2023.05.24

営業プロセスとは

企業が事業を続けていくためには営業部門全体で売上の向上に取り組むことが必要です。しかし、現状では営業担当者一人ひとりが自分自身の勘や経験で営業を進めている場合が多くみられます。営業活動の属人化が進むと、営業担当者によって営業の質が変わってしまい安定したサービスを顧客に提供できなくなります。

そこで営業活動を体系化するために営業プロセスを作成することが重要です。営業プロセスがあることによりリード獲得から契約までの流れを統一できます。

営業プロセスとは

営業プロセスとはリード獲得から初回訪問、契約に至るまでの一連のプロセスを可視化することです。リード獲得以降、初回訪問、ヒアリングや提案、商談、クロージングなど営業業務における活動を細分化していきます。

営業担当者が自己判断をして行動すると、営業業務全体的に属人化することになります。属人化が進んでしまうと、担当している営業担当者が離職すると同じような顧客への対応ができなくなり顧客満足度が下がる可能性があるのです。

営業プロセスが重要視される理由

営業プロセスが重要視されるのには次の理由が挙げられます。

  1. 人手不足
  2. 顧客満足度の向上

人手不足

高齢化や少子化が続く時代において、各企業において人手不足が大きな問題となっています。営業業務においても限られたリソースで成果を出すことが求められます。そこで営業プロセスを整理することによって、営業の基準が出来るため人材育成をしやすくなるのです。

従来の研修と比べて短時間で効果的に進められる可能性が高く、これまで結果が出なかった営業担当者が結果を出せることが期待できます。

顧客満足度の向上

営業プロセスが明確であれば、一貫性のある顧客対応が可能です。営業担当者一人ひとりに任せていると、担当した人によって対応できる内容が異なることがあります。しかし、営業プロセスがあることで担当者が変わっても安定した顧客対応ができるため、顧客満足度の向上につながるのです。

営業プロセス活用によるメリット

営業プロセス活用により次のようなメリットが挙げられます。

  1. パフォーマンスの向上
  2. 属人化の防止
  3. 営業活動の課題を明確化

パフォーマンスの向上

従来の営業方法では、業務が属人化することから営業担当者一人ひとりの負担が大きいケースが少なくありません。さらに、経験の浅い営業担当者に対して研修やアドバイスなどをする時間をとれず、営業担当者によって負担が偏る傾向があります。

営業プロセスが標準化されることから、誰が担当をしても同じ対応をすることが可能です。営業担当者1人ひとりの負担が減るため、営業部署全体としてパフォーマンスの向上につながります。

属人化の防止

営業プロセスを活用することにおいて、ノウハウやナレッジの属人化を防止することが可能です。担当者1人にすべてを任せていると、ほかの担当者では対応できなくなる可能性があります。しかし、営業プロセスがあることで誰が対応をしても対応の質を保つことができ企業として評価があがりやすくなるのです。

さらに、営業担当者が離職した場合でもスムーズに引継ぎをしやすくなり長年経営をできるようになります。

営業活動の課題を明確化

営業プロセスを導入することで、営業業務全体の課題を明確にできます。営業プロセスによって営業業務を可視化でき、数値で俯瞰的に見られるため、ボトルネックを見つけやすくなるのです。

例えば契約につながらなかった場合でも、どのプロセスにおいて失注したか明確化でき、原因を探りやすくなります。顧客のニーズに合っていない層品を提案していたのか、提案の仕方が的確でなかったのかなど失注した原因をつきとめ、改善策を打ち立てより効果的な営業プロセスにできるのです。

営業プロセス設計のステップ

営業プロセスを設計するためには次のようなステップを踏むことが一般的です。

  1. 現状の営業業務を確認する
  2. プロセスごとの活動内容や目的を把握する
  3. 営業プロセスを管理する
  4. PDCAを回す

現状の営業業務を確認する

営業プロセスを設定するうえで、現状の営業業務を把握する必要があります。営業部門が設定している目標と現状においてどのようなギャップがあるのかを把握してチェックするべきポイントを明確にします。さらに、営業担当者一人ひとりにヒアリングすることでプロセスを言語化することが一般的です。

プロセスごとの活動内容や目的を把握する

リードの獲得や訪問、クロージングなど営業のプロセスにおいて、活動するべき内容や役割を定義します。

営業プロセスを管理する

営業プロセスと顧客データと連携することで、顧客情報や案件の進捗を把握できるようになります。営業担当者がそれぞれのプロセスにおいてすべきことを把握することが可能です。このとき、KPIを明確にすることで、データ分析を進めやすくなります。

PDCAを回す

結果を出している営業担当者のプロセスを可視化して営業プロセスを作成しても、営業部署全体において最適な方法だとは限りません。営業プロセスを導入したあとも、定期的に定量、定性両面から効果測定をおこなうことが重要です。定量面だけを対象とすると、結果がでない理由を把握できない可能性があります。

営業プロセスにおけるポイント

営業プロセスを運用するうえで次のようなポイントが挙げられます。

  1. カスタマージャーニーを描く
  2. 顧客セグメントに合わせる
  3. KPIを設定する

カスタマージャーニーを描く

カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品を認知してから購入に至るまでの行動やプロセスのことです。それぞれのプロセスに分けて、とるべき営業活動の内容をアクションまで落とし込んでいきます。

カスタマージャーニーマップとして行動プロセスを書き出したものを基にして、営業プロセスを考えられます。従業員が営業プロセスを理解することで、効果的に活動しやすくなるのです。

顧客セグメントに合わせる

顧客セグメントを合わせることにより、的確なマーケティングが可能になります。顧客セグメントには次のプロセスが必要です。

  1. 商品やサービスにあった市場を決めるプロセス
  2. 他社と差別化して自社商品の立ち位置を決めるプロセス

企業規模や地域、業種などに分けてセグメントを設定したうえで、商習慣の違いを含めて最適な営業プロセスを運用することが重要です。

KPIを設定する

KPIは、企業が目標とする数値を達成するために必要とするプロセスを数値化することで、進捗や結果をわかりやすくすることが目的です。営業プロセスを細分化することで定性的な目標を設定するうえで、KPIが必要になります。

企業によって営業プロセスにおけるKPI設定は異なることが一般的です。例えば、訪問数が売り上げに直結するようであれば、訪問回数がKPIになります。

まとめ

定義した営業プロセスを可視化することで、営業担当者一人ひとりまた営業部署全体のパフォーマンスの向上や人手不足の解消、生産性の向上などさまざまな効果があります。効率よく営業プロセスを運用するためには、営業部署の現状を把握しプロセスごとの業務内容や目的などを把握することが重要です。

さらに、営業プロセスを運用後も定期的に定量、定性両面において効果測定をすることが大切です。営業プロセスは何度も改善を重ねることによって、より効果的になります。

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