2023.01.16

4C分析とは

4C分析とは、Customer value(顧客価値)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーションのとりやすさ)の4つを使った分析方法、つまり、顧客視点で考えるマーケティングの分析方法です。

4C分析の重要度が高まった理由として、マーケティングの変遷が影響しています。作れば売れるプロダクトアウトの時代から特別な特徴がないと売れない販売指向、そして、近年では顧客満足を基準としてマーケティングが一般的です。

4C分析とは

4C分析とは、Customer value(顧客においての価値)やCustomer Cost(顧客においてのコスト)など顧客を基準とした分析方法です。企業視点で分析する4P分析や市場や競合他社を分析する3P分析とも異なります。

4C分析の特徴

4C分析とは、次の要素において顧客目線でのマーケティング戦略を立てていくフレームワークです。

  1. Customer Value(顧客価値)
  2. Cost(顧客コスト)
  3. Convenience(利便性)
  4. Communication(コミュニケーション)

3C分析との違い

3C分析は外部環境を分析するのが目的でミクロ環境の情報整理をするのが目的です。3C分析は次の3つの要素において分析するフレームワークです。

  1. Customer(顧客)
  2. Competitor(競合他社)
  3. Company(自社)

Customer(顧客)

どのような人がターゲットになるのか、顧客のニーズを分析していきます。業界の市場規模や成長性、顧客の購買行動やニーズなどといった市場や顧客の観点をリアルタイムで把握することが重要です。

Competitor(競合他社)

競合他社の市場シェアや展開している商品、どのような評価を受けているかなどを分析します。競合他社ごとの情報を把握するほかに、業界全体としての動きを把握することも重要です。

Company(自社)

競合他社の競合や市場の動きなどをふまえて、自社の強みや弱みを把握します。自社の企業理念や特徴、戦略、商品ラインナップ、資本力、現在のリソースなどさまざまな要素が考えられるのです。

4P分析との違い

4P分析は企業視点に立った分析方法で、4C分析は顧客視点に立った分析方法です。4Pと4Cでは次のように対になっています。

4C分析 4P分析
  1. Customer value
  2. Customer Cost
  3. Convenience
  4. Communication
  1. Product
  2. Price
  3. Place
  4. Promotion

商品やサービスを受ける方法ですが、4Cでは顧客にとってどれほど価値があるかを重要視します。対して、4P分析のProductは顧客のニーズがあるもの以外に、企業にとって独自のリソースを使うことによって競合他社に勝ち抜くことも重要です。

次に、Customer Costは顧客にとって納得のいく価格であることを基準にするのに対して4Pのpriceは利益を出すことも基準になります。

4CにおけるConvenienceは、顧客にとって利便性があるかどうかが基準です。4PにおけるPlaceとは顧客に対してどのような手段が経路で商品やサービスを届けるのが最適な流通であるのかを分析します。

4CにおいてCommunicationとは顧客とのコミュニケーションが重要であるのに対して、4PにおけるPromotionは顧客に商品の魅力を知らせるためのWeb広告やキャンペーンなどの販売促進策のことです。

4C分析の要素

4C分析は次の要素において分析をすることです。

  1. Customer Value
  2. Cost
  3. Convenience
  4. Communication

Customer Value

Customer Valueとは顧客価値のことであり、顧客が抱いている商品やサービスに対する価値です。顧客は商品の特徴や価格以外に、商品のデザインやブランド力、アフターフォローなどさまざまな要素において商品やサービスに対して価値感を持ちます。つまり、顧客が商品を購入したあとどのような体験価値をもてるかどうかといったことを分析することが重要です。

Cost

Costとは、顧客が商品やサービスに対して支払いをする費用です。Customer Valueとも大きく関連しており、顧客が商品やサービスに対して十分に価値を感じていれば高いと感じなくなります。しかし、顧客がコストを高いと感じていれば購入につながりにくくなるのです。ただ価格で勝負するのではなく、顧客が価値を感じられるような設定が必要です。

Convenience

Convenienceとは、商品やサービスを顧客が購入するうえで決済方法やそのほかのプロセスなどにおいての利便性を指します。カスタマーサポートの向上や成約プロセスの簡略化など考えるべきことは複数あります。顧客は商品やサービス、価格が同じ場合そのほかのサービスにおいて比較をするため、重要な要素です。

Communication

Communicationとは、顧客とコミュニケーションをとる場所を確保することです。近年では、商品説明会やセミナー、発表会等以外にも普段からSNSやメルマガなどによって顧客からの声を反映させることが重要です。さらに、Webサイトにチャットボットを導入することによって、営業時間外であっても気軽に質問できるような仕組みが増えています。

顧客のニーズは外部変化や顧客が求めることの変化により常に変わります。そのため、顧客との良好な関係性は重要です。顧客が関係性に満足することによって、商品やサービスの質や特徴、価格以外にメリットを感じ、ブランディングにつながり他社との差別化が可能になります。

4C分析を活用するメリット

4C分析を活用することにより、次のメリットが挙げられます。

  1. 競合他社との差別化
  2. 顧客ニーズにあった商品の開発

競合他社との差別化

4C分析を活用することによって競合他社との差別化につながります。Customer Valueは顧客にとって価値のある商品やサービスのことであり、商品の品質以外にもデザインやブランドなど幅広い要素があります。さらに、顧客が満足するコストや利便性、コミュニケーションを図る場所など顧客にとって満足できるサービスを追及することから、他社との差別化になるのです。

顧客ニーズにあった商品の開発

4C分析は顧客目線で商品やサービスを開発したり、改善していくため必然的に顧客ニーズにあった商品の開発をしたりすることになります。そのため、スムーズに顧客に受け入れられやすくなる可能性が高まるのです。

4C分析導入におけるポイント

4C分析導入において次の点がポイントとして挙げられます。

  1. マーケティングミックスの活用
  2. ターゲットの明確化
  3. 顧客目線での運用
  4. 自社の優位性を把握

マーケティングミックスの活用

効果的なマーケティングを進めるうえで、顧客目線で分析する4C分析は重要です。しかし、企業目線で考えた4P分析も必要であるため、両方を組み合わせたマーケティングミックスが求められます。

ターゲットの明確化

4C分析は顧客目線で進める分析であるため、特にターゲットの明確化が重要です。ターゲットを設定する場合、性別や年齢等の属性だけでなく職業や家庭環境など具体的なペルソナ設定をすることでより効果的な4C分析ができます。

顧客目線での運用

4C分析は顧客目線でおこなう分析です。企業目線でおこなう分析をする場合は4P分析があり、それぞれ明確に分けて進めることが重要です。企業目線で4C分析を進めると本来あるべき4C分析の効果を得られなくなります。

自社の優位性を把握

4C分析を進めるうえで、自社の強みを把握することが重要です。競合他社に勝てるような、ブランド力や希少性、専門性などの優位性を明確にすることで、4C分析を進めやすくなります。

まとめ

4C分析は、顧客目線で分析をするマーケティング手法です。顧客のニーズを満たした商品やサービスを提供することがマーケティングの主流となっており、4C分析は重要なマーケティング手法です。顧客のニーズにあった商品やサービスを提供できることで、競合他社との差別化につながります。しかし、企業目線で考える4P分析も必要であり両方を取り入れたマーケティングミックスが重要です。

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