントや接触の段階での課題を特定し、顧客の期待に合致するようなエクスペリエンスを提供するための戦略を策定できます。

条件の整理

カスタマージャーニーの設定が終わった時点で情報の整理をすることが重要です。例えばカスタマージャーニーの結果によっては、ペルソナの再設定が必要になる場合もあります。

カスタマージャーニーを設定する前にエンバシーマップを作成した時点で条件の整理が必要になることも少なくありません。情報整理はカスタマーエクスペリエンス向上のための着実なステップであり、戦略の効果的な展開につなげるために必要です。

CPFでの主な活動内容

スタートアップのフェーズとして、まずはじめにCPFに取り組むことが必要です。CPFでは、次のような活動をおこないます。

  1. 顧客インタビュー
  2. バーニングニーズを検証

顧客インタビュー

CPFでは、顧客にインタービューをすることでお金を使ってでも解決したいのかを把握します。顧客の課題が深刻であるほど、解決策に対する願望も高くなる傾向があります。インタビューを通じて、顧客がどのような課題を抱えているのか、それがどれほど彼らの日常やビジネスに影響を与えているのかを理解します。また、その課題を解決することにどの程度の価値を感じているのかを尋ね、そのために支払いをする意欲があるかどうかを確認します。

バーニングニーズを検証

バーニングニーズとは、顧客が早急な解決を求めている課題なのかを評価することであり、CPFでは客観的に評価します。つまり、顧客の課題が日常やビジネスにどれほどの影響を与えており、急務の課題であるかを明確に把握します。

顧客へのインタビューや調査を通じて、課題の解決をどの程度切望しているのかを理解してください。顧客がその課題を解決することで得られる利益や影響を明確にし、それがなぜ早急に対処されるべきバーニングニーズであるかを示すことが重要です。

まとめ

CPFとは、顧客が抱えている課題について検証するプロセスです。商品やサービスを通して顧客の課題を解決することで、顧客満足度を向上できます。CPFは、顧客の視点から価値を提供することを重視し、効果的なマーケティング戦略や商品開発に繋がるアプローチです。顧客の課題解決に焦点を当てることで、長期的な顧客関係の構築や競争力の向上に貢献します。

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